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【APD】ミルディス小児科耳鼻科受診体験談

同じ質問が多発している

今年からAPDのオープンチャットに参加しています。

私がAPDの診断を受けた際、当事者会に参加することを勧められたため利用を開始しました。
そこでは、様々な情報や体験談が交換され、非常に有意義な場でした。

しかしいくつかの問題もあります。
そのひとつに「診察についての質問が重複する」ことがあります。定期的に新規の方が現れては同じ質問と回答をしていく。これってめちゃくちゃ不毛だなと感じます。

そして今回取り上げる、ミルディス小児科耳鼻科の平野先生も同じことを感じ、対処されています。

今回は、受診体験談と称しながら、平野先生のブログから文言を幾つか拝借し、ミルディス小児科耳鼻科でAPDの診察を受ける際の心構えや準備などに役立つ記事を提供出来ればなあと思います。


ミルディス小児科耳鼻科の考え方

結論:APDのチェックリストに当てはまるならAPD。以上。

補足します。
国際医療福祉大学の小渕先生は研究目的のため細かく検査しておりますし、他の病院でも細かい検査は行われているという情報があります。

しかし、ミルディスでは難聴の有無の検査を行い、自覚症状についての問診だけでAPDか否かの診断を下します。

これについては平野先生が理由をブログで書かれています。


APDの解説書を書いたら、受診しなくても自分がAPDかどうかがわかる。治療ができるものではないので、今後どうしたらいいかのアドバイスを書いたら、それで解決するだろう。

APDの本を出したわけ

なぜ、解説書を書けば自分がAPDかどうかが分かるかについてはこちらの記事が分かりやすいでしょう。

APDをどうとらえるかは医者により違ってきます。
「発達障害の症状としての聞こえの悪さ」
これも僕はAPDと呼んでいます。APDそのものは、病名というよりも、症状名だと思っています。APD特性の聞こえの悪さがあり、それらをAPDと広く呼んでいます。あえて分けるのであれば、広義のAPDというスタンスです。

発達障害に聴覚情報処理障害(APD)は多い

これに対して「狭義のAPD」と呼ばれるものがあります。これは発達障害とAPDを分けるべきだという考え方です。しかし平野先生は「そもそも発達障害自体がスペクトラムなのに発達障害とAPDを区別することは不可能だ」と一蹴しています。
そして以下のように結ばれています。

たとえわけたとしても、両者に聞こえの悪さの特徴はまったく同じなのです。だったら、分ける必要性はあまりないんじゃないでしょうか。

発達障害に聴覚情報処理障害(APD)は多い

そのため、チェックリストに当てはまればAPDだと主張しているのです。

なぜこのような簡易的な診察方法を採用しているかについては、こちらの記事をご覧下さい。

説明だけなら5分もあれば話ができると思うのだけど、悩みが深い人も多く、さまざまなアドバイスを加えてきた。自分が説明したことに関しては、ほとんど自著の本に書いてあるような内容だ。本を読んだりして勉強してきた人にとっては、同じことをきかされることになる。もう少し効率を優先し、数を増やすために、診察時間を半分にします。ご了承ください。その代わり、診察待ちの期間をほぼゼロにできるのではないかと思っています。もうしばらくすれば。

聴覚情報処理障害(APD)の診断

平野先生の診察は説明や診断よりも悩み相談の傾向が強いです。大事なのは診断ではなくて、生活の中での困り感をどう解決していくかです。
困っているから病院に来るわけです。だからその困り感を解消するのが自分の責務だというのが平野先生の考え方です。

私の受診体験談

私は今年1月に予約をし、4月に受診することが出来ました(現在では1か月半程度で受診できるようです)。

冒頭に挙げたオープンチャットの他病院での検査体験談を聞き、細かく検査をされるものとばかり思っていた私にとって、難聴の有無だけ確認し、問診だけで診断が下りるのは驚きました。

その代わり、自分が持ってきた質問に対しては非常に親身になって答えてくださいました。
以下は私がした質問の一例です。

  • 現在サイレンシアを着用しているがあまり効果を感じられない。どうしたらよいか。

  • デジタル耳栓を購入するならどの製品がお勧めか。

  • どのような業務内容がAPDのある公務員に向いているか。

  • 聞き取りの困難さを周りに伝えるのが難しい。どう工夫したら良いか。

  • 狭義のAPDに医者はなぜ拘るのか。

  • UDトークの精度が低い。

  • 当事者会のメリットはわかるがデメリットも感じている。その上でどのように活用するのが良いか。

  • 今後新たな困り感出た場合はどうすれば良いか。

  • 精神科医に伝えても理解してもらえるか。

  • そもそもなんで精神科医は発達障害の聞き取り困難に目を向けてこないのか

などなど……。後半は業界話みたいになりましたが、心配事不安事含めて親身になって相談に乗っていただけました。

平野先生の考え方

ブログによると、平野先生は障害者の当事者活動にも関わられたことがあるそうです。
その経験からか、私との診察の中でご自身のことを「医者らしくない医者」と自称さらました。

曰く、医者は厳密な定義や区別を付けたがるが自分には興味がない。自分に興味があるのは、患者さんの困り感を取り除くことだ。ということです。

私はこれまで、学生自治の現場や生活訓練施設、ピアサポート等の場面で様々な精神・発達障害がある方に出会ってきました。
そこでは、診断や氾濫する情報に振り回されるあまり、自分の困り感に鈍感で、自分で自分を苦しめている人も少なからずいました。

大事なのは診断名ではありません。生きていく上での困り感の解消です。

そのうえで、「診断書が必要なら予約無しで来ても書くよ」と平野先生は仰りました。

生きていく上での困り感の解消。それにたいするアドバイス。平野先生が重視されている箇所はそこではないでしょうか。


この体験記が1人でも多くの方のお役に立てれば幸いです。
(あとオプチャで同じ質問をする人が減れば未読件数が少なくて済む……)