映画感想:2020年に見た映画53作品メモ
メリークリスマスでした。さて本題に入ろう。
ずばり今年見た映画53作品の感想メモ書きをベタッと貼り付けるやつだ。去年もやったし一昨年もやった。まだ今年は終わってはいないが、あと一週間で急増するわけじゃないのであわてんぼうのサンタクロース的なニュアンスでやるぞ。
ええと通算で165作品見たことになる。わぁお。
だが実は今回のタイトルの中には「過去に見たけどもう一度見直した作品」もあったりするので厳密には違うかもしれんが、新たな観点や価値観で見る映画も初見に匹敵する充実や内容があっても不思議じゃない。
なお、感想メモの都合上◆ネタバレ多重注意◆なので気をつけよう。DVDや劇場やアマゾンプライムで見たのはまちまちなのでそこは自分で調べてね!
そして特にオススメの面白かった作品には☆印をつけている。見てください。
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0:クワイエットプレイス
音を立てたらいけない。世界中にクリーチャーが発生し、盲目のクリーチャーは人の立てた音に反応して襲い、捕食してくる。アメリカの田舎のどこかにいる4人家族。父と母と姉と弟。母は妊娠していたり姉は聴覚障害を持っていたり。
最終的には怪物に遭遇し、子どもを産み落としたりする大騒動。凡作。最初の10分が傑作かな。
1:ジュマンジ ☆
ロビン・ウィリアムズの超名作。ジュマンジと呼ばれるボードゲームは、遊ぶと世界が変貌し、クリアするまで終わらない地獄が始まってしまう。呪いのゲームを掘り出してしまったパリスはガールフレンドサラとそのゲームを遊んでしまい、アランは26年間ジャングルに閉じ込められてしまう。続行中のゲームが再び遊ばれ、4人のプレイヤーが揃う。怖いものに立ち向かえ!
2:ジョン・ウィック チャプター2
前作の復讐劇から5日後、殺し屋から引退しようとしたジョン・ウィックは昔の誓印を揺すられダントニオに殺し屋へ戻ることを余儀なくされる。愛する妻との思い出の家を燃やされ、また復讐の化身として蘇る。今最も新しいアクション映画の一つか。キアヌ・リーブスの殺陣が超絶に合理的でスタイリッシュ。ストーリーは二の次でアクションを楽しもう。傑作。
3:ドラゴンボール超
ブロリー魔人ブウとの戦いの後。ベジータ星で生まれたブロリーはその戦闘能力の高さから危険視され追放され、パラガスはブロリーを復讐の道具として育てようとする。そして年月が経ったある日、フリーザ軍に拾われる形でブロリーとパラガスは拾われる。ドラゴンボールを巡って氷の大地で、悟空とベジータはブロリーと戦うことになる。いろいろリバイバルされたドラゴンボールらしい。ずいぶんと進化した。映像表現は非常に見事。3Dも混じってはいたか。ストーリーは凡庸かもしれない。
4:復活の日 ☆
小松左京原作のSF小説を映画化。細菌兵器MM88が漏れ出て、世界中の45億人の人間が死滅する。極寒の南極大陸に残された探検隊863人は辛くも感染を免れ生き延びることができた。しかしアメリカではミサイル発射が用意され、大規模の地震がこれを核攻撃と誤認して反撃しかねない。決死の覚悟で止めに行く。
これほど世界規模の撮影ができた時代があったとは。
5:完全なるチェックメイト
天才的なアメリカ人チェスプレイヤー、ビリー・フィッシャーの半生。ソ連の宿敵ボリス・スパスキーとの世界チャンピオンを賭けた戦いまでの話し。見ていて疲れる映画でもあった。チェスという無限の可能性の勝負の世界に身を投じることで精神的に変質を起こすビリーの苦悩と異常に振り回される。ストレスに付き合いつつ楽しむことができたなら傑作だろうけれど、求めているような娯楽性は足りない。こういう考え方の人間もいるのだろうという学びにはなるが、それでも付き合いたくはない気持ちのほうが強い。
6:パラサイト 半地下の住人
現代韓国が舞台。主人公の4人家族は貧しい半地下の家に暮らしており、全員仕事にあぶれている状態。ある日主人公の親友が金持ちであるパク家の姉の家庭教師にならないかと勧めてくる。大学の証明書も偽造し、元々の頭の良さもあって無事採用される主人公。しかし弟にも美術教師を求めているという話しを聞いて、ある計画を企てる。主人公の妹も美術教師としてパク家に潜入し、運転手や家政婦も追い出して父と母も4人で一家を乗っ取ることに成功する。誕生日パーティで外出しパク家が不在の日、豪邸で我が物顔の豪遊をする主人公一家の元に追い出した家政婦が戻ってきて……
