覚悟の日

今夜は恋人にとって覚悟の日であるらしい。彼の元妻の店へ一緒にと願われ、同行。恋人が元妻へわたしを「最愛の恋人で宇宙一大切な人」だと紹介した。別れても恋人と良好な関係を築いている元妻は、無邪気にはしゃいで喜んでくれた。わたしは元から友達である彼女とハグ。おそらくだけれどこれは、良い夜なのだと思うが、なかなかの状況に心の整理が必要。少しだけ頭がぐちゃぐちゃするけれど、愛のために勇気を出すことを、わたしは惜しまないよ。もう朝が来るので、おやすみなさい。

 2017年9月13日

昨夜。恋人の上司(吉祥寺一美味しいワインバーのソムリエであり大先輩であると説明した)だったり、元嫁(この言い方を初めて使った)だったりに紹介してもらい、周りの方も微笑ましくわたしたちを取り囲んでいた。喜ばしいことであるのに、どこかほんのりと哀しく、静かに口角を上げて過ごした(不安な時の癖)のはなぜなのか、珍しい早起きでぼんやりとしている頭で考えている。ただ単に、急なことに驚いたのだろうか。

恋人は、ひとつもコソコソしたくない、わたしに何も隠し事をしたくない、のようなことをしきりに言っていた。ちなみにわたしは元彼たちのことには触れない。けれどそれをコソコソの類だとは正直思っていない。わたしと恋人の世界に入る余地のない事だと思っているだけだ。恋人の元妻、わたしの元彼たちでは、たしかに次元が違うのかも知れない。結婚をしたことがないのでよく知らないが、婚姻関係があったとは、そういうことなのかも知れない。

ともかく、恋人は好きな人たちにわたしを好きだと知らせたく、さらには彼らにわたしを好きになってほしいという愛を示したのだろう。「辛い思いをさせた場面もあったと思う、ほんとにごめん」というのも繰り返していたが、正直恋人には至福こそ与えられ続けているが辛い思いなど全くさせられてはいないので、謝られてもなんだかピンと来ず、それが混乱の元でもあるのだろうか。

心の中の呟きが止まらないが、間も無くわたしはコンクールを受けるのだ。某音楽協会の。厳格そうな審査員たちに耳を澄まされる状況にめげず、いつも通りに弾き語ってきた。
(朝5時まで飲んでいたわりには健闘したとする。しかし朝慌てていたのは事実で、サイズの合わないブラジャー選んでしまったみたいで乳首はみ出してた。まあそんなのはバレていないし審査対象にもならない。)

昨夜、「わたしはあなたのことを一生否定しないよ。」と伝えたのだけれど、憶えているかな。その時の恋人はわたしが支えてあげなければならないほど酔っていたから。あと数時間でコンクールだったので、潰れそうな恋人を置いて帰らなければならないのがすごく辛かった。


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