小水力発電

小水力発電は、エネルギーの地産地消の代表的な設備である。

小さな水流から発電できて、長い送電線も要らない。第一、当初のコストが安い。加えて一寸とした川は全国至るところにある。日本は70%が山だから傾斜地と水流には事欠かない。再生可能エネルギーの先進国ドイツをはじめ、日本でも各地でこの取り組みが進んでいる。

魅力は構造が簡単という点である。発展途上国でも作ることができるというが、ここの所が大切だ。途上国援助の盲点は、素晴らしい器具や設備を与えても、すぐに故障して、一旦故障したらもう修理ができないので、結局放置されてしまう。修理の部品や工具、専門知識などが無ければ直しようがない。途上国で製造できるなら、当然途上国で修理できる。部品を日本から空輸する必要もない。

 (アメリカのあるNGOが打ったヒットはこうである。新生児死亡率が高い未開発の国に高価な集中治療室を与えても、たいてい4~5年しかもたないので、自動車の部品だけで治療室を作るように考えた。なぜなら、世界中どこでもバイクも自動車も走っていて、部品も器具も職人も揃っているからである。その部屋の暖房はヘッドライトを改造したものと書いてあって、なるほど、光りは熱だったと感心した。今でも立派に動き続けているそうだ)。

 日刊工業新聞の記事によれば、用水の落差3mで1基に1.5トン/秒の水を流して25KWを発電する。二つならべて2基で50KW、約9000万円。北陸精機という会社がJICAの資金でルソン島の農業用水を利用するとのこと。名前は「パワーアルキメデス」。他、茨城製作所、ネパールに軽水力発電導入の例も。

途上国に限らず、我が国の田舎で使いたいものだ。自分たちで修理できる装置なら、コストは安いから。

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