確かに韓国映画がハリウッドの領域に達したことは認めうる映画ではあったと思うけれど、アカデミー賞脚本賞止まりじゃないかなぁという印象。ストーリー自体はすぐに察してしまった。傑作かな。
7:セブン・サイコパス
舞台はアメリカ。犬を盗まれたマフィアのボスが誘拐された犬を取り戻そうとする。それに巻き込まれたアル中の脚本家が書く物語が「セブン・サイコパス」
支離滅裂に見えてシニカルな脚本。最後の打ち合いは丸腰だし照明弾。サイコパスすぎて色んなシーンがぶっ飛ぶ。瞬きする間に躊躇いなく女の腹を撃ったり。
8:映画ドラえもん のび太の宝島
宝島小説に感化されたのび太は宝島を探すと豪語してしまう。ドラえもんの宝探し地図で偶然見つけた島は太平洋上に突然現れた島。船を使ってそこまでいくと、時空海賊団の超巨大な潜水艦であった。しずかちゃんが人違いで誘拐されてしまい、のび太たちは彼女を取り戻しに行く。しかし時空海賊団は偽装であり、船長シルバーの計画「ノアの箱舟計画」が発動する。地球のエネルギーを奪って宇宙へと脱出する計画。それを阻止しなければならない。
シナリオの粗が若干目につくが、父親超えという王道をやろうとした良作であるのはわかる。カチコチ南極大冒険のが好みだな。
9:ウインド・リバー
舞台は厳寒のアメリカ中西部ワイオミング州。ネイティブアメリカンの保留地である
『ウインド・リバー』で少女の凍死体が発見される。地元のベテランハンターであるコリーと新人FBI捜査官ジェーンとが捜査に乗り出すも、雪山の気候や隔絶された土地で多くの未解決事件が多発している現状に思い知る。しかしある出来事から事件の糸口を掴み、真相に近づいていく。
アメリカで今も根強く残るネイティブアメリカン問題を主題とした作品であり、その知識があればより深く物語に没頭できると思う。それができていなくても、事実を元にした物語であるためにより生々しくより重々しい真実に向き合う時、心の中に大自然の厳しい極寒のような苦しい思いを抱く。良作。
10:スマホを落としただけなのに
スマホを落としてしまった会社員富田とその同僚の女性が、スマホのハッキングをされて猟奇殺人に巻き込まれてしまう話。
素直に相談しあえば解決できる問題を解決させないために登場人物を愚かにして、ガンガンスパムにひっかかるわの愚かしさ。駄作。問題をごちゃごちゃにさせてシナリオも美しくない。おいおい、解決手段がスマホ追跡サービスかいな。
11:LOOP
荒廃した現代が舞台。男、女、悪党の3人が奇妙なループに巻き込まれる話し。腐れきった国から脱出するために危険な薬品を横領して逃げようとするも、女が妊娠してることがわかって二人の間に諍いが起きる。さらにそこに悪党も混ざるが、奇妙な事態が発生する。男が二人いたり、同じ場面に三人現れたりする奇妙な時間のループが発生する。
かなり難解、というよりは何故そうなったのかの理由の明示がないのがツッコミどころ。
12:すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
寒いのが苦手なシロクマ、皿のないペンギン、とんかつの端っこなどすみっコたちが存在するファンタジーな世界。倉庫にしまってあった絵本の中に飛び込み、いろんな童話の世界に迷い込むすみっコたち。その中に灰色のひよこが迷っていて、元の世界へ戻そうとする。けれど灰色のひよこは「誰かが残した落書き」であり、帰る世界が存在しないひとりぼっちであった。元の世界に戻ったすみっコたちは、灰色のひよこのために新しい世界を落書きしてあげるのだった。
感動的とは呼ばれていたが、期待が大きすぎたな。佳作。
13:グラビティ 繰り返される宇宙
行方不明になった宇宙船を見つけるも、突然に衝突事故が発生する。遭難した船と全く同じ船が衝突し、それは全く同じ船。重力によって時空が歪んで、未来の自分たちと現在の自分たちが衝突した。自分たちがそこを動かなければ時間が繰り返してしまう。未来を変えることはできるのか。
72分の短い映画なのに過去の描写に戻ったり、B級映画ありがちのだらだらとした時間の使い方。いきなり地上のサスペンスに入るのは、宇宙描写で金がかかるから尺稼ぎか。惑星のリングが全て「何度もループして停止した脱出ポット」というアイディアは面白いが、それだけか。佳作
14:ホテルマスカレード
3つの連続殺人事件。現場に残された暗号はそれぞれ次の事件現場の座標を示している。そこで警察は4つ目の事件現場となる東京のホテルへ潜入捜査を行う。主人公である刑事はホテルフロントを担当することになり、その教育係となったヒロインからホテルマンとしての在り方を教わりながら、事件の謎を追っていく。
