個人でeスポーツ大会に賞金10万円を出したら何が起こったか
PrizeMoney_賞金スライド

個人でeスポーツ大会に賞金10万円を出したら何が起こったか

そう、劇的な神試合が生まれてしまったのである!

さて。

8月25日、eスポーツ事業を展開しているウェルプレイド主催のイベント「ウェルプレイドフェスティバル」が新宿で開催されました。延べ1747名も来場したそうで、とりあえずは成功と言ってもいいのではないでしょうか(テレビ東京と電通が開催した大会「STAGE:0」は2日間で来場2800名だったそうです)。

この記事ではとりとめもなくWPフェスの感想を書くつもりなので、いつもの1万字近い記事に付き合ってくださっている方は肩の力を抜いて読んでいただければと思います。

僕は25日の都合が悪くて足を運ぶ予定はなかったんですが、なんとなく気が向いて、WPフェス内で開催された『オートチェスオリジン』の大会に賞金として10万円を提供しました。その証拠が上掲のスライド画像です。

そして賞金を出したので、なんとか調整に次ぐ調整で『オートチェスオリジン』の開催時間帯だけ会場に赴きました。そうしたら決勝戦で神試合が勃発してたいへん楽しめたという次第です。

※スライドと写真はウェルプレイドからの提供です。引用含め無断利用は厳禁。

なぜ10万円を提供したのか

気になるのは「なぜ10万円も提供したのか」ということでしょう。これはもう思いつきというほかありません。あえて言えば、自分の好きなゲームの強いプレイヤーを称えたいという気持ちからです。また、10万円目当てに強豪プレイヤーが参加してくれるかもしれませんでした(別の大会が重なってトッププレイヤーたちが参加できなかったようで、しゃーなし)。

決勝戦前にhappy esportsと謎部えむの名前は出してもらったものの、別にプロモーションとか売名とか、そういう気持ちは特にありません。その必要もないですし。ただ、僕がいつもTwitterと弊誌で騒ぐだけでお金は出さないと思っている人にはいい感じのパンチを喰らわせられたと思います(えっ、そんな人がいるんですか?)。

なので、個人で10万円を賞金として提供した事実はしばらく擦っていこうと思います。よろしくお願いします(冗談です、たった10万円ですよ)。まあ、eスポーツに会社のお金は出せても個人では出せないという人も多いでしょうから、個人が気軽に賞金提供する風潮になれば楽しいですね。その先にThe Internationalがあるわけですし。

ちなみに、谷田さんへの打診はLINEのメッセージ1つでした(これが初メッセージ)。

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谷田さんからの最初の返信ですでに確定していた。

賞金提供のもう1つの理由としては、WPフェス、要するにウェルプレイドが主催しているからというのが大きいです。これがほかの有志大会だったらなかなかそうはいきません。

というのも、ウェルプレイドはeスポーツ事業を行なっていて、イベントや大会の受託を柱としながらも自社でリーグやウェブメディアを運営し、プレイヤーやキャスターのマネジメントを行なっています。ということは、WPフェスをきっかけにもっと事業を成長させようという気概があり、WPフェスの結果を次の事業に有効活用しようと考えていると想像できます。

言いかえると、同社は「自社イベントに個人が10万円も賞金を提供するような熱量がeスポーツにはある」といった業界内外へのアピール材料として、僕の賞金提供を利用してくれそうだったということです。

これは非常に重要な点です。なぜなら、大半の有志大会だとそういう動きはほとんど絶対に起こらないからです。賞金が提供されても、上位入賞者に配られてその場限りで終わりです。スポンサーを募るために真っ当な営業活動をしている有志大会はまずありません。

eスポーツ業界の今後に繋がるであろうからこそ、それなら賞金を出してもいいかな、と思えるというわけです。お金を出してもらってもスポンサーに直接的にリターンをもたらすことができない、と諦めている有志大会でも、業界発展に最大活用する(そしてのちのちにスポンサーが得をする)とアピールすれば、もしかしたら協賛をしてもらえるかもしれませんね。

大会はどうだったか

肝心の『オートチェスオリジン』の大会はどうだったのかというと、僕がちゃんと観戦したのは決勝戦だけですが(たぶん予選には80名近くは参加していたような)、とてもエキサイティングで実にオートチェスらしい劇的な1戦を見ることができて満足しました。

カードゲームのトッププレイヤーとして知られるChomoshさんやキャスターとしても活躍するkuroebiさんも出場されていたそうですが、予選で爆死していました。オープン大会の1発勝負だとどうしても運が左右する部分も強いゲームですから、さもありなん。

試合のアーカイブは下記にあります。「ゴミ底辺カス太郎」選手が余裕で優勝かと思ったら、「か」選手が最後の最後に希望を繋いで、ここで引かなきゃ即負けというところで「致命の暗殺者」を引いてしまい、最強の☆3にして大逆転しました。「致命の暗殺者」を引いたときの会場の歓声が生放送にも乗っていますね!

