見出し画像

【詩】「missing」

まとわりつく寒さは徐々に薄らいできたけど
まだ震えが止まらないままだ

寂しさはずっとある
言葉にしてこなかっただけで
その感情は胸に染み付いてる

どれだけ晴れた空になろうとも
この湿った気持ちは乾かない

誰かが呟いた言葉にこぼれた一筋の涙
僕らは本当に遠いところまで来たんだ
そのことに気付くのに時間はたくさん流れた

この冬はもうすぐ終わり
厚いコートを脱いで身を軽く感じることができる
また新しい春が来るけど

たった一年前と比べてみても
もう戻れない場所たちを作ってきた
そうだよ もう辿れない場所の数を増やしてきた

でもそれが生きていくことかもしれないね
次第次第に薄れておぼろげになっていく
心の中に霧を持って生まれた僕らだよ

寂しさはずっと消えない
押し隠すように笑い声上げるけど

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?