犯人は速攻で読めたが、楽しめる作品ではあったか。主演の木村拓哉の台詞のボソボソとした読み方が苦手。何を撮りたいのか絵の作り方は良い作品だと思った。マスカレードとか仮面舞踏会。人は仮面の下に何かを隠している。
15:悪の教典
優秀な高校英語教師、蓮視はサイコキラーだった。生徒や人々からその本性を隠して生きていたが、学園祭前日にその本性が暴かれ、大量虐殺が起きる。
後半からが本番か。シリアルキラーから逃げようとする生徒たち。見たことあった映画。まるでサーカスのようなおどろおどろしさを表現したかったのだろうと思う。ただ邦画の垢抜け無さが充満してる。
16:容疑者Xの献身
冬の日、裸で顔を潰された男の死体が発見される。その男からストーカー被害にあっていた母、花岡ヤスコとその娘は勢い余って彼を殺してしまう。隣の部屋にいた天才数学者石神は彼女に恋心を抱いていたので、献身的なまでの殺人隠蔽に協力をする。ガリレオこと物理学者湯川は石神と大学時代の友人であり、その事件の真相に迫るべく、独自の捜査を始める。
小説の忠実な実写化。ある悲しい犯人のトリックと組み立て。ただ大きな穴があるのがどうにもよろしくはない。死体を見つけられずに済むならそのままそうすればよかったのではないか。
ああ、そういうことか。罪を背負う=あなたの愛を受け入れる、となるのかな? 良作かな。
17&18&19:新世紀ヱヴァンゲリヲン 序、破、Q ☆
新世紀エヴァンゲリオンのリメイクにして最新映画。セカンドインパクトで生物が死滅した地球で、使徒が迫り来る。リリスとの接触を阻止するために人造人型兵器エヴァンゲリオンで戦う碇シンジの物語。
序がもう13年前、改めて前編一気に見直すと荘厳にして未知なるSFの結晶だなぁ。サードインパクトが途中で止まり、フォースインパクトも渚カヲルの自決によって食い止められた。碇シンジは友も失い、しかし贖罪を果たそうとする。
本当にどこに到着するのだろうなぁこの物語は。
20:きっと、うまくいく
インド映画。大学時代に親友だったファルハーンとラージューは同窓のチャトルに母校へ呼び出される。ファルハーンたちのもうひとりの親友であるランチョーとチャトルは10年前に「どちらがより成功したかを見せ合う」賭けをしていた。しかしランチョーは大学卒業以来消息を絶っており、三人は彼との学生時代の思い出を追憶しながら探しに行く。インド屈指の難関工科大学ICEに通う悪友3人の友情の物語。伏線も組み立てもきっちりしつつ、ちゃんとインド映画らしい陽気な内容になっている。
学ぶとは何か。丸暗記して点数を良くすることが本当に大事なのか。もっと単純に、もっとわかりやすく真理を追求していく、すごく当たり前だけど見逃してしまいそうになることを教えてくれる傑作だった。
21:バンブルビー
トランスフォーマーの派生作品。惑星サイバトロンでオートボットとディセプティコンが戦争をしていた。オートボットの長であるオプティマスプライムは劣勢の状況を立て直すためB127に地球へ行き拠点防衛の任務を与える。しかしB127は地球に不時着しディセプティコンの敵にやられて負傷しメモリーを喪失してしまう。
再婚した家族と不仲である主人公チャーリーは父親の車を治すことに苦難し、偶然にもビートルに化けていたB127と出会う。声と知性を失った巨大人型ロボットを彼女は、バンブルビーと名付ける。
ずっと見たかった作品がアマゾンプライム入りしていたので今回みれてよかったが、期待していたほどでもなかったか。一人の少女の青春と地球の命運を賭けた戦いの物語であったが、かなり単純化された王道でもあった。
22:ムカデ人間
狂気の博士が「人間三人を繋いでムカデ人間を作る」というグロテスクホラー。車でヨーロッパ旅行していた二人の女が車の故障で遭難し、助けを求めに入った家が狂気の博士の住処だった……
バーチャルYouTuber月ノ美兎と一緒に、ソーシャルディスタンスの中でみんなと繋がろうとかいう企画で視聴。誰も彼もが自由すぎてふざけてぶっ壊れているわ。作品については……うん。ZZ級のどグロだ。
23:感染列島
ベトナムから発生した鳥インフルエンザウイルスによる感染症が3ヶ月後に日本にまで届き、パンデミックが起きる。日本だけで広がる感染は全国に及び。50日で250万人の感染と90万人の死者を出す。患者からの情報を頼りにフィリピンの孤島に行き、奮戦した医師の記録を見つけコウモリが感染源と突き止める。ブレイムと名付けられた病理に打ち勝つことができるのか。
3500万人の感染者で死亡者1000万人にまで膨れ上がる。死亡率30%って高すぎない?
