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FFXIV 僕らは久遠の絆を誓い合うことにした。(3)

忘れられない出来事を、感謝と共に。

みんなで祝福を。

絆を誓うセレモニー自体は2人だけでも挙げられる。
だけど今回は、みんなで集まってお祝いすることに意味があると考えていた。
あまりこう言う事を話すと「重い」って言う人もあるかもしれないが、人と人とが繋がりを持って遊ぼうって世界で、一緒に遊んでるフレンドさんもいるのに黙ってセレモニーをしちゃうのもどこか水臭いじゃないか、と思う部分もあった。
「重い」こと結構だ。「こんなもんでしょ」とネットの世界に擦れてしまうつもりはない。
私がここで大切にしたいものは。

拭えない気掛かり。

金曜日毎に次週の予約受付が始まるので、セレモニー開催を希望している日の前の週の金曜日に大聖堂へ予約を入れに行く。
自分たちの選んだプランでは予約時間が優先されているとは言え、週末の集まりやすそうな時間は希望者がいるのでは、と気が気ではなかった。
ふたりで行わなければ予約できないシステムなので、相棒さんと都合を合わせて仕事を一旦切り上げるなどしてログインし、予約受付開始早々に予約を取った。

無事、予約もできた。
後はフレンドさんたちと連絡を取って招待状を届ける。
一昨年からずっと「いつかは」と考えていた日が、もう1週間後に迫っているのだなと思うと、身震いした。
運営さんのサポートを得てエターナルバンドのスペシャルクエストを進めて以来、何もかも一応は順調だ。
だけど、どこか釈然としない。
何かを忘れている気がする。
いつもの心配性が顔を覗かせているのだろうか。

相棒さんの様子は特に変わったこともなく、穏やかに見えた。
だとすれば胸騒ぎの原因は私の中にあるのだろう。開催日当日までにその気掛かりめいた何かを解消したいとぼんやり考えていた。

楽しい作業の間にも。

フレンドリストをチェックして思ったのが、意外に招待したい人が多かったことだ。こんな嬉しいことはない。リアルやオンライン併せて35人近くがリストアップされた。相棒さんと共通のフレンドさんもいたり、当日は週末で皆さんお忙しいことが予想されたので全員は来られないだろうと予想した。
それでもお知らせだけはと、せっせとレターを書き送り、または手渡しで招待状を届けたり、慌ただしく一週間が過ぎつつあった。
その間に、お祝いの贈り物が届いたりと、ふたりで喜びを分かち合った。
セレモニーの準備をしつつも合間に出かけていたクエストの途中で合流した親しいフレンドさんと、バチュラパーティの如く騒いだりと、とにかく楽しい時間が次々と過ぎて行った。

公式サイトの案内に全て目を通し、開催手順を何度も確認した。
已を得ずキャンセルになっても再予約ができるとは言え、そうならない様にと何度も何度も読んだ。
過去に招待頂いたフレンドさんのセレモニーを録画していたので、それも全て目を通した。
普段のコンテンツ攻略は、最初だけは予習なしで突入して楽しみたい!などと言うスタイルなのに、ここでは予習に予習を重ねている自分に気づいて苦笑いをした。時間を作って参列して下さるフレンドさんに、不手際は見せられないと思っていた。

それでもモヤっとした不安が消えなかった。
開催前日。別ワールドからもセカンドキャラで足を運んでくださるフレンドさんを送迎するなどした後、相棒さんとセレモニー様式や手順の確認を現地でする。
相棒さんの方は以前に一度セレモニーを行なっているので、細かい手順を尋ねたかったのだが、なんとなく気が引けた。
当時のあまり楽しくなかったセレモニーを思い出させたくなかった。それに随分と時間も経っている。一度だけ尋ねたが、細かい部分は覚えていないとのことだった。
公式サイトにも案内があるし、当日現地でアナウンスに従って選択し、渡された久遠のベルを使って進めていけば大丈夫。
開催2.3日前から、ふとした瞬間に『緊張してきた』を連呼している相棒さんを見てやや心配になった。



