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日本で一夫多妻制ってどうなん?

私は反対である。なぜなら女性の苦しみが増えると思うからだ。文よりわかりやすいと思ったので、まずは漫画で説明する。

一夫多妻制01

まずこのような状態に、あなたは耐えられるか?

メリットがどうとか言う前に、それを考えてもらえたらと思う。

「うまくいく夫婦」より、「うまくいかない夫婦」や「かわいそうな子供」が増えると思う。

■一夫多妻制のメリット

こちらのサイトから引用すると

結婚制度がより柔軟になり自由度が増える
男性のモチベーションアップ
貧困にあえぐ女性が減る
男性に従属せずに子供を持てる女性が増える
少子化が改善する

ということらしい。

本当にこんなに上手くいくだろうか。

①結婚制度がより柔軟になり自由度が増える?

要するにポリアモリー的な恋愛関係がより認知され、だれもがフリーセックスでもとがめられないというような世界観になるということだろう。だがこれは恋愛ならばともかく、家庭を持って、その人間関係を維持しつつやっていけるかどうかは全く視野に入っていない。

②男性のモチベーションアップ?

競争力が高まって、美女の取り合いが激しくなる。ピラミッドの頂点あたりでだけ。

多くの美女を従えていれば雄としてのハクが付くとうれしがる男性は多いであろう。しかしモチベがアップするのは、金や暴力で全てを解決できるごく一部の成功者だけである。

普通の男性が妻を複数持つことは、女性側に多大な精神の負荷をかける行為であり、また男性も家庭にかける時間的コストが高くなることを理解しているだろうか?

そして上位の男性が今よりももっと女性を独占するようになり、女性のパートナーを持てなくなる男性が増える。イコール孤独な男性が増え、その孤立と悲しみが憎悪となり、凶悪犯罪が今よりも増える。

③貧困にあえぐ女性が減る?

貧乏な女性を?わざわざ?養いたいと?妻がいるのに?妻の許可を取って?その迎え入れられたコミニュティで彼女はどのように扱われるだろうか。

そして貧困にあえぐ女性が減るというこの一文は、男性の庇護下に入り、養ってもらうという意味合いがものすごく濃厚だし、件のサイトの文中には「男性はたくさんの女性の面倒をみることができます!」とある。

え?男性はたくさんの女の面倒、見たいの?見たくないから遊ぶんじゃないの?

④男性に従属せずに子供を持てる女性が増える

③と矛盾しているのだが…。従属?とはなんだろう?

いいえカマトトぶるのはやめよう。このように結婚を女性の従属とみなすような考え方をしているということは、この記事を書いたライターはおそらくフェミニストであることが予想できる。

文中には「男性が女性の面倒を見る」「貧困女性が減る」とあり、トドメには「男性に従属せずに」とある。この甘い腐敗臭と矛盾っぷり、間違いなくフェミニストだ。

さて「矛盾大盛り甘あまフェミニスト丼~負の性欲を添えて~」はいつものことなのでダストシュートに蹴り入れて、「男性に従属せずに子供を持てる女性が増える」について書くと、これは女性側に多大な収入がある場合可能ではあるだろう。だが、子育ての手も父親としての役割もいらない、精子だけくれればそれでいいということと同意ではあるまいか。ならば結婚などせずともよい。

⑤少子化が改善する

一夫多妻と言うとドヤ顔でこれを上げる人が多いが、その後のことについてまで書いているものを少なくとも私は見たことがない。子供は産んで増えて終わりではない。ドヤ顔連中はその後の養育者や育成環境、長期的な養育費などについて全く考えていない。

子供の数が増えたとて、男性側がそれらをきちんと養育できるだけの金を出し続けられるのか。女性側に収入があったとて、男性側は金を出さずともよいというわけではあるまい。

今現在でさえ、養育費をはらわずバックレている男性が大量にいるというのに、妻全員に均等に金と手間暇時間を配分できるのか。

そして全ての子供がかわいがられて育ち、無事成人できるのか。

■西山家の場合

西山さんのお宅は一夫多妻で、奥様が二人、それぞれお子さんが二人、四人といて、みんなで同じ屋根の下に同居し、協力しあって暮らしている。全員が西山という名字だが、まず第一夫人と結婚して離婚し、第二夫人と結婚して離婚、そしてご婦人たちは離婚前の苗字を名乗っている、ということなので、事実婚ということになる。

と、書くとなーんだ、幸せなんじゃん、と思うかもしれないが、そこへ至るまでに二人の奥様は大変に、大変に苦悩したそうだ。嫉妬に狂ったり同居の難しさ、生活のルール。結婚してないことで出産時に病院に説明する煩わしさなど詳しくは記事を読めば書いてある。

従来の制度からはみ出しているために、出産も自宅出産でふたりの妻でお互いがお互いの子供を取り上げたという。あなたはそんなことができるだろうか?また、そこへ至るための苦しみを乗り越えられる力があるだろうか。

幸せそうに応える西山家の方々だが、三人が三人とも、こんな生活やめたいと何度思ったか知れないという。

え?制度がないからしんどい?それが悪い?