今現在のコロナウイルス禍の状況を見ると何もかもが作り物の物語に見えてしょうがない。パンデミックあるあるの「荒みきったゴミだらけの廃墟」も「自衛隊による物理封鎖と突破する善良な民衆」「自然環境に対する根拠のない啓発と重篤患者のゾンビのような蠢き」など、病理に対抗するヒーローめいた描き方をしようとしているのが胡散臭い。
私ならどう書くかな。マスコミがパンデミックを加速させる要因になったり、民衆がどこまでも愚かに描いたり、誰もが協調を考えず破滅へと進んでいく様を描こうか。
あとこの映画、邦画の悪いところである「どんな感情も日本人らしくなく、大げさに叫んで怒りや恐怖や悲しみを表現する」という部分を如実に出していた。そのせいでもっと映画の嘘くささが充満している。せっかく描こうとしているテーマはいいのに、嘘くさくなってしまった凡作。
2009年の映画であったが今現在2020年、果たして次の「パンデミック」はどのように表現されるんだろうかな。
24:ピラニア
アメリカ南西部、湖底が地割れを起こして、巨大な地底湖からピラニアの大群が出てくる。湖岸ではスプリングフェスティバルが開催され、水着姿の男女が入り乱れて大騒ぎ。そんな中主人公ジェイクはケリーと共にAV撮影のボートに乗り込んで湖にまで行ってしまう。
本来は臆病な肉食魚のピラニアを凶暴な怪物として描いたB級モンスターホラー。思った以上に女体が出るし、下品な映画よりに作られた作品。主人公ジェイク、その母である女保安官、ジェイクの二人の弟妹の視点で進んでいくホラーテイストも黎明期の作品としてのチャレンジであり、以後のモンスターものの礎になったのかも。
一時間時点での大惨事は見もの。大量の人間が狭いボートに逃げ場を求めて殺到し血まみれ。
座礁したボートからケリーを救い出せ。閉じ込められた彼女を救うためにガスボンベと発煙筒で爆発を起こしながら拘束で引っ張ってもらう。全て倒したと思ったら幼生だった。親の顔が見てみたいと言ったイケメンが食われて終わり! 続編に続く!
こりゃ受けるわ。
25:マン・オブ・スティール
鋼の男。はるか遠い宇宙にあるクリプト星は惑星のテラフォーミング化によって星々に渡って繁栄を続けていたが、過度の開発のせいで天然資源が枯渇し地殻変動を引き起こし、滅びへと向かっていた。クリプト星で唯一自然出産によって生まれたある1人の赤ん坊は、両親の手によってクリプト星から脱出し地球へと辿り着く。超人の力を持つ1人の少年クラーク・ケントは青年へと成長し、自身の運命を知る。
しかしクリプト星で軍事クーデターを起こし凍結されていたゾット将軍が復活し、クリプト星の復活を目論んで地球へと侵略を始める。クラーク・ケントはスーツに身を包み、地球人のためにクリプト星人と決死の戦いを挑む。
スーパーマンを現代にアレンジして描いた物語。アメコミのハリウッド映画化の流れを汲んだ作品であり、非常に良く描かれていた。
吹替版で見たクラーク・ケント役の星野貴紀さんの声が優しいくマッシブでよく似合う。少々冗長な部分もあったが結構楽しめた。傑作かな。
26:アップグレード ☆
ドローンが街を監視し自動運転車が走る近未来。アンティーク車の修理販売を仕事とする主人公は妻を何者かに殺され、自身も全身麻痺の重傷を追ってしまう。そして最先端AI開発者であるエロンから人体実験を提案され、人体に高機能チップ「ステム」を埋め込まれる。動かなかった四肢は完全に動くようになり、さらにステムからの助言と超人的な身体能力も獲得する。主人公は妻の死の真相と復讐のために独自に調査を始める。妻が働いていた企業を由来とする機械化人間による仕業で、彼らとの超人的な戦いが始まる。
温厚だった男が超人的な能力で殺人マシーンに変貌していく様と、高機能AIステムとの関わり方が面白い。デジタルに最強のステムであってもハッキングやアナログには弱点があったり、主人公のピンチを招くのも面白い。ステムが機械的に生存を目的として稼働してとてつもない結末を招く展開もハラハラとさせる。
そして結末も非常に意外な顛末。この道筋は予想外すぎた。どんでん返し。90分でこのダークなSFを描ききるのは非常に秀逸。最初から最後まで楽しめる傑作。
27:スーサイド・スクワッド
DCコミック世界。スーパーマンがいなくなり、ゴッサムの街をバットマンが守る世界。新人類との戦いに備えて悪人部隊を結成され、世界を滅ぼしかねない魔女との決死の戦いに挑む。
DCコミックの外道悪役が勢揃いで、何の因果か世界を救う羽目になってしまう。一癖も二癖もある奴らの集いはなかなかに面白い。
ただ、私自身がよく知らないのがネックか。DCコミック好きであったら多分馴染めたのだろうなと。私が知ってるのがバットマン、ジョーカー、ハーレクインぐらい。フラッシュマンもだな。
バットマンvsスーパーマンが前作らしい。こちらを見ておこう。
28:怪物はささやく