以前ふたりでダンジョンに出かけていた時の事を思い出していた。
4人1組で出かける場所で、タンク役だった相棒さんにちょっとしたミスが起きた。誰から見ても「ドンマイっ」で済むミスだったが、相棒さんはパニックに。
『もう嫌だ帰りたい』『ダメ無理』を連呼し始め、それまでできていたことが殆どできなくなった事があった。
ハングアウト(Googleの無料通話アプリ)の向こうから繰り返し慌てる声が聞こえ、画面の中では大混乱の相棒さんが右往左往している。
事態を収拾しなければと、パニックになっている相棒さんを落ち着かせる事を考えた。
『そんなこと言っても帰しませんからね!!やればできるの見てきたんですから、先ずは落ち着きましょう』
と声を掛けるも、相変わらず『ダメ無理』を繰り返し言い続けている。相棒さんは自分の声で私の声が届かない様子だった。喋りまくってる間はパニックが終わらない。
と言うか、タンクに抜けられるのは実際困る。
お化け屋敷みたいに不安で喋りたいのはわかりますが、あと少しで終わりますから、その間だけでも静かにできますか??』
『今は敵視を取るだけでいいです、後はうまくできなくてもいいんで! 3人でフォローできます』
喋るのを一旦止めて貰わないと会話が成立しない。ちょっとキツい言い方になったけれど、落ち着いてから謝ろうと思った。
唸りながらも徐々に静かになる様子がハングアウトから聞こえる。
『本当だ、落ち着いてきた』
との相棒さんの言葉を聞いてホッとした。
私は、お化け屋敷がちっとも怖くない人だから傍観できたのかも知れないが、ビビってる人の声にビックリして余計にビビる人を見たことはある。怖がる叫び声の相乗効果でデバフが付くなら、その声の音量を下げるのが手っ取り早いと思ったのだ。本人もそんな慌てたり叫んだりはしたくないはずだ。

以来、私は相棒さんが同じ言葉をうわ言の様に繰り返し始めたら警戒するようになった。巻き添えで自分も不安になるのを防ぎたかったし、もちろん相棒さんの心の負担を減らしたかった。
私に理解できない行動が相棒さんにあれば、大抵それは自分の心をダメージから守る為に一時的に行なっている行動だろう、と考えることにしていた。

セレモニーを明日に控え、最後の打ち合わせをし、深夜となってそろそろログアウトをしましょうと話していた時。ふと思い出した“ロマンティックバルーン”の事を相棒さんに尋ねた。
有料のプラチナプランに付いてくる演出用アイテムだが、二個のみ。撮影の為に使うには、あまりにも少ない。従って、いつも気軽に使う訳には行かず、その限られた使用場面をいつにしようか?と話しかけていると、
『あ、本当だロマンティックバルーンって2つある。…あっ』
『えっ?』
『あ、えーっと、使っちゃいました』
『えっ!?? ええと、ふたり合わせても4つしかないアイテムをですか?? 今??』
『試しに触ってたら使っちゃって…』
『…試しに触らないですよ…』
話の途中で限定アイテムを消費してしまう相棒さん。
急遽、撮影。
その夜は、なんとはなしにモヤッとしたまま床に就いた。


有り得ないなんてことは有り得ない。

エターナルセレモニー開催当日、朝。
天気はよかったのに最悪の目覚めだった待望のエターナルセレモニーが、訳の分からない理由で開催できずに延期になる夢を見た。フルカラーで生々しいその場面が、起床後もしばく脳裏でリピート再生されて気分が重くなった。
心配し過ぎて夢に見ただけだ、脳がデフラグできなかったんだろう、そんな風に考えて仕事に取り掛かる頃にはスッカリ忘れていた。
あれだけ手順を確認してきたのだから、問題を起こしたりしない。
仕事を終えてログインするまでが、あっという間に感じた。

予定通りに合流し開催予約時間30分前に、相棒さんと現地に向かった。

連日の様に『緊張する、緊張する』と連呼している相棒さんをみて、やや心配になった。自分で本当に緊張してしまう“まじない”をかけてしまいやしないかと。
出かける前に、みんなの前で伝える挨拶の為に組んだマクロを、相棒さんは自宅ハウスの庭で誤爆し慌てていた。近隣住民が居たら、聞かれていたことだろう。
その時も『緊張する』を連呼していたのを思い出す。
ダンジョンに行く時に、何か困ったことが起きたら一緒に考えましょうと声を掛けている私だが、この日はそう言いながらも1週間経つも未だあのモヤッとした気掛かりが目の前にぶら下がっている感じがして、やや鬱陶しかった。

