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クライアントとのコミュニケーション能力を磨こう(3)

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クライアントとのコミュニケーション能力を磨こう(1)
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クライアントとのコミュニケーション能力を磨こう(2)


コミュニケーション能力の高い人々がコミュニケーションをとる際に適用するツールや戦略は多数あります。いくつか挙げてみましょう。
 
★声のトーン

 抑揚、大きさ、ピッチ、速度、リズム。たとえば、語尾を上げて喋ると、疑いや自信の欠如(つまり、質問)の印象を与えます。語尾を下げると、より自信や権威のある印象になります。
 
★パーソナリティインデックス

 どのように人と接しコミュニケーションをとるか決定するための重要なスキル。たとえば、社交性が低いと評価された人は、社交性の高い人と比較して、コミュニケーションの始めだけでなく、どの時点においても関係性を重視しません。この知識があれば、接客のプロフェッショナルとして個別に対応できるでしょう。
 
 たとえば、支配性、社交性の低い人は、より詳細な方向性や事実、統計を提供すると、より尊敬の念を抱きやすい傾向があります。さらに、彼らは一貫したフォローや、万全な準備、細部に至るまでの気配り、整理された物事を高く評価します。その人のコミュニケーション方法は、その人の性格に影響されます
 
 話す速度、発声の抑揚によって、その人の個性について洞察することができます。たとえば、より速いテンポでより高い声(アニメ声、エネルギッシュ、カリスマ性のある)で話す人は、おそらく非常に社交的で支配的であり、インセンティブ、課題、報酬による刺激に価値を感じます。
 
★エモーショナルインテリジェンス(EQ)

 感情を認識し理解する能力で、自分と他者との関係を管理する方法を反映します。 EQは個人的な能力と社会的な能力に分けられます。それぞれの能力は、他の人の感情を識別し、それらの相互作用をうまくマネージメントすると同時に、自分の感情をその瞬間にどのように感じてマネージメントするかに重要な役割を果たします。
 
 EQは仕事のパフォーマンスの58〜60%を反映していると推定されていますが、インテリジェンスクオーシェント(IQ)はわずか10〜25%しか反映していません。ビジネスのトップパフォーマーの約90%が高いEQスコアを持っているのに対し、ビジネスのローパフォーマーでは高いEQスコアを持っている人はわずか20%です。これは、EQがいかにビジネス全体の成功に重要かを示しています。
 
パーソナルトレーナーやコーチが単に生き残るために必要なものとしてだけでなく、プロとして成功する上で重要なコミュニケーションスキルのいくつかを簡単にお伝えしました。私たちの多くは、他者と効果的にコミュニケーションが取れていると信じていますが、受け手に真のメッセージが伝わったか、またコミュニケーションを取った後の結果の評価を、時間をかけて行っているでしょうか?
 
 前述したように、効果的なコミュニケーションのためにはスキルが必要であり、時間、労力、リソースの多大な投資が必要です。時間をかけて自分のSWOT分析(strength=強み weakness=弱み opportunity=機会 threat=脅威)を行ってください。自己評価をしたり、または周りの人達からのフィードバックをもらったりして、自身のコミュニケーションの長所と短所を評価し、コミュニケーションスキルのさらに発展させるべき分野、また向上すべき分野を特定します。
 
 自分のコミュニケーション能力が高いと過信すると、それは“脅威”となります。自分自身がコミュニケーションを取れていると思っていても、それが必ずしもクライアントを認識しているということではありません。
 
 多くのトレーナーやインストラクターは時間もお金も費やし、エクササイズに関しては継続的に学んでいますが、全体的な成功に最も影響を与えると言われるコミュニケーションについてはほとんど無視していないでしょうか。このコミュニケーションを訓練する方法をもう一度考え、そして私たちの考え方を訓練する時は、まさに今この瞬間ではないでしょうか。


著者 ファビオ・コマナ
 NASMインストラクター。複数の健康およびフィットネスイベントの国際的なプレゼンター。
 
NASMブログ記事より
https://blog.nasm.org/newletter/strengthening-communication-skills-clients


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