舞台は現代イギリス。絵の上手な想像力豊かな主人公である少年は悪夢に悩まされている。墓場の地面が崩れ母親が闇の中に飲み込まれる夢だ。現実での母親は病気がちであるがそこに祖母が現れたり父が現れたりいじめっ子に執拗にいじめられたり、精神的に不安定になっていく。そんな時、夜の12時7分に墓場に生えるイチイの大木が巨大な怪物になって、少年に3つの物語を聞かせる。あまりに一方的に付き合わされる物語の最後に待つものは。
ファンタジーかと思えば、少年が母親の死と向き合うための物語であったという。精神的な向き合い方と少年の成長を描いた良作、であるが最初のところで気づいてしまって付き合うのが少々面倒でもあったのが本音。
29:ソニック
SEGAの超音速の青いハリネズミ。ソニック・ザ・ヘッジホッグの3D映画化。ソニックは他の惑星で生まれ、フクロウの母と隠れ潜んでいたがある日見つかってしまいリングを使ってソニックだけが地球のグリーンヒルへとワープして生き延びる。宇宙人である彼は超音速で誰にも見つからずに日々を過ごしていたが、ひとりぼっちに耐えきれず力を暴走させてしまう。謎のエネルギーとパワーの発生源を突き止めるべく、稀代のマッドサイエンティストロボトニック博士が追いかけ回す。ソニックは他の惑星へ逃げようとリングを使おうとするが、不慮の事故でリングだけがサンフランシスコへとワープしてしまう。グリーンヒルの優秀な警察官、ドーナツキングことトムが彼と協力してリングを取り返しに行く旅に。
一度キャラデザインが超不評で全編作り直された経歴を持つ作品だが、ソニックのデザインの改良は確かにやる意義があった。全編に渡ってソニックのコミカルさと親しみやすさが伝わってくる内容であり、ファンには大いにヒットする内容であったと思う。
ジム・キャリー演じるロボトニックことエッグマンが怪演。本作がまるでアニメを実写で作ったような内容であったが、3Dで作られたソニックに負けず劣らず完璧なマッドサイエンティストを演じきった巧みさを褒めたい。
日本語吹き替えで見たら声は山寺宏一さん。これだけで見る価値が大アリ。もうひとりの主人公であるトムも中村悠一さんでハンサムな役柄とマッチングしていた。
内容としては正直スペクタクルが起きるわけでもなく、どちらかと言えばホームドラマの延長線のような空間にソニックが違和感なく存在してるような作品であった。そこはちょっと肩透かしだったかな。
ボロボロの靴を履いていたソニックがトレードマークの真っ赤な靴をプレゼントにもらうところはぐっと来た。
30:オシリス
植民地化計画が進む惑星オシリスが舞台。刑務所があり収監されている囚人たちはその計画のために働かされている。宇宙船フローティアで上空からオシリスを管理しているケイン中尉は娘インディを地球から連れて束の間の休息を楽しむ。しかし刑務所で反乱が発生し囚人が脱走する。フローティア上層部は刑務所と手を組み、秘密裏に怪物の製造と軍事兵器転用の人体実験が行われており、囚人たちを怪物に変えていた。しかし囚人たちの脱走により怪物たちが逃走。これが公にされるとフローティアは破滅してしまうため、「囚人たちの反乱とウイルス兵器によるテロ」を口実に、植民地を核兵器で焼き払いもみ消そうと企む。
ケイン中尉はインディの命を救うためにフローティアから脱走。地上で出会った脱獄犯サイと出会い、シェルター使用の許可を条件に協力をする。ようやく娘と出会ったもののシェルターまでの道中に襲撃に遭い、ケインは死亡しサイとインディだけが生き残る。サイも怪物に襲われ怪物へと変貌してしまう。生き残った二人は調査員の船を奪い、フローティアへと飛び立つ。
チープで低予算な映画だけれど、工夫と頑張りは見られた映画だったと思う。入れ子様式で序盤にインパクトのあるシーンを見せて、後から伏線として回収していくスタイル。フローティアの下衆な企みとそれに抗う主人公たちの構図も良しかな。中盤の中だるみがいまいち。6章に分かれているが中盤の部分はあまり必要がなかった気もする。
凡作越えの良作、それでも反面教師的な点は残る。
31:サマーウォーズ ☆
高校生である健二は17歳の夏休みに、憧れの夏希先輩にバイトに誘われる。彼女の田舎の実家「陣内家」では一家の大黒柱であるおばあちゃんの、90歳の誕生日のお祝いのために親戚一同が集まっていた。先輩のフィアンセ役を演じられ大家族の一員となるも、その夜不思議なメールが届く。天才的な頭脳で数字のパズルを解いた健二は翌日、大規模ネットワークOZのハッキングの犯人として報道されてしまう。その真相は高性能ハッキングAIラブマシーンの乗っ取りで、世界中を混乱に陥れてしまう。その中で陣内家は「敵」からの侵略に「合戦」を挑むことになる。
もう11年前の作品だというのに、全く色褪せることのない超名作。OZの近未来的な理想像と、それが何者かにハッキングされて繋がりが奪われてしまったりする恐怖、そしてそれでも人を繋ぎ止めようとする縁と思いの強さを教えてくれる。夏の始まりに見るに最高の名作。創作術的観点から見てもどこまでも無駄を削ぎ取って、田舎の夏の空気と世界を賭けた戦いの緊迫感を多重に敷き詰めた非常に優秀な作品だった。
花札、こいこい! よろしくお願いしまぁぁぁす!!