開催時間が迫り、連絡の取れた方の殆どが集まってくださっていた。
賑やかになるにつれ、嬉しさが込み上げて来た。
心配していた相棒さんも、平常心ではないが大丈夫そうだ
会話とチャットを同時にうまくできなくていけない、と常日頃から相棒さんには聞かされていたが、今夜はハングアウトで話しながらもチャットはできている様子だった。
開始時刻には25人ものフレンドさんが駆けつけてくれていた。

開始時間が過ぎ開場すると、みんなで会場に入る。
主催者はそれぞれの控え室にいるので、そこで準備と最終確認をしてスタートするのだが、私には気掛かりがあった。
『すみません、10分程度待たせてもらっていいですか。今日ここに来ると連絡が取れてるのに未だ来ていない人が数人いるので…』
仕事も忙しい合間の参加や同一サーバーでない等々で、当日まで招待状を届けられないフレンドさんがいたのが気になっていた。
一回きりのセレモニーを大切にしたいと思うあまり、待機することを快諾してくれた相棒さんに甘えて、待ってみることにした。
会場にはフレンドさんも待たせているので、そんなに長引かせてはいけない。
段取りをせずに20分が経過すると、自動でキャンセルにもなってしまう。
待機から10分が過ぎ、間もなく15分が迫ろうかという頃、さすがにこれ以上はマズいと会場に戻ろうとした。週末だし、きっと何か予定変更があって連絡もできない忙しさなのだろう。

すると、
『あ、何かtellが来たので、ちょっと返事しますね』
と相棒さん。
『すみません、それ後にして下さい! 今は時間がないので戻って準備をしましょう!!』
私のせいで準備の時間を削ってしまっていたので、語気を強めて言ってしまったのは申し訳なさでいっぱいだった。
戻って準備をしましょうと声を掛けると、何故か外でそのまま着替えを始める相棒さん。
『ここでは始められないので、中へ入りましょう!!』
いつもは慌てない自分が、パニックになり掛けている相棒さんを見て慌て始めているのに気づいた。とにかくスタートしなければ。
エリアチェンジの読み込み時間が、異様に長く感じられた。
実際にこの時は長かったかもしれない。

着替えて、セレモニーの設定を選んで、後はベルを…

気づいたら、フレンドのみんなと相棒さんと、全員で会場のエントラントに立っていた。
ギリギリでスタートが間に合わなかったらしい。

今朝見た夢の中にいる様に、全く同じ場面を今はモニター越しに見ている。

そのモニターの前で私は顔を覆っていた。

『こんな…』

我ながら安っぽい映画みたいな台詞を吐いたのを後悔しながら、それを振り解こうと頭のクロック周波数を上げろとばかりに考えた。考えろ、考えろと。
数十秒、静寂に包まれた気がしたが、それは私だけだった様に思う。
みんなが一斉に話し始め、そのログが一気に流れて行く通知音で現実に戻ってきた。ゲームの中で現実に戻るとはおかしな表現だが。
相棒さんはどうしているだろう!?と心配していると、堰を切ったかの様な勢い、いや、壊れた様に爆笑し続ける相棒さんの声がハングアウトから流れていた
『こんなことってあるの!?』
と何度も何度も繰り返し言いながら、爆笑しているのだ。
それはまるで出荷前の七面鳥の如く賑やかだった。
会場ではチャットログが流れ続けるのみなのだが、こちらではコントロール不能になった相棒さんの壊れた笑い声とチャットの通知音に飲み込まれた私は唖然とした。

待望のエターナルセレモニー、それもふたりの記念日にと選んだ日を、自らの手で壊してしまった。大切にしようとしたあまりに、時間を使い過ぎてしまった。
ゲラゲラと笑い続ける相棒さんに一瞬だけ腹が立ったのだが、そのまた次の瞬間には猛烈に心配になった
きっと相棒さんの方では許容量を超える感情に対処できず、笑い続けることでショックを和らげているのではないだろうか??と推測した。
瞬時に、“爆笑が終わった後にやってくるダメージで一睡もできずに仕事に行く相棒さん”を想像して、心配に心配が輪をかけて大きくなって行く。
だったら何故、見切りをつけてスタートしなかったのか。
沢山の言葉が脳裏の選果場を早回しで流れ、その言葉に押しつぶされそうになる。
延期になってしまう謝罪よりも先に、次回開催日時を今この場で決めなければ。
そうだ、「未来を選べ」。
チャットで来場者に謝りつつも、同時に
『笑ってる場合じゃないですよ、予約を取ってみなさんに招待状を配らないと』
と相棒さんに促す。またふたりですぐに予約を取らなければ。
『なんでかわからないんですけど、笑いが止まらなくて』
と相棒さんは爆笑しつ続けている。非常に、マズい。

