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🕵️‍♂️散歩の経路を把握する大作戦〜余計な一言を添えて

2020年12月14日の夕方、午後4時過ぎ

いつもはもう少し遅い時間に行くのだが、私用の関係で、私は実家に車で乗り付けた。

そうすると、父親がいましも出かけようとしている

あ?と思った。あんた、母から「遅い時間に出掛けんどって」と言われてなかったか?
私は聞いた。

「どこ行きようと?」

父は挙動不審になった(何故だ?)。

「いや、ちょっと散歩にな。」

今から?午後4時過ぎから?帰ってこれるのか?

私は一瞬考えて、父親に話し掛けた。

「ふうん、散歩やったら片道乗せて行こうか?
この車、乗ってみたいって言ってたやろ?
散歩、帰り道だけ歩いて帰ったら良いやん、目的地どこ?」

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万が一、遅くまで帰ってこないとしても、どこに行ったのか分からなかったら探すのに手間が増える。

片道で「そこから帰ってくる」ようにしておけば経路が把握しやすいし、散歩距離も半分になるはず、という算段だ。

まあことがそう上手くいくか分からないが、試してみる価値はあるだろう。

父親は少し考えていたが、新車に乗る、というところに気を惹かれたようだ。

「そうか、まあ、行きだけならな。」

そう言いながら後部座席に乗り込む。

「どこまで行ったらいい?」

エンジンを掛け直しながら尋ねると、

鈴木内科(仮)あたりまででいい。」

と言う。

このやりとりの間に4時半くらいになっていた。

今更かかりつけ医になんの用が?そうは思うものの、特に反対する理由もない。

鈴木内科(仮)まで行って、そのあたりで下ろし、私はもう一度実家に戻った。

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一時間ほどすると、思ったよりも早く、父親が帰ってきた音がした。

まあそれはいいが、父は上機嫌で母に何か話している。

私は自分の用事も終わったので、台所に行って、

「今日はもう帰るけん。」

と言った。

父は上機嫌で、

「ああ、今日は乗せてくれてありがとう。

やはり新車は乗り心地がいいな!」

と言った。

そこまでは良かった。

続けて父は、こう言った。

「無職にはすぎた車じゃないのか。」

85歳無職に言われる筋合いは無いわ。

だいたい、あんたたちを病院に送迎するのに車がいるんだよ!!

85歳無職、かつ、緑内障視野欠損

「(あの車を)僕に(譲っては)どうだ。」

と言った。

どうだじゃねえ。

あんた一銭も出してないが、それ以前に、免許もないだろうが。

免許不携帯ですらない。

無免許の人間に公道を運転させていい車は、日本にはない!

(終わり)

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