32:聖なる鹿殺し
4人家族の物語。心臓外科医のスティーブンは美しい妻と娘と息子を持つ幸せな一家の主。彼には家族に内緒で出会っている少年マーティンがいたが、彼の父はスティーブンが担当した手術で死なせてしまった患者だった。次第に執着的にスティーブンに迫るマーティンはある時予言めいた呪いをスティーブンにかける。家族のうちの一人を選んで殺さなければ全員死ぬ。その予言どおりに息子と娘は立てなくなり、スティーブンは追い詰められていく。
極めて難解なホラー作品。全部理解するには前知識が必要。マーティンの父を殺したスティーブンへの復讐であり、極めて因果に従ったものであるから逆らえないのか。とにかく娯楽性は抑えられていて、まるで数十年前のクラシックな映画を見ているような錯覚を覚えた。2018年、2年前の作品というのは非常に驚いた。
ただ、かなり疲れる映画でもあったか。個人的には凡作より。
33:プロメア(2度目) ☆
速いアマゾンプライム入りで再度視聴。去年見た時はゴジラKOMと同時に視聴したせいで頭に入ってない部分が多数あったり、見落としていたセリフを回収できた。
やはり良き作品。レビューについては過去記事でさんざん書いたのでそちらを参照。
34:来る
現代日本、夫婦が円満に結婚をしてマンションに暮らし一人娘を授かる。しかしある日を境に、夫婦と娘に見えない「何か」が来る。なんとかするために知り合いのツテを辿って霊媒師や霊能者に助けを求めるも、その「何か」は執拗に残酷に襲いかかってくる。
強大すぎるその「何か」に立ち向かうべく、全国各地から霊能のプロが押し寄せてくる。
きっとこの映画作った人は陰キャな人だろうなぁ! 最初の円満な夫婦と仲間たちのパリピなパーリィのわざとらしさはおそらくホラー展開を際立たせるようなものなんだけれども。あと音量バランスが悪すぎる。邦画特有のボソボソとしたセリフの聞きづらさがあるのにSEの音量がやたらと大きい。なんでセリフがこんなにこもって聞こえるんだか。
何かが唐突に来たのかと思えば、家族を蔑ろにしてブログ更新に夢中になる愚かな父、父と娘に振り回されて疲弊していく母が、「何か」を引き寄せてしまったという自業自得ともいう。
儀式の準備が超大掛かりなのがユニーク。マンションから邪霊を追い払うために神社境内一つ作りかねないような大プロジェクト。どうにもやりたいこととストーリーが合致してなくて支離滅裂になってる感覚。凡作。
35:タイムライン
1357年、百年戦争期のフランスのカステルガール遺跡から現代のメッセージと眼鏡が発見される。偶然発見されたワームホールにより取り残された博士を助けるべく、考古学者チームが時間を越えて旅をする。イギリス軍とフランス軍との史実の戦いに彼らは介入してしまう。
戦争のシーン、投石機や火矢のシーンなどは見どころ。伏線やタイムパラドックスの要素も盛り込んでいてそこそこに楽しめる作品であった。
36:劇場版FateHF3章 ☆
万物の願いを叶える願望器聖杯を七人の魔術師とサーヴァントが奪い合う聖杯戦争。それに巻き込まれた青年衛宮士郎と、聖杯戦争に大きく関わる少女間桐桜との物語。現代怪異譚の真骨頂たるFateシリーズの第三ルートHFの忠実なる映画化にして三部作最終作。全ての物語に幕が下りる。
最高の名作。原作ゲームで見たかったシーンを余すところなく完璧に映像化。愛がなければできない所業。1章2章ではわずかに許されていた初見向けの要素は廃され、ディープでなければついていけない。当然のことながら万人におすすめできない作品だが、Fateが好きな人にとっては完璧。
人間の振りをしていたロボットが、一人の少女を救うために、人間に戻るその過程が見事すぎる。
37:残穢
小説家である「私」の元に一通の手紙が届く。今住んでいる部屋から奇妙な物音がするといい、マンションの過去の住民や過去の記録を綿密に調査すると数多くの自殺や不審な事件と繋がっていき、真実へと迫っていくことになる。
言えば祟られる。聞いても祟られる。緻密なルポルタージュと取材で謎を解き明かしていく様もいいし、それから始まる恐怖もたまらなくクール。奥山事件と呼ばれる祟りは全国各地に散らばっていて、調査のあとにも確実に、ただほんの少しだけ調査に関わった人すらも祟っていく呪いが始まるラストが最高にクールに怖い。傑作と良作の中間。それなりに楽しめた。
38:鬼談百景
小説家の「私」に届いたお便りを読んでいく怪談オムニバス。教室で自殺した生徒に取り憑かれる先生、噂を渡り歩いていく赤い女、クローゼットの拾ったアタッシュケース。いろいろな怪異や怪談を短編オムニバスで淡々と紹介していく。前述の残穢と根幹は同じらしく、不気味な恐怖が語られる。
39:リング
そのビデオを見たものは一週間後に死んでしまう。そんな呪が込められたビデオテープの噂は広まっていき、主人公の女は事件を追っている内にそのビデオの映像を見てしまう。離婚した夫にも相談し、二人はビデオの呪を解く方法を探して調査を続けていく。主人公の息子も呪のビデオを見てしまったために絶対に解かなくてはならない。ビデオが取られた大島にたどり着いた二人は、ある超能力を持った女とその娘「貞子」の真実へと近づいていく。