では「そういう制度がある国」ではどうなのかを見てみよう。

■コーランが認めた男性の権利

イスラム圏では、男性は四人まで妻を持つ事が許されている。そしてその四人の妻を平等にせねばならない決まりもある。

女性側はどう思っているかと言うと、一夫多妻はコーランが認めた男性の権利だから何とも思わないし、結婚できないよりはできた方がいい。だが夫が平等に扱ってくれないのが不満。という応答が乗っていた。

そりゃそうだ。二人目の妻が欲しいということは、今いる奥さんに飽きて、他の女性に夢中になっているということなのだから、最初の妻への対応がおざなりになっても当たり前だろう。そして後の妻ほど若いのだ。

さらに、そういうお国であっても沢山の妻と子供は養えないので一夫多妻の男性はわずかなのだと言う。

絶対的な神や、その神の言葉が綴られたコーランはなく、それに変わるものもない日本で、女性は「何とも思わず」若い妻を受け入れられるだろうか。

え?男が多数の妻子を養えないから少ない?なんで専業主婦前提か?

それはイスラム圏がそうだから。

じゃあ日本は共稼ぎ前提だから問題はない?

そうだろうか。

■共稼ぎなら大丈夫?

パワーカップルの一夫多妻で、妻側がそれぞれ別宅で家庭を持ち、夫が通い婚する。これは、まあまあ上手くいくかも知れない。お互いがお互いに干渉せず、父親がたまに顔を出す。別の妻の暮らしは知らないままとする。

妻が大変収入が多ければいけるだろう。だがどちらにせよ夫は大変だ。今日はこっちの子供の誕生日、今日はこっちで運動会。どっちかにしか顔を出せないなら妻たちは怒るだろう。すると三番目の一番若くて可愛い妻が、ちょっとこっちは赤ん坊が生まれたばかりなのよ、だからあなたは一番長く家にいるべき、などど言いだし、とかく男性は体がもたないだろう。

子供が小さいときに、夫に助けてもらいたいと思わず平気な女性はそんなに多くはないだろう。

ドライな関係でかまわない?

男性が家に来るのが三週間に一度でも?

では子供の気持ちはどうなる?

子供なんかいなければよい?

とするなら、そもそも結婚する意味などないのだ。

現状だって会話がない夫婦なんて夫婦でいる意味あるのかな、なんて女はとても寂しがりではないか。このようなドライな関係が楽で、育児に夫の手も心もいらないと言い切れる高収入の女性なら、大丈夫かもしれない。

■かわいそうな子供とは何か

ここで言うかわいそうな子供とは、「あそこの家、おかあさん二人いるんだって!変なの!きもい!」などと後ろ指さされいじめられる、ということではない。今現在そんなそしりはした方が人間性を疑われる時代だ。だからそうではない。

■鬼 畜

1978年に制作された映画、鬼畜。

簡単にあらすじを書くと、不妊の妻がいる主人公は、妾を別宅に囲い、三人の子供を産ませていた。しかし景気が悪くなり収入が減ったため、妻に妾と三人の子供の存在がバレてしまった。妻がが激おこするわ収入は減るわで、妾宅に生活費を渡さなくなった。すると妾は怒って子供三人を残し出て行ってしまった。妻ははその子供を引き取るのを嫌がるので、仕方なく主人公は残された子供たちを街に置き去りにしたり病気なのを見殺しにしたり実際に手をかけて殺していくという、胸糞が悪すぎて口から際限なくウンコが出てしまいそうになる話である。

大嫌いな映画だ。映画としていい悪いではなく、内容が恐ろしすぎ、子を持つ母親として体が引き裂かれるような気持になるからだ。そしてこれは実話を元にしたストーリーであるという。

だから一夫多妻制で生まれた子供にも、このようなことがおこる可能性は大いにあるわけだ。殺されはせずとも、放置され十分なケアが受けられなくなる可能性は大いにある。

この映画の妾は別に結婚しているわけではないからさっさと出て行ってしまったが、仮に一夫多妻制で結婚していたとしても離婚時に子供を置いて行ってしまう事があるだろう。そして残された子を、第一夫人が愛し育てられるのか?ということだ。

もちろん現在でも連れ子で再婚される方々はいる。ただしその道はけして平坦な道ではなく、親子で乗り越えねばならぬことが数多くあるだろう。

私自身が連れ子で二度も再婚された身なのでよくわかる。そして私は無事成人し生きている。

だから私は自分の子でない子供でも、可愛がり養い、愛せる人がいるのを知っている。だが、自分の子供ではない子供を虐待し犯しいじめ殺す人がたくさんいるというのも、特に各事件にリンクを張らずとも皆さんはもうご存知のことだろう。

