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「わかったのはあなただけ」フィンランドに暮らす人との対話?


6年ぶりにフィンランドのホストファミリーのうちに戻った去年。家に着くなりホストファミリーのお母さんとお父さんが「なにか変わったことはない?」とクイズを出してきた。

キッチンのどこかを変えたというけれど、一見なんの変化もない。キャビネットも食洗機も昔のままだ。でも、確かに何かが違う。ぼうっと眺めていると、窓の外の景色に違和感を覚えた。

「窓……?」
「正解!窓を40センチ左に動かしたの!」

来年買い替える予定の冷蔵庫がいまの間取りでは収まらないため、窓を動かしたというのだ。そんな選択肢、考えたこともなかった。

しかもお父さんが自分で動かしたというから、さらに驚いた。外から見ても中から見ても跡ひとつ見つからなかった。木造のお家に器用なお父さんという組み合わせだからこそできること。

「いやーすごいね!一発でわかったのはあなただけだよ!」

確かに自分の記憶力にも関心するが、やっぱり私はここに住んでいて、毎朝この窓から外を眺めながら朝ごはんを食べていたのだ。窓枠につけられた温度計のチェックも欠かさなかった。この40センチの変化に気づけたことは、自分がここに暮らしていた証なのかもしれない。

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