【ロボット・イン・ザ・スクール】ロボット学校に通う!
「ロボット・イン・ザ・ガーデン」シリーズ3作目は、タングが小学校に入学します!2巻は1巻から約1年経ったイギリスが舞台でしたが、3巻はぐっと時間が進んでさらに3年が経ったチェンバーズ家を描いています。
2巻「ロボット・イン・ザ・ハウス」の感想文は⇩
ここからは、1巻「ロボット・イン・ザ・ガーデン」(https://amzn.to/3Yx3PBA)と2巻「ロボット・イン・ザ・ハウス」(https://amzn.to/4db14KL)のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
3巻「ロボット・イン・ザ・スクール」では、ベンとエイミーの子供ボニーが4歳になり、就学年齢を迎えます。イギリスではプレスクールというものがあり、日本でいう小学校に上がる前の年から学校に通い始めます。
そして、ボニーが通い始めると、「僕も学校に行きたい!」と言い出すのがタングですよね。ロボットが学校に通うという前代未聞の取り組みを成功させるためにベンとエイミーが四苦八苦する様子は、実際に読む時のお楽しみに取っておいてください。
ボニーとタングが通う学校のおもしろいところは、給食がカフェのようになっているところです。日本の大学の食堂のように、複数のメニューからその日食べたいメニューを選ぶことができるみたい。これはいいなと思いました。しかもサンドイッチやピザ、チョコレートプティングなんかもあるんです。素敵!これって給食費は一律なんでしょうか?それともその都度支払いをするシステム?
そして教室にはおやつも常備されています。りんご丸ごとというのがなかなかワイルドですが、学校でおやつが出るのは羨ましい。
そして、ボニーが心身ともに成長したことで、タングとボニーの間に初めての大喧嘩が勃発します。暴れまわるタングとボニーにぐったりするベンとエイミーでしたが、同時に2人の成長に胸を熱くすることも…。喧嘩しないと仲直りもできないですもんね。
タングをいじめる男の子に殴りかかるボニーも素敵でした。大人からするとそれは咎めるべきことなんだろうけど、大事な人をバカにされて黙っている必要はないと個人的には思います。ボニーよくやった!
また、チェンバーズ家には新たに大きな試練が襲いかかります。それがきっかけでタングとベンの間にも大きな亀裂が…。タングが初めて経験する感情の揺れが痛々しく、それを受け止めることで傷つくベンの様子にも胸が痛みました。
到底受け入れられない出来事が起きてしまったことで、ベンにひどい言葉を投げつけてしまうタングの気持ちも、そんなタングに寄り添いたいけどどうしても傷ついてしまうベンの気持ちも、どちらもわかるからこそつらかったです。
さらに物語の後半では、チェンバーズ一家が日本を訪れます。タングの日本再上陸!嬉しい!日本ではウィークリーマンションに滞在するベンたちでしたが、日本式の暮らしに驚く彼らの反応がおもしろかったです。
ベッドがない部屋、押し入れの存在、ウォシュレット付きトイレとの初対面…。日本生まれ日本育ちでは気づくことのできない視点で語られる日本の住まいはとても興味深くていいですね。ウォシュレットトイレって日本独自のものなのか…。
ボニーがお盆休みという文化について疑問を持つところも良かったです。
思わず、たしかにその通りだわ!と膝を打ちました。
今の時代、先祖代々の家に住み続ける人の方が少ないと思うので、これからのお盆は死んだ人が生きている人の家を探すスタイルになりそう。
もうひとつ興味深かったのは、イギリスでは義務教育=学校に通うことではないということです。「ホームエデュケーション」という仕組みがあって、家で大人が教育してもいいんだとか。
学校教育に向いている子供ばかりではないだろうから、これはいい仕組みだなと思いました。そして「ホームエデュケーション」を選んでくれる親が実際にいるということも。子供が日中家にいるということは、親の時間が削られるということと同義です。それを覚悟したうえで「ホームエデュケーション」を選ぶ親はすごい。なによりも子供のことを第一で考えているんだなと感じました。
ボリューム満点の3巻でしたが、最後の最後にもうひとつとんでもない爆弾が待っています。消化が追いつかないよ!
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Audibleお試しレポは⇩
4巻の感想は⇩
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