祈らば救われる。「致命の暗殺者」☆3を狙うだけでなく、「熊のドルイド」と「砂漠の主」も☆3にしようとする勝ち筋を作っていたプレイングがすばらしかったです(すぐに「砂漠の主」も☆3になり、それで勝利が決定的となりました)。僕だったらほかは全部売り払って「致命の暗殺者」1点狙いでリロールしていましたね。

オートチェスというゲームのすべてを詰め込んだような決勝戦を制して優勝したのは、「か」選手となりました。おめでとうございました、とても嬉しそうな笑顔でした。観戦勢も予想以上にいて驚きです(多くは予選参加者だと思いますが、そういう人が観戦するというのがいい感じです)。

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さて、ここで表舞台に出ていきたい、プロになりたいプレイヤーに忠告です。

変なプレイヤー名やチーム名にするな

もしこの大会が今回のようなお祭りではなかったら、スポンサー権限で「ゴミ底辺カス太郎」も「か」も出場前に名前を変えさせますし、あるいはそもそも出場させません(そういうルールを敷いている大会も少なくありません)。それが叶わないなら、賞金を受け取る権利を剥奪しているところです。

今回は誰でも参加できるオープン大会でWPフェスというお祭りだったから、僕もそういう雰囲気を前提としていました(変な名前のやつがいるだろうことは最初から分かっていました)。

だから「か」選手も賞金を受け取れましたが、変な名前にするとスポンサーの意向1つで賞金も名誉も剥奪されるリスクを負うだけです。得することは何もありません。それが斜に構えた感じでかっこいいとでも思っているとしたらまったく逆で、死ぬほどダサいです。

もちろん、リスクを承知であれば変な名前でもいいんです。その名前を背負ってのし上がっていけばいいと思います。うんこちゃんもそうしてきました。ただし、広告主やスポンサー企業からのお金が相当のシェアを占めるeスポーツ業界では、道のりがちょっと過酷になるでしょう。

※いくつか指摘があったので追記。「か」が変な名前かどうかについて、僕はネーミング過激派なので意味や由来のない名前、適当につけた名前、適当につけたように見える名前はすべて変だと思っています。「夏」さんがひらがなで登録している可能性もありますが、その説明や文脈が不明な限りは変な名前に見ます。

閑話休題。ほかのゲームタイトルでも大会やイベントが開催されていたんですが、都合あまり観戦できませんでした。eスポーツについて緩く語る「ゆるふわeスポーツ座談会」も常時行なわれていたものの、こちらもちゃんとは聞けず。

『オートチェスオリジン』の決勝戦が終わってそそくさと退散したのでした。

公式大会も開催予定。

何のためのWPフェスだったか

谷田さんが記事で書いているように、WPフェスについては同社のもう1人の代表である高尾さんによって語られるでしょう。なので、僕からは簡単に。

WPフェスがいったい何のために開催されたのか。それは単にゲーマーのための祝祭を催したいというだけでなく、同社がこういう試みに挑戦する会社であり、いま注目されている「ゲーマー」に楽しんでもらえる空間を作れる会社であることを広く知ってもらうというブランディングのためでもあったということです。

なによりもちろん、同社がこれまで自社リーグなどで扱ってきたゲームを結集させたことも重要なポイントです。国内外で人気かどうかはさておき、中の人たちが愛しているゲームなんですよね。

結果として1747名もの熱狂的なゲーマーが集いましたから、これは必ずしも抜群に大人気なゲームでなくとも熱いシーンは形成しうるということの証明です。もしかしたらこの事実こそ、同社の成長に大きく関わってくる因子となるかもしれません。

ということで、ウェルプレイドフェスティバルの感想でした。

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謎部えむ

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大吉
マーケティング、メタバース、eスポーツ、書くことについて記事を書いております