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📘 1on1入門【シリコンバレー式 最強の育て方】読書感想

日本では2012年にヤフー株式会社が「1on1」を始めたそうです。
現在は多くの企業で導入しているのではないでしょうか。

しかし「1on1疲れ」「形骸化」も耳にします……。
経営理念でさえ形骸化することはありますので、工夫が必要なのでしょう。

改めて「1on1」を見直そうと思い、入門書の1つである【シリコンバレー式 最強の育て方】を読みました。

1on1 = 部下のための時間

著者は「組織で行われているコミュニケーションとは結果を出すための『情報交換』をしているだけ」、そして「個人」に焦点を当てた「対話」が継続的な結果をもたらすと云います。なんとなくはイメージできます。では具体的なメリットはどういったものがあるでしょうか。

1on1で実現する8つのこと(p.45~p.62)

  1. 上司と部下の間に揺るぎない信頼関係が生まれる

  2. 心身が不調で休職になるところだった部下が、早期の対策で生き生き働き出す

  3. やる気のなかった部下が自発的に働くようになる

  4. 評価査定の後、不機嫌になる部下がいなくなる

  5. 仕事に飽きてきた優秀な上位2割が、再び情熱をもって業務にチャレンジを始める

  6. 「後手の対応」から「先手の対策」へと人材マネジメントが変わる

  7. 部下からの「ちょっといいですか?」のミーティング時間が本当に「ちょっと」になる

  8. 「ビックリ退職」がなくなる

「部下のための時間」をイメージできたでしょうか。対話なくして察することができるでしょうか。部下は上司の顔色を伺うものです。そういうものです。注意深く観察していれば兆候を発見できるかもしれません。しかし仕事のことだけを気にかけているわけではないのです。
背景や事情は聞いてみないとわかりません。そして「聞く」ということ自体が相手を尊重することの第一歩だと思います。

「言ってくれればよかったのに……」
そう思うかもしれません。私はよく思っています。
忙しい上司を気遣って、不機嫌な上司を毛嫌いして、部下が上司を呼び出すことは「よっぽど」なことであると考えたほうがよさそうです。

信頼関係が無いと上司も部下もお互いに不安になるでしょう。不安は疑念を生むかもしれません。

本書は他にもスケジュール、空間、ツール、質問票など、具体的に解説しています。1on1の入門書、実践書としておすすめします。

しかし、本書で強く感じたことは、1on1のことではありません。
この多様化・個別化しているなかで、マネジメント、リーダーシップ、人材育成は画一的にできるものではなくなってきました。上司に求められるスキルはどんどん難易度があがっています。つまりマネージャーの腕次第が重要になっています。
目標管理もティーチング、コーチングも対話が重要です。それなのに当然のように「プレイングマネージャー」がまかり通っている。
経営層は、プレイングで時間が足りず自己流でごまかしているマネージャーに、良質なインプットができる時間とお金を用立てて欲しい。そう願います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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