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ブラームス弦楽6重奏 第1番 第2楽章 第1楽章(第3、第4楽章)との関係

次に第1楽章(第3、第4楽章)との関係をみていきたいと思います。 まず調性ですが、 第1楽章は変ロ長調(B-dur) 第2楽章はニ短調(d-moll) 第3楽章はヘ長調(F-dur) 第4楽章は再び変ロ長調(B-dur) すなわち 第1楽章は主調 第2楽章は属調の平行調 第3楽章は属調 第4楽章は主調 と変ロ長調の周りを1周して帰って来るような調性となっています。 第1楽章では、かなり大胆な転調をしていましたが、この第2楽章では一貫してニ短調をメインとして(偶成和音、借

    • ブラームス弦楽6重奏 第1番 第2楽章 動機(モティーフ)について

      第1楽章はモティーフにより曲が作られていることがわかっていると思います。 第1楽章で出てきたモティーフが果たして他の楽章にも影響を与えているのでしょうか? 具体的に見てきましょう。 第2楽章冒頭のチェロ2番の進行を見ていきたいと思います。 D-Cis-Dと半音下がって戻ってきています。 もしブラームスが当時(ロマン派)の他の作曲家を同じように単に官能的に曲を作りたかったら、このチェロ2番のパートはおそらくD-Cis-Cの半音進行となっていた、と思います。 それをあえてD-C

      • ブラームス弦楽6重奏 第1番 第2楽章 アナリーゼ 主題と変奏

        さて2楽章のアナリーゼである。 主題と変奏曲になっており、哀愁漂う旋律が特徴的である。 冒頭はヴィオラ1番が担当しており同じ旋律の繰り返しをオクターブ上でヴァイオリン1番が演奏しています。 17小節目からは再びヴィオラ1番に旋律が移ります。同じ旋律を再びヴァイオリン1番がオクターブ上で演奏します。 この主題の特徴を見ていきましょう。 小節の頭の音に注目してみてみるとD-E-F-Gと4小節かけて登っていきます。 5小節目からはG-C-F-Aとなります。 注目したいのは7小

        • ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) 再現部〜終結部編

          練習番号7番(234小節目)からは再現部です。 ヴィオラとチェロ1番の3パートが3オクターブユニゾンで第1主題を演奏していにもかかわらず、イマイチはっきりしないのは、残りの3パートがシンコペーションのリズムを延々と演奏しているからと、ベースパート(チェロ2番)が第2転回形のFの音を弾いているからである。 下のパートがF-Bの4度関係にあるので、不安定な感じがするのである。 展開部の不安定な感じを引きずったまま再現部に突入しているのである。 さて、このあとは細かい工夫にも時

        ブラームス弦楽6重奏 第1番 第2楽章 第1楽章(第3、第4楽章)との関係

        • ブラームス弦楽6重奏 第1番 第2楽章 動機(モティーフ)について

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        • ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) 再現部〜終結部編

          ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) 展開部編

          さて、リピートを抜けてから展開部となるのですが、キャッチーなメロディーが出てきて、いわゆる「サビ」の部分になるのではなく、今まで出てきた素材をモティーフとして使い音楽を展開させていくので展開部と呼ばれています。 ヴィオラ1番が冒頭の主題を3小節分演奏してヴァイオリン1番へと渡していきます。 ヴァイオリン1番から再びヴィオラ1番へ受け渡されると、さらに音数が少なくなり4分音符3つとなります。 ヴァイオリン1番とヴィオラ1番がようやっと一緒に演奏すると、今度はそれをヴァイオリ

          ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) 展開部編

          ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) 提示部編

          ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) ぜひスコアを片手に、読んでみてください。 見たままの音型、担当する楽器の変化など、見えてくるとおもいます。 この曲はソナタ形式(3部形式)で作られています。 提示部ー展開部ー再現部ー終結部 という作りになっています。 冒頭、序奏無しでいきなりチェロにより主題が現れます。(提示部) リピートの後からが展開部となります。(141小節目) 再現部は練習番号7番(234小節目)、 練習番号12番(363小節目

          ブラームス 弦楽6重奏曲 第1番 第1楽章 楽曲分析(アナリーゼ) 提示部編