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今日の一言

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今日の一言
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#史記

「失策は大敵」藉寇兵、齎盗糧

寇に兵を藉し、盗に糧を齎す
―藉寇兵、齎盗糧―

[原文](史記 李斯列伝 / 戦国策 秦策)
此所謂藉寇兵、而齎盗糧者也。

[書き下し文]
これいわゆる寇(あだ)に兵を藉(かし)し、盗に糧を齎(もたら)す者なり。

[原文の語訳]
俗に言う仇や敵に武器を貸してやり、盗賊に食糧を与えてやるような人のことである。

[解釈]
相手にとって有利なことをわざわざやってしまう「失策」のことです。こちらの

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「思考と行動、熟慮と断行」弗盧胡獲、弗為胡成

慮らずんば胡ぞ獲ん、為さずんば胡ぞ成らん
―弗盧胡獲、弗為胡成―

[原文](書経 太甲下篇)
弗盧胡獲、弗為胡成。

[書き下し文]
慮らずんば胡(なん)ぞ獲ん、為さずんば胡ぞ成らん。

[原文の語訳]
思慮深くなければどうして成果をあげることができるだろうか、断固として実行しなければどうして目的を達成するることができるだろうか。

[解釈]
知識だけもっていても、そこに自分で深い考えを加えて行

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「相手の良さを活かせてあげられる友人に」管鮑之交

管鮑の交わり
―管鮑之交―

[原文](史記)
管鮑之交。

[書き下し文]
管鮑(かんぽう)の交わり。

[原文の語訳]
管仲と鮑叔の交友。

[解釈]
管仲と鮑叔の故事に由来する「互いに理解し信頼し合った、きわめて親密な関係」という意味です。

単なる遊び仲間ではなく、互いに相手を理解尊重し、自信をもって周りに推薦できるような信頼し合った関係。そうなるためには互いに長所を把握していることが大事

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「疎遠となっても謗らない」君子交絶不出悪声

君子は交わり絶ちても悪声を出ださず
―君子交絶不出悪声―

[原文](史記 楽毅伝)
古之君子交絶不出悪声、忠臣去国、不潔其名。

[書き下し文]
古(いにしえ)の君子は交わり絶ちても悪声を出ださず、忠臣は国を去るも、その名を潔くせず。

[原文の語訳]
昔の君子は交際を絶った人の悪口は言わず、忠臣は国を出るときに、自分には落ち度がなかったなどと自己弁護しない。

[解釈]
絶交してしまった人への

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「固執しすぎず融通を利かすように」膠柱而鼓瑟

柱に膠にして瑟を鼓す
―膠柱而鼓瑟―

[原文](史記 廉頗藺相如列伝)
藺相如曰、王以名使括。若膠柱而鼓瑟耳。括徒能讀其父書傳。不知合變也。趙王不聽。遂將之。

[書き下し文]
藺相如(りんしょうじょ)曰く、王は名を以て括を使う。柱に膠(にかわ)して瑟(しつ)を鼓するが若きのみ。括は徒だに能く其の父の書伝を読むのみ。変に合ふを知らざるなり、と。趙王聴かず。遂ひに之を将とす。

[原文の語訳]
(

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「制限を知った上で自由と責任を」法三章耳

法は三章のみ
―法三章耳―

[原文](史記 高祖本紀)
法三章耳。

[書き下し文]
法は三章のみ。

[原文の語訳]
法律は三ヵ条のみとする。

[解釈]
前支配国のもとで苛烈だった法律を廃止し、殺人、傷害、窃盗の三罪のみ罰することに定めるとした故事が由来です。

あまりルールや規則が厳しすぎると息が詰まってしまったり、人というのは抜け道を探したくなるものです。

三罪は罰しないという寛容さは

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「何事も受け入れる寛容さを」泰山不譲土壌、故能成其大

泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す
―泰山不譲土壌、故能成其大―

[原文](史記)
泰山不譲土壌、故能成其大。河海不擇細流、故能成其深。王者不却衆庶、故能明其徳。

[書き下し文]
泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す。河海は細流を択ばず、故に能くその深をなす。王者は衆庶を却けず、故に能くその徳を明らかにす。

[原文の語訳]
泰山は小さな土壌も排除せずに受け入れ、それで大きな山となっ

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「自分の力量を知る」夜郎自大

夜郎自大
―夜郎自大―

[原文](史記 西南夷伝)
夜郎自大。

[書き下し文]
夜郎自らを大なりとす。

[原文の語訳]
夜郎が(漢の強大さを知らずに)自分の勢力を誇った。

[解釈]
大勢力だった漢の使者と面会した夜郎の王が「漢孰與我大(漢と我が国とどちらが大国か)」と尋ねたという故事から「世間知らずで自信過剰」「自分の力量を知らずに威張ること」の意味の四字熟語となっています。

強気の虫と

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