私の脳裏では、セリーヌ・ディオンのmy heart will go onが流れ始めていた。
それもわざわざサビから。しかも、特に大好きな映画でもないのにだ。
沢山の招待客に囲まれて立ち尽くしている相棒さんが、沈みゆくタイタニック号から脱出できなくなっている場面のそれに見えた。
ああ、私のジャックを(今は)助けることができない。

爆笑するジャックを一旦そっとしておいて、フレンドのみなさんに招待状を今お配りしてもいいですか?と声を掛けた。すると、歴戦の戦士たちは誰が促すでもなくスッと受け取る為の列を作り、私の側はまるで結婚式の受付のようになった。
記帳とご祝儀を頂き、式次第を手渡すかの如く、25名の招待客にその場で招待状を作り、手渡し、お辞儀をした。
受け取った方がサっと列を外れ、次の方が前に出る。これを25回繰り返した。
想像していなかったその光景が、妙に美しかった。
途中、相棒さんがその役目を代わろうかと申し出てくれたが、今回は断った。
もう半数以上手渡していたし、まだ笑っている相棒さんが冷静かどうか測りかねた。
『こんなことをする筈では…』
と思わず溢すと、
『でもこれでまた、式場の中を見て回る機会ができたじゃないですか!!』
と相棒さんは笑いながら言う。
『…それ、今は聞きたくなかったっす…』
テンションだだ下がりで申し訳ないと思ったが、私も気持ちのやり場がなかった。
『すみません、ちょっとでも励まそうと…』と声が小さくなる相棒さん。
お互いがお互いを気遣っている。
招待状を受け取るフレンドさんの中には、トレードの時に手製のお菓子をそっと渡してくれたり、お辞儀の時にハグをしてくれたりする方もいた
これはプレセレモニーですよ!! と励ましてくれる方も大勢いた。
中の人は正直、泣いてた。
申し訳ないと言うよりも、気遣いが嬉しくて、しばらく上を向いていた。
涙がこぼれないように。

1週間後の再会を約束して、それぞれ解散となった。
フレンドさん同士がその場で知り合ってフレンドになる方もいたり、フレンドさん同士『あの人は誰?』と尋ねてくれるのが、なんだか温かかった。

自分の覆しようのないミスでみんなを巻き込んでしまい心苦しかったが、1週間続くセレモニーの初日だと思うことにした。
みんなが解散して行く頃には、私のジャックも落ち着きを取り戻していた。

手持ち無沙汰でゲームを進めるのも気分ではなかったので、ゴールドソーサーで少し遊んで行きますか?と相棒さんに提案した。
その日は何故かふたりして、ハイスコアを叩き出し、アチーブメントを取り、沢山のポイントを稼いだ。
『きっとこれはご祝儀ですよ!!』
いつもはどちらかと言えば励ましている私が、今日は相棒さんに励まされている。それだけに、この後の様子が心配だった。

エターナルバンドって、ふたりとみんなとそれぞれの絆を確認できるイベントなのかもしれないな、とボンヤリ考えていた。


前夜祭から最終日へ。

翌日、昨夜は大丈夫だったのかとお互い話すと、ふたりともショックであまり眠れないまま仕事に出かけていた。ただ、体調を崩す程の影響は出ず、安心した。

延期になったがセレモニーを開催できることは嬉しかった。
再び準備と確認とをし開催に備えることは苦ではなかったが、何故こんなことになったのか?を相棒さんと話すのは辛かった。私が時間を無為に使わなければ、他に何があろうと問題にはならなかったはずだ
そう説明する私に相棒さんは、「自分は全てネイサンに任せきりにしてしまった。任せておけば大丈夫だと思ってしまった。手順については全く知らなかった」と話してくれた。知らない筈はないが、それくらい前回のことの詳細は既に記憶の遥か彼方にあると言うことなのだろう。

