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いますぐesports業界に貢献したい人のための実践術(記事編)

ウェルプレイドジャーナルで、中高生に向けた記事を書いた。

「esportsを盛り上げたい」「esportsに関わりたい」といった熱い想いを持っている人なら参考になると思うし、そういう人に対して送られがちなアドバイスもほぼすべて盛り込んである。

今回はその姉妹編として、誰でも個人でいますぐesports業界に貢献できる実践術を紹介する。

すでに何かやっている人ではなく、何かしたいけれど何をしたらいいのか分からない人、特に「大会の運営手伝いがおすすめ」とアドバイスされてもいきなりそんなことできないと思ってしまう人向けの第一歩である。

※世の中、そういう人が大半だと思う。最初に「大会の運営手伝い」なんてハードルが高すぎるのではないか? 言うまでもなく、「何でもやればいい」といったアドバイスは有効ではない。それだけのアドバイスで何かできる人なら最初から悩んでいない。

※大会やイベントの運営に携わる第一歩をRainbeeが書いてくれた。

※というか、まずはお金を使おう。大会のチケットや選手のグッズを買ったり、サブスクやスパチャもある。スポンサーの商品も。皆さんがesportsシーンにお金を使わないことには盛り上がらない。

記事を書く

とりあえず、esportsに関する記事を書こう(自分の好きなタイトルのことだ)。それだけ、めちゃ簡単。大会の運営に関わるほど大がかりではないし、PCに向かってちょっと手を動かすだけでできる。

esportsに関する記事が増えるといろいろな人が目にする機会が増えることになり、業界にとってたいへん喜ばしい。商業メディアで関連記事が増えるより、プレイヤーやファンが書いた記事が増えるほうが重要だ。

では、どこで書けばいいのか? noteだ。noteは書き手ファーストだし、ブログとしてのデザインを考えなくていいし、SEOが優秀だし、ユーザーが激増しているし、note内検索もハッシュタグがあってとても便利だ。ほかのブログプラットフォームになるとすべて自分でやらなくてはいけないし、記事を見つけるのがとても難しくなる。

どんなesportsタイトルの記事であっても、ハッシュタグには「#ゲーム」や「#esports」「#eスポーツ」とつけよう。そうすれば僕が見つけてスキをつけてツイートする(よほど適当な記事でなく、斜に構えた歪なプライドなければ……)。

……いや、分かっている。問題はそこではないと。いったいどんなことを書けばいいのか、あなたは困ってしまうはずだ。この記事の主眼はまさにそれである。

周りで流行っているesportsタイトルについて書く

以前、↓のツイートをした。

これは学校だけでなく会社や友人間、自分が所属するコミュニティでもどこでもいい。周りで流行っているesportsタイトルについて書こう。中高大生が書くと注目されやすいのは、ゲーム会社やオーガナイザーがこの層を重要なターゲットとみなしているからだ。

でも、自分や周りがどういう属性(年齢、性別、別の趣味などなど)を持っているのかを明示すれば、必ずしも中高大生だけが注目されるわけではない。例えば、「FGOにハマっている人たちが遊んでいるesportsタイトル」は耳目を集めるだろう。なぜそのesportsタイトルが流行ることになったのか(何が面白がられているのか)、といった分析もできればなおよい。

さまざまな企業のマーケティング担当者や投資家はこういう情報を知りたがっている。大会やプロチームの関係者も気にしている。だから、あなたの周りで流行っているesportsタイトルについて書くのはネタとして非常に有効だし、esports業界にも貢献することになる。

実際、高校生のよろずは自身が通う学校で流行っているesportsタイトルを調べ、記事にした。業界関係者にたいへん好評で、記事中で挙げられている『ブロスタ』と『クラロワ』を展開するSupercellの中の人にリプライをもらっていた。note編集部のおすすめにも取り上げられた。

これなら明日からできる。手間もそんなにかからないので、やってみよう。調べる中で面白い発見もあるはずだ(ゲームAをプレイしている人はゲームBもプレイしている、みたいな)。

