大人の発達障害っぽい夫に"アイメッセージ"は伝わらない?

相手になにかを要求したり主張したりするときは"アイメッセージ"を使うと良い、というのはよく言われることです。

"アイメッセージ"とは

例えば、
「食べ終わった食器、(あなたが)自分で洗ってよ」
「(あなたは)なんで食器洗わないの?」

と相手を主語にした言い方ではなく、
「食べ終わったら食器を洗ってくれると(私は)嬉しい」
「いつも自分の食器を洗う習慣をつけてくれると(私が)助かる」

のような自分(=アイ)を主語にした文で伝えると、
柔らかい言い方になって受け入れられやすいよ、という話ですね。

"IメッセージはNG"という発達障害当事者からのアドバイス

私はわりと普段から意識して「アイメッセージ」を使うようにしているのですが、これってASD孤立型っぽい(未診断ですが)夫には逆効果だったのかも!? と気付かされたのがこの動画です。

発達障害当事者のYoutuber”すぐるCEO”さんが、彼氏が診断済みの発達障害である女性に、彼への要求の伝え方についてアドバイスしている内容です。

彼女が晩御飯を作って待っていたのに、彼氏はなんの連絡もなく外食してきたという状況で(夫婦間なら日常茶飯事ですねw)、彼女は「連絡がなかったことで、私はとても悲しい気持ちになるんだけど」という、私からすると完璧なアイメッセージで伝えようとしたらしいのですが、このYoutuberさんは「そういう言い回しだったら、発達障害の彼氏は納得しない」と言います。

彼氏が発達障害なのであれば、「彼女が悲しむから」という理由で行動を起こすことはないと。

そして次のように言えば伝わるし、きっと彼氏は「ゴメン」と謝るとアドバイスをしました。

回答例1)
「あなたが『帰ってくるのが遅い、ご飯はいらない』という連絡をしなかったことによって、1300円くらいの損害が出た」

回答例2)
「私はあなたが帰ってくるか来ないかを考えながら過ごす時間が3時間17分あったんだけど、その3時間17分は、あなたが連絡することによって解消することのできたはずの時間だと思う。私の3時間17分という時間をあなたはどう思う?」

確かにねぇ……。「私が悲しい」「嫌な思いをしている」といくら伝えても、ASDの特性がある人の場合は「だから? 僕には関係ない」となる可能性大なんですよね。

夫の場合「回答例2」の方でも、「気にしないで過ごせばいいよ」で終わりそう……。

母親から子どもへの「アイメッセージ」は効くのかもしれない

考えてみれば、「夫にアイメッセージは伝わらない」というのは自明の理のような気がする。

でも私は、「夫は責められていると思うとフリーズしてしまう」という特性を気にして、「責めてるんじゃないよ。あくまで私の気持ちを伝えてるだけだよ」という意味で一生懸命アイメッセージを使っていたんですよね。でも、意味なかったのか……(ため息)。

実際、発達障害の子どもに対するコミュニケーションのアドバイスなんかには、「指示・命令・禁止」といった否定的な言い方は避けて、「○○しよう」と肯定文で、それで伝わりにくい時はアイメッセージで、というものがあるんですよね。

ここからは想像ですが、子どもにとって母親の「○○してくれると嬉しい」というアイメッセージは、ダイレクトにその子自身の喜びだから、行動を変える理由になるんじゃないかな。「母親がニコニコしている」ことが自分にとって一番快適、○○してそうなるならやろう! みたいな。

でも、他人(あまり興味を持てなくなった妻も含む)からのアイメッセージだと、「自分以外の誰かが喜ぼうと悲しもうと、僕には関係のないこと」になっちゃうんじゃないかな。

ASDっぽい夫をどうしても動かしたいときの方法

結局、夫を動かしたかったら彼自身の損得勘定に訴えるしかない。

でも、お皿を洗うとか、晩ごはんがいるかどうか連絡するみたいなことって、やらなかった場合に夫のデメリットになることがあまりないんですよね。

少し効くかなと思うのは、やらなかったときに、「次からはやって!」とうるさいくらいに言うこと。

それをすると、夫は「相手が困ってるから」ではなく、「言われるのがうっとおしいから」「自分が責められるのが不快だから」それを避けようとして行動を改めます。
でも、改めると責められなくなるので、いずれまた忘れる。こっちは「またか」とイライラするわけです。

相手を不快感や恐怖感で動かすのも嫌な気分だし、すぐに忘れられて何度もそれを繰り返すのもストレス。だけど、これ以外に方法がないなぁ、というのがいまのところの結論です。

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