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クライアントとのコミュニケーション能力を磨こう(1)


あなたはクライアントとのコミュニケーションに自信を持っていますか?効果的なコミュニケーションとは双方向のコミュニケーションであり、特に新しいクライアントとスムーズに信頼関係を築くためには、コミュニケーションスキルの訓練が必要です。ここで紹介するテクニックを参考にして、コミュニケーションスキルの強化を目指しましょう。
 
 多くのパーソナルトレーナーは、既に運動の理論とプラグラムデザインに関する知識を習得しています。健康やフィットネスの情報を収集し、プランを計画し、プログラムを実践します。しかし残念ながら、多くのプロフェッショナルなフィットネストレーナーに不足しているのは、信頼関係を築き、クライアントと効果的なコミュニケーションを図るスキルと能力です。これは、トレーナーが新しいクライアントに最初に対面した時に明白になります。
 
◆クライアントとの信頼関係を築くために

 信頼関係の構築は対面した瞬間から始まる継続的なプロセスですが、最初の会話ではつながりを作ることよりも、クライアントのニーズや目標を理解しよう(つまり、情報を収集しよう)とすることに重きをおくトレーナーが多くいます。これは決して怠慢ということではありませんが、クライアントの信頼を得ることはトレーナーにとって、専門家としての関係を構築するための「手段」であることを覚えておくことが大切です。
 
 それは丁寧に対応し、相手に共感するというだけではありません。時間をかけて親密で調和のとれた関係を築くことによって、どれだけクライアントを気にかけているかを実際に示すプロセスです。結果として、あなたはクライアントの気持ちや考えを理解しながら、彼らが必要とするものや、目標の達成をサポートし、オープンにかつ効果的にコミュニケーションをとることができます。それは調和、許容、そして親しみとして特徴付けられる関係です。
 
 ただし、少なくとも最初は、誰もが親密な関係を求めたり気にかけたりするわけではないことを認識することも重要です。ここでは、効果的なコミュニケーションをとるためのスキルが必要です。コミュニケーション能力の高い人は、その人の性格や特性をすばやく認識し、コミュニケーションスキルにおける基本的なルールを順守しながら、最初にその人にとって心地良く感じる適切な距離感を察することに長けています。
 
◆コミュニケーション能力とは?
 
 フィットネスが健康に欠かせないものとしてより認知されていくにつれて、これからのトレーナーにとってはトレーニングだけでなくコミュニケーション能力もますます欠かせない要素となっていくでしょう。さらなる知識やスキルの習得が必要になりますが、フィットネス業界全体はさらに拡大し、トレーナーのフィットネスの専門家としての価値は間違いなく高まるでしょう。トレーナーは今や、クライアントそれぞれの目標の達成、進化をサポートし自信を与える存在として、大きな影響力を発揮できるようになってきています。
 
 “信頼”は多くの点で効果的なコミュニケーションに依存しています。コミュニケーションは主に言葉で構成されており、言葉は実際の情報を伝えるものですが、伝える時の声のトーンや非言語的コミュニケーションによって、伝えられた言葉の背後にある真の感情(意味や目的)が伝わります。重要なのは、私たちのとるコミュニケーションのうち、7%が言葉で構成され、残りの38%が声のトーン、55%が非言語的コミュニケーションで構成されているということです。
 
 1967年にUCLAでアルベルト・メヘラビアンと彼の同僚が研究結果を説明するために考案したこの55-38-7の規則は、元々、人々の会話について説明するものではありませんでした。しかしながら、効果的なコミュニケーションを図ることが必要とされる私たちは、コミュニケーションを構成するそれぞれに注意を払い、調整する必要があります。そうすることで、私たちは嘘偽りのない、温かく、信頼できる人として認識されます。
 
 それはすべて、私たちが誠実であることから始まります。これから発展しうる関係性を構築するためには、最初の印象が良いことが重要です。ニューヨーク大学の心理学者であるマイケル・ソロモン博士は、「7-11ルール」を作りました。これは、人は最初の7秒間で、その人に対して11の印象の決定を下し、それはその後も形づけられるという推察です。トレーナーとして、次に挙げる5つの簡単なタスクを取り入れることは、最初の印象をポジティブにすることに非常に役立つでしょう。(続く)


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