また、周りにesportsタイトルを流行らせてみるのも楽しそうだ。なぜ流行らせられたのか、あるいはなぜ流行らせられなかったのか、その方法や過程が記事のネタになる。自分の周りを土台にしたネタはいくつも考えられるだろう。

※よろずのこの記事のあと、Supercellの中の人が高校生に意見を聞くDMグループを作るに至った。

自分のカスタマージャーニーマップを作る

当然、上記だけならすぐにネタ切れしてしまう。そこで次に紹介するネタが、あなたがプレイしているesportsタイトルに関して、自分のカスタマージャーニーマップ(CJM)を作ることだ。

カスタマージャーニーとはそのesportsタイトルにどのようにして出会ったか、なぜ大会を観戦するようになったのか、といった一連の体験を旅に見立てたもので、CJMはそれを記述した表のことだ。

例として、僕がRush Gamingに関して書いたものと、Chiruが2018年のLJL観戦について書いたものを紹介する。

こういう情報も、ゲーム会社やオーガナイザーはたいへん重視している。どういう人にどのタイミングでどんな方法によってアプローチするか、CJMを使って戦略と施策を検討するからだ。

「たった1人の情報なんて意味があるのか」と思ってしまうかもしれないが、CJMでは具体的で緻密な情報にこそ価値があるので問題ない。あなた自身の体験にこそ唯一無二の価値がある(多数の人の情報はビッグデータとして別途取得され分析されている)。

題材はゲームを好きになった過程だけでなく、上位ランクに到達するまでの過程、チームや選手を応援するまでの過程、大会を観戦するようになるまでの過程など何でもいい。とにかく「あるゴールに対して、そこに至るまでの過程を詳細に記述すること」が大事である(一般化や誰かへのアドバイスとしてではなく、自分の体験談として)。

また、あなたのことだけでなくていい。周りの人のCJMも作れば、記事のネタはどんどん増える。CJMを作る際、旅の主人公がどういう属性の人なのかはきちんと定義しておこう。

一度CJMを作ってみると、自分が望む理想状態と現実の差異に気づく。例えば、応援している選手にプレゼントを渡したいのにその機会がない、など。これはまさしく分析であり、記事のネタになる。

大会レポートとか、そういうネタでいい

とは書きながら、esportsタイトルをプレイしたり、大会を観戦したり、告知ツイートをシェアしたりするだけでも充分にesports業界に貢献していると言える。だが、「esportsに関わりたい」という人はそれよりもっと生産的で建設的な活動をしたいということだろう。だとすれば、記事を書くという気軽なところから始めるのは悪くない。

それは上記のネタ以外、大会の観戦レポートや試合レビュー、ファン視点の感想、選手への愛を綴るなどでもいい。記事を書いている人自体が少ないので、実はesportsネタはまだまだブルーオーシャンだ。

LJL 2019 Spring Splitの開幕戦は約3万6000人が観戦したが、そのうち大会にまつわる記事を書いた人はほとんどいない(振り返り動画を作ったり生放送を行なったりした人も限られている)。ましてや自分のCJMを作った人は1人もいないだろう。

なので、esportsに関する記事を書くだけであなたの価値を高められる。すると、大会の運営に関わったり、あるいは関連企業で働いたりするといったハードルの高い領域にも挑戦しやすくなる(武器が増える)。今度はその経験を記事にしてもいい。

……というか、そもそもなんで「esports」なの? その経緯を書けばよくない?

未来へ

松山洋も書いているが、とりあえずやってみて書いてみて、人前に晒されよう。そうすればやりたいこと、やるべきこと、できることが見つかっていく。当たり前だが、最初からうまくいくわけではない。さらに注目や人気を得たいなら、それなりにうまくやる必要がある。

まあ、記事を書くのはお手軽なので、継続できるかどうかはさておき、1本書いてみて身の振り方を考えればいい。「将来」ではなく「いま」できるし、それがよりよき未来に繋がっていくかもしれない。

◆◆◆

本編は以上です。以下、余談や小話を有料パートでお送りします。本編で明らかにしていない核心が書かれているということはありませんが、なぜこの記事を書いたのか、なぜこの記事が必要なのかといったことを書いています。

【テーマ】
「esportsに関わりたい」という人や言説を小馬鹿にする風潮について

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