なるほど、日本ホラーの大本とも言えるような面白い内容。ルポルタージュしていって着実に真相へと近づいていく様相は見応えがある。最後のどんでん返しも実に恐ろしい。貞子の遺骨を見つけて弔うのが呪の解き方ではなく「呪のビデオをダビングして他者に見せる」のが条件だという。呪いは続いていくというバッドエンドな終わり方に恐ろしさが掻き立てられる。実にいい。
40:Search
母を亡くした父子家庭。仲は良好と言えない二人だったがある日、娘が行方知れずになる。父は残されたPCからソーシャルネットワークで娘の居場所を探し出そうとするが、娘のことを何も知らなかった現実に直面する。
全ての場面が「PC上の画面やメディアの映像」などで構成されたドキュメンタリー風のサスペンス作品。非常に気になっていた作品なので見ることが出来てよかったが、少し思っていた方向とも違っていたか。
より広範囲のメディアで群像劇が行われると思ったら、SNS上の人間同士の繋がりの希薄さや虚飾、嘘と真実を目の当たりにする物語でもあった。現代を象徴するにふさわしいサスペンスに仕上がっていたのか高評価。
41:TENET ☆
まずここを見る前に絶対に自分の目で見てこいー!
時間の挟み撃ち作戦。クリストファー・ノーラン監督がまたもとんでもない怪作を作り上げてしまった。
物語は満席のオペラハウスから始まる。突然にテロ事件が発生し、特殊部隊が潜入する。主人公である「名無しの男」は特殊部隊に扮して秘密裏に作戦を遂行するも失敗し、拷問に耐え抜いた末に薬で死を選ぶ。しかし主人公は昏睡状態から生き延びて、世界の命運をかけた超秘密事項的作戦に参加することになる。TENETがその合言葉。
核融合の逆反射、エントロピーの減少により動きが逆行する現象。車が逆向きに走ったり触ってない銃の弾が手の中に飛び込んできたり。脳みそがバグるような映像体験を感じることができた名作。
42:CUBE ☆
怪しげな立方体の部屋に閉じ込められた人間たち。その立方体の部屋は六面の別の部屋に通じていて、その中にはデストラップも潜まれている。彼らはなぜそこに閉じ込められたのか、隣人は誰なのか。疑心暗鬼が深まりながらも彼らは出口を求めて迷路をさまよっていく。
一室だけでサスペンス・ホラーを描く恐怖感。低予算で作られた映画とは聞くが、これだけ濃密な恐怖を描くのは見事。あと部屋に刻まれた数字を数学的に解き明かす部分もなかなかに良い。古い作品ではあるが不朽の名作とも言える。
43:エベレスト
頂上まで顧客を導き辿り着かせるベテランガイドのロブ・ホールとスコット・フィッシャーは互いの隊で協力し、世界最高峰のエベレストを目指す。実話に基づいた物語。
心身まで痛みと寒さを覚えさせるような無情のエベレストに翻弄される人々の物語であった。ベック、難波康子、ロブ・ホール、スコット・フィッシャー、ダグ、彼らの生き様と散りざまがあまりにもむなしく、自然の恐怖を思い知らされる。どこからどこまでがCGか実写かわからなくなる部分もあった傑作。
44:さまよう刃
娘を辱められ殺される。しかし娘を殺した犯人は未成年で少年法に保護され極刑を受けることはない。外道の少年に裁きを下せない警察組織に憤りを感じる父親は、少年に復讐を遂げるために行方を探す。主人公の刑事は復讐を止めなければならない一方で、警察への不信感も募らせていく。
寺尾聡の演技が非常に光る傑作。正義の在り方や復讐をテーマにした作品。途中視聴だったので頭から見るとまた評価も変わるかもしれない。
45:インセプション ☆
夢の中へと潜り込んで重要機密を盗むことを生業とする主人公。彼は妻殺しの容疑をかけられて子供たちのいるアメリカへ帰れずにおり、そこに東洋人の権威者であるサイトーが取引を持ちかける。アメリカへの帰国を叶える代わりに、夢へ潜り込む技術で「インセプション(植え込み)」を依頼される。世界を股にかける大企業を破壊するためにその後継者を利用する。夢の中の夢の中の夢、という複雑にして困難な作戦は成功するのか。
TENET見終えた後でたまらずもう一度インセプションを見たが、改めて見ても名作。無重力のシーンの撮影技法の意味不明さもさることながら、入れ子構造のストーリーの深い魅力に目が離せなくなってしまう。アクションとストーリーの娯楽性を両方実現した名作。
46:祈りの幕が下りる時
加賀恭一郎シリーズ作品。アパートの絞殺死体と河川敷のホームレスの焼死体、二つの事件が主人公母の失踪した母と繋がっていき、彼の過去と事件が大きく絡むことになっていく。
日本の典型的な刑事モノらしく証拠を辿るだとかトリックを解き明かすのではなく、ハードボイルドな探偵役が事件の接点や手がかりを探して事件の動機から犯人を解き明かしていくスタイル。けれど事件の真相パートが意外にも胸を打つものであったり、どうしようもない気持ちにさせられるような共感を覚えさせる作品であった。悪くない。
47:デビルシャーク
クソ映画!!!!!!!!
