【風の時代の養生学】腰痛・ぎっくり腰②背面を和らげるツボ「委中」 セルフケア詳細
今回、ご紹介するぎっくり腰の予防・腰痛改善のための特効穴は「委中」。専門用語でツボは穴(けつ)といいます。
「委」という文字は、穂を垂れる稲の様子を表した象形文字。女性が稲穂を拾う様子を表しているという解釈もあります。
いかにも、腰痛になりそうな姿勢ですよね〜。
でも、この落穂拾いよりもはるかに長時間パソコンの前で、固まったままでいる私たちの方が、腰痛の危険度・深刻度ははるかに大。
■腰だったら、まずは委中だ!
WHOで公認のツボは361個。実はさらに数百のツボがあるのですが、その中でスター的なツボがいくつかあります。
委中もそのひとつ。
四総穴(しそうけつ)という、新撰組チックなグループのメンバーのひとつで、中国の古典に載ってる歌もあります。
四総穴歌
「肚腹三里留、腰背委中求。頭頂尋列欠、面口合谷収」
肚腹は三里に留め、腰背は委中に求む。
頭頂は列缺をたずね、面口は合谷に収む。
つまり
列欠(れっけつ) :頭や首の病に
合谷(ごうこく) :顔や目の病に
委中(いちゅう) :腰や背中の病に
足三里(あしさんり):お腹の病に
要は、「腰だったら、まずは委中だ!」ということです。
■委中の位置、探し方
位置:ひざの裏にある横線の中央
場所はわかりやすいですね。
■委中の押し方
では、実践です。
準備姿勢
イスや床に座り、片足の膝を曲げ胸に近づける
指の当て方
・両手親指を重ね、ひざ裏の窪み中央にあてる
*4本の指は膝の下からスネに添えて、親指の力が逃げないように注意。
*何も感じない人は力の方向を変えて、響く角度を探すこと。
押し方
・真上(ひざのお皿方向)に押し上げ、響いたところで10秒キープ
・10秒キープしたらゆっくり力を抜く
・腰の張りやだるさを感じる人は繰り返し5回
腰痛のある人は繰り返し10回
腰痛の部位に関係なく、左右ともに行う
ほぐし
・立ち上がって腰を伸ばし、ゆっくりと大きく腰を回す。
時計回り、反時計回りともに5回転ずつ行う
■お腹がつっかえる人、親指の爪が長い人は
委中のポイントは押す角度。正しく押せば腰痛持ちの方は、はじめは飛び上がるほどの痛みを感じるはず。どうもピンと来ない人は、角度が正しくないかもしれません。
お腹がつっかえてうまく押せない、親指が長くて深く指を入れられないという人は、中指でトライ。
準備姿勢
イスや床に座り、片足の膝を軽く曲げる
指の当て方
・両手の中指を重ねてひざの裏の窪み中央にあてる
押し方
足の角度をキープしたまま、中指で足を持ち上げ、自重を中指で受け止めるようにして、10秒キープ。
以下は上と同じ
■テニスボールもおすすめ
もし家にテニスボールがあったら、床に座り、膝の裏にテニスボールを置き、ボールを押しつぶすように膝を伸ばす、という方法もおすすめです。
■やってはいけないこと
膝裏には神経や血管があり筋肉が薄いため、グリグリ強く揉んだり、何十分もやり続けたりするのは厳禁。
ゆっくりとていねいに。そしてやりすぎないこと。痛みがある時でも1日2回で十分です。
■背中や首のコリにも
腰痛はないという方も、腰が張る、重いなと感じたときに、時々やってみると、血行が改善し、筋肉がほぐれ、腰痛の予防になります。
委中は腰だけでなく、背中にも効果的なので、肩甲骨周りや肩こり、首こりの人にも効果的です。
ぜひお役立てくださいませ。
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