おかげで、“相棒さんにも初めての時のように”セレモニーを楽しんで欲しいという私の願いは叶うようだ。

更に話を進めると、どうやら相棒さんはセレモニー当日の開始時間から数十分の記憶がスッポリ抜け落ちているらしい。気づいたらみんなが一列に並んでいて…と言う。あの爆笑していた間に違いない。
ショックの大きさを物語るようなエピソードだけど、私はそれでイイと思った。私の過失が大きいので、相棒さんの負担は最小限に留めて欲しかったからだ。

2日ほど「最も信用ならないのは自分だった」と随分凹んだ。猛省した。
自分の思い描いているセレモニーに近づけようと想像をなぞって、現実が見えていなかったのだと。みんながいてこそのセレモニーだと、その時だけ忘れてしまっていた。今頃になって、私は自分たちのこの大切なイベントへの期待がいかに大きかったのかを思い知った。
そして改めて、再度参加を快諾してくださったフレンドのみんなに感謝した。
相棒さんも先週よりかなり落ち着いている様子だ。
もう大丈夫だ、と勝手に思った。

今回のセレモニー準備を切っ掛けに、フレンド登録して下さった方もいて、本当に嬉しかった。
とても印象的な出会いをしたのに、深夜過ぎてフレンド申請をせぬまま解散していた。連絡を取ってお話しできて、じんわりと嬉しい。
沢山のフレンドさんとお話をする機会を得て、これでよかったのだと思った。
ダンジョンに行くにも緊張して息切れしていた相棒さんも、今は気軽にコンテンツに誘ってくれるし、そしてフレンドさんとも一緒に出掛けたり、2年前とは見違えている。これもみんながいてこその変化だった。

私はその気持ちを、セレモニー最終日の挨拶に込めた。

出会った頃は色々あってゲームを楽しめてなかった相棒さんがいつか、笑顔で遊べる様になったら「みんなでお祝い」したいと勝手に思っていたこと。
それが私たちふたりの努力だけではなく、いつも交流してくださるフレンドさんあってのことなのだと、私は知っていたから。

一般的にオンラインゲームの認識がどうなっているかは、私にはハッキリとはわからない。だけど、私が長く長く遊んできて感じているのは、オンラインでも現実でも、その出会いや出来事への熱量は大差なくなってきていると言うことだ。
起こっているのはゲームの中でも、経験は現実だ。
だから楽しいことばかりじゃない。だからこそ嬉しかったり楽しかったことは心に刻みたいしソッと伝えたい。

このエターナルバンドに関わるスペシャルクエストのタイトルは『時がふたりを分かつまで』となっている。ゲームでも現実でも、確かにいつかは終わりがくるだろう。だけど、私はゲームを離れる日がいつか来ても、この出来事を決して忘れない。

忘れられない出来事を体験させてくれた相棒さんに、そしてフレンドさんに、助けてくれた運営さんに感謝している。ゲームに冷めていた私1人では、到底成し得なかったことだ。
忘れられない出来事を持てたことは、プレイヤーとして無上の喜びだ。


これからも。


いつかはと願った日を通り過ぎて、またいつもの冒険の日々に戻る。
自分の練習にばかり付き合ってもらって、ネイサンも遠慮なく高難易度コンテンツ攻略とか行ってくださいねと、かねてから相棒さんには言われていたのを思い出す。確かに、私は新しいコンテンツをどんどんモリモリこなして行って…、復帰当初はそう考えていた。けれど今は違う。
自分の意思で、相棒さんと出掛けることを選んでいる。
コンテンツは逃げない、ある意味でいつでも挑戦できる。だけど、上手くなりたいと努力している人と一緒に冒険する機会は、きっと今しか訪れないだろう。
だったら、一緒に強くなって共に挑戦した方が、きっと楽しい。

どうすればもっと楽しめるんだろうと考え続けることは、私のゲームプレイヤーとしての変わらぬテーマだ。
そんな中で、一緒に楽しめる友だちを得たことは大変な幸運だ。
その幸運がいつまで続くのかは、全くわからない。だけどその継続を願って努力し続けることも、私のテーマだ。

アクシデントの連続だったスペシャルクエストを振り返る。これからもきっとこの調子で私たちはアクシデントを起こすかも知れない。
でも相棒さんとなら、きっと、楽しくやっていける。

そう勝手に思うことにしている。それを実現する為に。

Always on your side. John!


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