見出し画像

少し先の未来を観に行くような旅を SDGs 目線で提案

ガイドブックの情報を消費するような観光じゃなく、少し先の未来を観に行くような旅を提案しよう。

そんな冊子づくりに SDGs 目線でまぜていただき、記事も2本担当したのでアーカイブ的にここに貼り付けておきます。

「旅って、帰ってくるためにするんだよね」

1本目は巻頭言的なもの。自分の中で旅と言えばレストラン・モレーナのマスター栗岩さん。

自分がまだ20代だったころ、モレーナで話していて、栗さんがつぶやいた言葉がずっと心に残っていて、その言葉を起点に始めたら、後は筆の赴くまま一気に書き上げることができました。

こんなに旅に焦がれたことはなかった。
もう元の日常には戻れない。ニューノーマル。
ならばいっそ新しい日常を探す旅に出よう。
少し先の未来を見に。少し先の光を観に。

旅行画家の栗岩英彦さんはこう言った。
「旅って、帰ってくるためにするんだよね」
そんな栗岩さんが東京を出て、世界を巡り、帰ってきたのは道北の下川町だった。

旅に出て、新しい景色を瞳に映し、土地のものを食べ、人と出会う。やがて、しみじみと湧き上がってくる気持ち。ほんとうに大切なものに気づき、それが待っている場所に帰りたくなる。旅情。旅って、自分に還るためにするのかもしれない。

命は海で生まれ、ヒトは森に育てられた。その遺伝子のせいなのか、自然が豊かな地方への人の流れが活発になっている。鮭が川に帰るように? そして、地元の人にとっては当たり前過ぎて見えなくなっていた良さが「懐かしい未来」だって再発見されている。

人が少ない地方だからこそ、いろんな世代がまぜこぜになって「これいいね」の輪があっという間に広がり、受け継がれていく。持続可能な社会とか SDGs とか、なんだか難しそうだけど、きっとこういうことなんだろう。

旅先で食べたあの食。出会ったあの人。あの温もりをまた感じに行きたい。あの温もりを感じることができた自分に還りたい。そう思える場所を探しに……

地方へ行こう。未来へ帰ろう。

奈須憲一郎
高校生の頃から持続可能な社会を目標に据え、北海道大学で学び、1999年に下川町移住。

『のこたべ vol.13 かんこま特集』巻頭言
*note への掲載にあたり一部修正

かんこまって何?

ちなみにこの巻頭言を寄稿した冊子『のこたべ vol.13 かんこま特集』の「かんこま」とは、北海道駒ヶ岳を囲む七飯町・森町・鹿部町の3町からなる「環駒ヶ岳エリア」(略称:かんこまエリア)のことです。旅心がくすぐられた方は、ぜひかんこまへ!

遠出はちょっと無理〜な方は本で海外へ! 栗さんの旅行記おすすめです。スマホなんてなかった時代に情報も現地調達しながら、隣り合わせの危険をすり抜け、暮らすように旅する姿にしびれます。

SDGs 目線で見た水耕栽培

さて、もう1本担当したのは広告枠のコピーライティング。

人も、水も、明日も、キレイ。  ONE HEALTH
 異常気象で野菜が値上がりしたり品切れしたり、気候変動の影響を食卓でも実感することが増えました。
「子どもが残さず食べてくれる“いつもの”野菜は安定して手に入れたい」
「でもその安定のために健康や環境を犠牲にしたくない」
 そんな気持ちをどれ一つ置き去りにしたくない。そう強く思う私たちがたどり着いたひとつの結論は、「施設園芸での水耕栽培」でした。施設の中に自然をどう再現するかがテーマです。それが、自然に優しくすることにつながると考えています。
 施設の中で野菜を育てれば、乱高下する気温の影響を調整して、生育に最適な環境を用意でき、安定した量と美味しさを食卓へお届けできる。
 温度管理に必要なエネルギーは、温泉熱と地中熱、そして井戸水の三つを組み合わせ、化石燃料を減らし「脱炭素」を追求する。
 農薬も使わない。農業用水も捨てない。つまり、土地も水も汚さない。土地と水を頼りに暮らすあらゆる生き物の健康を損なうことがない。
 さらに、自然相手のハードな仕事だった農業の働き方を変え、新しい働き手の活躍の場になる。
 ONE HEALTH。人も、水も、明日も、キレイに。持続可能な開発目標。世界が目指すゴールの実現に向け、私たちアプレは、少し先の未来の農業を提案します。

『のこたべ vol.13 かんこま特集』株式会社アプレ広告

正直「大地と切り離された水耕栽培ってどうなの?」と漠然と懐疑的に感じていました。

しかし、アプレさんの取り組みを調べながら書き進めるうちに、気候変動時代の食糧生産に有効な1つのアプローチだと感じるように……新たな気づきの機会をもらえて役得でした。

フロンティアキッズ卒業生も登場

もう1本、間接的に関わった記事も紹介します。

北海道では、小学5年生に SDGs を自分ごととして理解を深めてもらおうと「北海道フロンティアキッズ育成事業」が昨年スタートしまして

この事業で私の SDGs の授業を聞いてくれた当時小学5年生の子が大学生と SDGs について語るというページがあります。

絵を最初に見た時は「?」でしたが、読んで納得

SDGs の項目だと「1 貧困をなくそう」と「10 人や国の不平等をなくそう」との関わりが深い内容ですね。

このページもそうですが、他のページでも企画・取材・執筆に幅広く大学生が大活躍しています。この冊子づくりの経験を活かして「大学生 ×自治体」で面白い仕掛けをしたいね、なんて話もしています。

『のこたべ vol.13 かんこま特集』読みたい方は

この記事で『のこたべ vol.13 かんこま特集』読みたくなった方は、毎週土曜日13:00-18:00営業しているカルチャーショップ「あそべや」にお越しください。基本的に私が店番してるので、余談・雑談もぜひー。


バーカウンターで「あちらのお客様からです」ってあこがれます。