何も始まらない!!!!!
48:イコライザー ☆
ホームセンターに勤める読書家の男ロバートの正体は殺しのプロだった。理知的で義侠心に溢れた男は悪逆を為す者たちに、人知れず容赦のない制裁を下していき、ついにはロシアンマフィアを相手に戦うことになる…
デンゼル・ワシントンが演じる主人公ロバートのなんとかっこいいことよ。今回は吹き替え版でみたが、大塚明夫さんの声が吹き込まれるともはや反則級の強さとタフネス。情け容赦ない殺しの技と、誰よりも平和と正義を守りたい強い心の共存。まさしくアクション映画の王道主人公そのものであった。
49:イコライザー2
相変わらず人助けに明け暮れるロバート。旧友スーザンがベルギーで起きたCIA関係者殺人について調査に向かったところ、強盗に殺されてしまう。しかし全ての事件の裏には殺し屋がいることを突き止め、ロバートはスーザンの仇を取るために調査に乗り出すことになる。
前作と比べるとかなりクオリティの下がった作品。主人公のギラつく魅力は相変わらず最高ではあるのだけれど、物語に散りばめた要素(黒人の若き画家、老人の絵、ウーバー)などがとっちらかっていて、前作ほどのクオリティの高い繋がりが見られなかった。殺しの理由もスマートじゃなくなったのも減点だったかな。
50:マネーモンスター
財テク番組マネーモンスターで司会を勤めるリーはある日、突如襲撃してきた男に拳銃を突きつけられ、爆弾ベストを装着させられてしまう。上場したアイビス・キャピタルの株が急落したことで男は大損失を出してしまい、それを薦めたリーに恨みを抱いていた。男カイルの要求は真相究明。リーは生きて帰れるのか。カイルはどうなるのか。
風刺の効いた映画。人質に取られた男、テレビ局、あらゆる者たちが悪徳に染まっている。犯人であるはずの男のほうがより善良で、こちらのほうが主人公だと思う心境すら抱く。犯人との交渉であらゆる手立てが裏目に出てどうしようもない状況に陥っていく滑稽さと、真実に向かって謎を解き明かしていく爽快感。悪くない作品だった。
51:名探偵ピカチュウ
ポケモンが現代に存在する世界。主人公ティムは疎遠だった父の死を警察から知らされ、ポケモンと共存する町ライムシティにたどり着く。父の探偵事務所に残された謎のガスを吸うと、ティムはそこにいたピカチュウの言葉が理解できるようになっていた。ピカチュウは父のパートナーであり、ティムはピカチュウと共に父の死の真相を追いかけることとなる。
中盤までのダレる展開は気になるが、終盤からの伏線の回収の仕方は見事。謎自体は初見で直感でわかってしまうほど単純なものではあったが、ポケモンに対する愛を感じる作品でもあった。
52:鬼滅の刃 無限列車編
時代は大正。山奥で5人の姉妹と母と暮らしていた炭焼きの竈門炭治郎。ある日一家が全員惨殺され、唯一生き残った禰豆子も鬼になってしまう。炭治郎は禰豆子を人間に戻すため、鬼を狩る鬼殺隊へと入隊を決断する。
今作はアニメ直後の無限列車編を劇場版化。鬼殺隊の炎柱「煉獄杏寿郎」と協力し無限列車に潜む鬼を倒すエピソード。実に歌舞伎だった。すでに漫画版で既知のストーリーを、演出を楽しむために劇場まで足を運ぶというコンセプト。初見殺しの構成ではあるが、鬼滅の刃のシンプルなテーマがそれをギリギリ支えているようでもあった。日本映画記録を大幅に塗り替えている本作だが、どこまで伸びるか見もの。
53:若おかみは小学生!
小学六年生のおっこ(関織子)は交通事故で両親を亡くし、祖母が経営んする花の湯温泉の旅館に移り住むことになる。そこには祖母の幼き頃の友人である幽霊のウリ坊、美陽、小鬼の鈴鬼がいて、おっこは花の湯温泉の若おかみ修業をすることになる。
幽霊を見ることができる少女がおかみ修業を通じて成長する物語。どこまでも凡庸で、どこまでも普通で、だけど温かみと共感が深まるような物語。
以上、53作品。
最近は映画よりも本読みのが主流になってるので、是非まとめてみたいとこでもある。
また会おう。
私は金の力で動く。