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【薬屋のひとりごと】後宮を舞台にした中華風ミステリ

ずっと気になっていた話題の後宮ミステリ、やっと読みました!そしてがっつりハマりました!

コミカライズの方が有名なイメージがある「薬屋のひとりごと」ですが、漫画になっているのは小説でいうとまだまだ冒頭のあたりみたいです。そこから先がさらにおもしろいので、漫画派の人はぜひ小説も読んでみてほしいです。

「薬屋のひとりごと」は、花街(いわゆる風俗街)に生まれ、そこで薬師として働いている猫猫という女の子が主人公の物語です。この猫猫、不愛想でとっつきにくい上に口が悪いというラノベの主人公とは思えないキャラクターなんですが、薬への好奇心と知識欲はピカイチで、その頭脳を使って不思議な出来事を解決へと導きます。

そして最初の舞台になるのは後宮。つまり帝の側室が住まう場所です。猫猫は人さらいに売られて後宮で働くことになるのですが、元々どこか人生を諦めているところがある人間なので、そこまで悲観することなくそこそこ楽しそうに働いているのが印象的でした。

薬の知識を使って変死事件を解決したり、毒見役を務めたり、けが人の治療をしたりする猫猫ですが、時には政治的な思惑に巻き込まれることもあります。これがまたおもしろくて、大河ファンタジー好きの私としては胸アツな展開がたくさんありました。

登場人物が多いのも楽しいです。名前の付け方がわかりやすいのと、挿絵が入っているので、中国名でも覚えやすいなと思いました。とはいえ、一度シリーズから離れてしまうとこれ誰だっけ?となりかねないので、読むなら一気読みがおすすめ!本を閉じた瞬間に次の巻が読みたくなるので、あっという間に読み切れるはずです。

巻を超えての伏線もたくさん張られていて、この人本当はこんな人だったの!?と何度驚いたことか……。

次期皇帝の母の座を奪い合う後宮ならではの事件も続々と起こるので、そこも見どころ。後宮というシステムってすっごくシビアだったんだなぁと当時の妃たちの大変さに思いを馳せました。帝は帝で大変そうなんだけどね。どの国でも権力者の血縁問題は血を見る争いになるので怖いです。

物語の世界観も本当に細かいところまで考えられていて、小説投稿サイトに無料掲載されていたものだと知った時には本当に驚きました。「小説家になろう!」すごいね…!無料だからといって侮れない……。

現在14巻まで出ている「薬屋のひとりごと」ですが、まだまだ続きそうで嬉しいです。主人公の猫猫だけでなく、今後が気になる登場人物がたくさんいるのでこれからも楽しみ。こんなにも完結しないで!と思える作品に出会えたのは久しぶりかもしれません。

アニメが始まるとまた一段と人気が出ると思いますが、原作も読みたいと思った時には、漫画で終わらず、ぜひとも小説まで読んでほしい!ここ最近で1番おもしろい中華ファンタジーです。

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