見出し画像

リモートワークで変わった仕事との付き合い方

リモートワークで私達の働き方は大きく変わった。
通勤時間がなくなったから、朝はゆっくり過ごせる。
ボタン1つで会議に出られるから、5分前に布団から出ることもざら。
通信回線を圧迫するのでカメラはほとんどの会議でオフなので、すっぴんに部屋着でパソコンに向かう。ときには裸(ちゃんとカメラにカバーをかけてOFFにしているよ!)。

一方でリモートワークの弊害もある。
同僚とのランチや飲み会が減ったこともその1つ。会議以外で会社の人との接点が薄くなったので、先輩の厳しい一言にどんな背景があったのかとか、後輩ちゃんが落ち込んでいるのを察知してフォローしたりとかができなくなって、業務時間外のコミュニケーションにいかに支えられていたのかを痛感した。
最近は少しずつ出社が増えたから、同僚と顔を合わせると久しぶりだねえとほぼ必ず飲みにいくことになり、とはいえ大人数ではまだ飲みに行けないので1コミュニティの飲み会が小分けに複数回行われて、結果飲み会の回数が増えた気がする。
それから、簡単に会議に出られる分、朝早くや夜遅くにも会議が入れやすくなったし、場所の制約がない分無駄な会議が増えてしまった気がする。とりあえず聞いといて~みたいな会議が多すぎるので、こちらもパスタを茹でながらとか、コーヒーを入れながらとか、洗濯物を干しながらとか、そんな感じで聞いている。実はそのほうが内容がよく入ってきたりもする。PCに向かっていると内職(ほかの作業)しちゃうから笑。

リモートワークで失われたもののもう一つが、仕事や会社への忠誠心だと思う。
最近は大きなプロジェクトに入ることが多いせいか、お客さんとも十分に顔合わせできず、お互いに顔がわからない状態で毎日会議をしていることも多い。やっぱり直接対面したことのないお客さんへの思い入れは薄くなってしまう気がする。
コロナの前はお客さん先や現場にフットワークよく向かっていたけれど、久々に満員電車に乗るのが無理になってしまって、それ以前に感染リスクもいまだに気になってしまって、移動に強い抵抗が生まれるようになってしまった。Web会議と対面会議が交互にあると家に帰るタイミングを失ったりもするので、余計に家に引きこもることを選びたくなる。

そんな状態なので、なんだか最近仕事へのモチベーションが失われたように感じていた。でも実は、自分の仕事を冷静に見つめられるようになったのかな、と思っている。

最近1つのプロジェクトでのアサイン終了間近に、次のアサイン先候補として自分の部署として初めて扱うテーマの案件があった。
上司からは私がそのテーマの先駆者となってビジネスを広げて早期にマネージャー昇進することも考えられると言われており、プロジェクトオーナーにも私の過去の実績を踏まえ期待されていた。お客さんにも提案で何度かお会いして、信頼関係が築かれ始めていた。

しかし、急遽別の大型案件にて人が見つからず、私は本来入る予定だった案件に入らずにそちらに取られる形となった。マネージャー間で一悶着あったらしいが、ビジネス規模を優先するという偉い人の判断によるものだ。

新しい案件は私の専門スキルとも異なるし、私である必要はあまりなかった。それに、私のキャリアを考えたら当初の案件のほうがよかったはずだ。
もちろんビジネス上の緊急度・優先度は理解しているが、やっぱりお金がすべてであって、私や社員は駒でしかないんだな、と冷静に考えるようになった。
当初の案件でも「あなたにしかできない」と言われていたけれど、事実代わりは見つかってどうにか回っている。プロジェクトオーナーは信頼関係のもと本心でそう言ってくれていて、私も乗り気になっていたのだけど、私にしかできないわけじゃなかった。

しがない会社員には本当に自分にしかできない仕事ってほぼない。いや、あってはいけない。
なぜならそれは業務の属人化であって、休みがとれない・仕事をやめられないといったブラック化に直結するものだからだ。
あるいは、自分で自分にしかできないと思い込んで仕事を抱え込むことにもつながる。
今まで頭では理解していたが、実際にそれを体感することで仕事と自分にほどよい距離が置けるようになった。
途端に、今まで執着していたキャリアというものがどうでもよくなった。明らかにモチベーションは低下しているのだけど、変に周りと競争して体力や精神を消耗することがなくなったし、仕事を突き詰めすぎて病むことも少し減った。
なにより、今まで結婚や出産などのライフイベントがキャリアの邪魔者のように思っていたのが、むしろ前向きになれたような気がする。自分も他の人も代わりはいるのでいつでも自分のプライベートを優先してよい、と素直に思えるようになって、気が楽になった。(まあ、産休育休のしわ寄せとして周りの人の業務量が増える点については致し方ないのだけど、、)

若いうちは特に自分と仕事の線引ができず、仕事が自分のすべてと勘違いして自分自身やプライベートの生活をないがしろにしたり、仕事で受けた指摘を自分に対する否定と受け止めて落ち込んだりしがちだと思うけれど、仕事って自分の一部でしかないなって思えると、途端に楽になるものだ。
リモート勤務が増えた直後は生活のすべてが仕事で埋め尽くされてプライベートとの境目がなくなってしまいがちだったけれど、今は仕事が終わったらすぐさまプライベートに切り替えて自分の趣味を楽しむことができている。
もちろん仕事が命というのもすばらしいこと。けれど、自分に合った仕事との付き合い方ができていることが一番大事なのだと、リモートワークを経て学ぶことができた。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?