■今よりもっと女性が傷つくことになる

世の中にはいまやサレ妻という言葉があるくらいで、男性が不倫をして妻をめちゃくちゃに傷つけるという体験談はそれこそ火星のオリンポス山より高く積み上げられている。

別にとてもお金持ちというわけでなくても、モテる男性は結婚してもモリモリ浮気をするものなのだ。そして妻を傷つける。

それが、奥様、聞きまして?そういうのは今度から一夫多妻制で合法になるんですって!と、しよう。そして夫が例えば四人まで妻が持てるとしよう。

だったら一番目の妻に「あのさー、今度二番目の妻をめとろうと思ってるんだよねー、だからこれ今付き合ってるカノジョ」と言っておきながら「あー、あれねー、別れちゃったんだよねー」となり、しばらくするとまた「そうそう、また別の子と結婚考えてるからー」などと永遠に女遊びをやめなくなる。

しかもそれは合法なのだ。いくらでもいくらでも女性を傷つけ続けることができる。

女性の意識改革!男性がいくら女と遊んでもそれは合法だし仕方ないこと!と、思えるようになれるのか?ポリアモリーに抵抗がなくても、子供ができて家庭ができても、それを平気でいられるか?

西山家のように、高い高い壁を越えられるか?

■なぜか自分がお金持ちのアルファ男性のハーレムに入れると思っている謎の女性たち

はい、小見出し通りです。

一部の女性にはアルファ雄の遺伝子がもらえるなら私何番目でもいいー☆ブサメンとセックスするくらいならイケメンとセックスできる順番待ちますー☆

と、いう思考があり、別にハーレムの序列が下位でもそこに入りたいと思う女がいる。

だが、それは、惚れた腫れたの恋愛までの話で、結婚して、家庭を持って、子供を育てる、という先のことまで考えてはいない。

結婚するということは、あまいファンタジーの世界の話ではなく、毎日の生活の連続体なのだ。

今でさえ夫の母親とうまく付き合えず憎悪をはぐくみ、ママ友付き合いに疲れはて、会社ではお局さまにいびられて、女性たちは神経をすり減らしている。

それを、それだよ、君。

家に帰ると、夫と寝る女がリビングに、寝室に、キッチンに、当然のようにいるのだ。そしてその彼女と家事を分担したり、子育てを互いにフォローしあったりしないといけない。

なんだったら一緒に住む女性がボスママみたいなやつで、ずっと支配下に置かれるかもしれない。夫に訴えても味方してもらえるだろうか。たぶん自分が一番の寵愛を受けていなければ無理だろう。

女たちの間に序列が発生することは想像に難くない。大奥があった時代でも下位の妻は優位の妻にいびり殺されている。

そんな生活の、一体どこで気を休めることができるだろう。

一夫多妻制ー!わおー!うえーい!などと言っているのは若い独身の世間知らずの女性で、そこには「金持ちのハーレムにセカンドでもサードでもいいから入って優良精子欲しい、お金もらって楽したい!」という浅ましい考えしかない。

多くの女性は、冒頭の漫画のように傷つくことになるだろう。

そもそもこんな愚かなことを言い出す輩は、「この制度で自分が良い思いができるから」と思って語っている。ここだ。

そもそも、なぜ、自分が、アルファ雄のハーレムに入れると、思うのだろう。

もしどうしても一夫多妻制にしていい男のハーレムに入りたいっ!八割の女性が救われるっ!と思うなら、女性の賃金をうんと下げて、男性が多大な金を持ち、女性を養うのが当然の世界にしなければならないのだが、このジョブ名「ふんわりフェミニスト」の女性はそれでいいのだろうか。

■法改正の問題

そして法律を新たに作らないとならない。まあ結婚という制度そのものを壊したい人がいっぱいいるみたいなのでバンバン改正してよということなのかもしれないが…。

わかりやすいのは相続の問題だろう。今でさえ揉めに揉めているのに、妻や子供が増えたなら、その揉めっぷりはさらにヒートアップするに違いない。

■そんな生活、続けられるんですか?

夫も妻たちも働いて、あるいはその中の幾人かが家事育児係として家を切り盛りし、お互いの子供を面倒見あって、大家族みんなで仲良くやっていけるなら、マンパワーで手も増えるし、収入も増えるし、いいことづくめのように思えるかもしれない。

ただ、本当にそれができますか?耐えられますか?

一部の金持ちカップルならお互いに「家庭」として深くかかわらないことで可能かもしれない。しかしそれが、一部ではない、日本国民全員に適応されたとき、男も女も、多くの人が苦しめられるだろう。

倫理的なーとか、生理的にー、などではない。

そんな生活、続けられるんですか?という話だ。