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【読書レビュー】境内ではお静かに~縁結び神社の事件帖~

【基本情報】

著者 天祢涼氏
ジャンル ミステリー
発行 2020年1月20日(単行本は2018年11月)

【ストーリー】

目線 坂本壮馬 
ヒロイン 久遠雫
舞台 横浜にある神社
僕(坂本壮馬)は、横浜の源神社で、居候。神社の仕事を手伝う。
巫女として働いている久遠雫と共に、神社で起こる謎を解いていく。
5編からなる短編集。

【魅力①デザイン】

表紙のデザインと共に各章の表紙には下のような挿絵が入っている。
この世界観を演出効果を発揮。世界に入り込みやすくなっている。表題の境内ではお静かには第1帖のタイトルでもある。

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【魅力②お仕事】

皆さんは、神社で働いている人の日常をご存じだろうか。私はこれを読んで初めて知った。神社で一番偉い人を宮司(ぐうじ)と呼ぶ。神主とは、俗称である。といったこと。また、小さい神社は宮司が掛け持ちで管理しているなど、この本を読んだことで、神社のお仕事を知ることができた。
また、神様を信じなくなっているご時世、神様とどう向き合って働いているのかという考え方、信仰の仕方が参考になった。

【魅力③桜】

神社と桜という組み合わせの相性がよく、「和」の演出が魅力的。
表紙にも桜の花びらが舞っている。また、紹介していない挿絵にも桜をあしらったものがある。
源神社には、お姫様だっこの桜という桜がある。恋愛のパワースポット。この桜があることで、5編の短編が引き立っている。

【まとめ】

魅力のところであまりミステリーのことを書かなかったが、いわずもがなミステリーとして非常に面白い作品。
「希望の消えた夜に」(読了)が有名な著者だが、この作品も魅力的。デビュー作「キョウカンカク~美しき夜に~(メフィスト賞受賞作)」も入手したので、これから読んでみたい。