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クライアントとのコミュニケーション能力を磨こう(2)


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 トレーナーとして、次に挙げる5つの簡単なタスクを取り入れることは、最初の印象をポジティブにすることに非常に役立つでしょう。

① オープン―心と体をオープンにする

 最初から判断を下したり敵対したりすることは避けましょう。まずあなたの心を開いてください。あなたの情報を伝えたい気持ち、指導したいという欲求はもう少し先にとっておきましょう。文字通り自分の体(へそ、心臓)をクライアントに向けて、彼らについて知ることに対する真の関心を示します。

② 目―相手に快適に感じてもらう

 リラックスしている見た目を意識します。コミュニケーションの間の80〜90%はソーシャル・ゲイズ(社会的な視線)。目と口を結んだ逆三角形のエリア内にあなたの視線を収めましょう。会話中に目をそらすという行為は、服従や無関心まで幅広いメッセージがありますが、文化的および倫理的な違いが理由だという場合もあることも理解してください。

③ ビーム―心からの笑顔

 より強い人間関係を築きます。それは脳の活動を高め、より楽しい経験を構築する様々なホルモン(エンドルフィン、ドーパミンなど)の分泌を高めます。ただし、人は作り笑顔を敏感に察知できるため、笑顔は本物でなければなりません。自然な笑顔は、目にわずかなしわができ、頬骨の筋肉の作用で口角が上がります。これらの筋肉を活性化するために、鉛筆を(歯ではなく)唇で挟む練習してください。

④ こんにちは―あいさつと握手

 相手を名前で呼び、最初の会話をパーソナライズします。そうすることで、その人の名前やその人にまつわる話を思い出しやすくなります。握手をすることで多くの情報が伝わります。握りの強さ、手の向き、聞き手を使うかどうか、快く応じるかどうか(潔癖症かどうか)など。疑わしい場合は、手のひらを上に向けてゆっくりと差し出し、相手も手を差し出したら、手の向きを変えて、お互いの手のひらが床と垂直になるようにします。

⑤ 傾ける―つながりを伝える

 体の方向によって、興味を示すことができます。相手のパーソナルスペースを尊重しながら体を少し前に傾けて(約45cm〜120cmが多くの文化において理想的)、微妙に相手の動きに合わせます。落ち着きなく動いたり、身体の位置を常に調整したりするのと同じように、あまりジェスチャーをしない相手に対して、過剰にジェスチャーを行うと、相手の気が散る可能性があります。

◆尋ねる、聞く、理解する、応答する

 効果的なコミュニケーションを行うための4つの重要なスキルです。その人のことをより良く知るためにオープンエンド型の質問(自由に回答できる質問)を順番にします。言葉や感情を介して伝わる真のメッセージを理解し、状況を完全に把握した後で対応します。『非常に印象的な人々の7つの習慣』 の著者であるスティーブン・コーヴェイの言葉を引用すると「最初は理解しようと努力する、そして理解する」ことです。

 自分の意見を伝える前にまず相手の意見を聞き、理解する必要があります。始めに相手の話に耳を傾けることで、適切な質問をすることができます。結局のところ、「人々が世紀の発見の瞬間だと思うのは、本当に正しい質問を発見した瞬間だ」と言ったのは、初めてポリオワクチンを発見し開発したジョナス・ソークでした。最初に相手の話に傾聴することで、正しい質問に導くことができることもあるのです。

 リスニング(聞くこと)は主要な非言語的コミュニケーションスキルのひとつであり、それにはテクニックが必要です。話し手が伝えるメッセージの背後にある内容と感情の両方を捉えます。人間は、1分間あたり約125〜250単語を話すのに比べて、1分間あたり最大500単語を聞き取り、処理できる能力があり、その能力をより効果的に使う必要があります。

 リスニングには様々なスタイルがありますが、その中の一つに積極的なリスニング(アクティブリスニング)があります。アクティブリスニングは、プロフェッショナルとしてコミュニケーションをとるためにも習得すべきスキルです。より効果的なリスニングを行うために、次の方法を取り入れてみましょう。

●より注意深く

 相手から伝わるメッセージに批判的にならないようにしましょう。感情に流されず、気を取られないように気をつけましょう。

●全ての非言語的な反応や言語的なトーンに注意する

話をする環境を事前に準備する

 人や音などの物理的な環境はコミュニケーションを左右します。クライアントとのミーティングを静かな場所で行うなど、事前に準備しましょう。

●自分の中に沸き出る言葉を排除する

 気が散るような考えをコントロールし、次へ次へと考えたり、質問の前に考えたりすることをやめましょう。すぐに応答しすぎず、時にはメモをとり、質問を考えるために少し間を置きましょう。

●クライアントに集中しフォーカスする

 聞きながらメモを書くなど、マルチタスクは避けます。非言語的なメッセージの多くを見逃してしまうからです。メモを作成したり、熟考して言い換えたり、そして質問について考えたりするのは話の間にします。

可能な場合は、オープンエンド型で質問をし、何を、どのように、なぜ行うのか、と詳しく質問することで、メッセージが明確になり理解を深め、クライアントの一般的な情報を得るのに役立ちます。クローズドエンド型の質問(予め設定された回答から選択する質問)は、誰が、何をする、した、する予定、などの特定の情報を要約、探究するのに効果的です。(続く)

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