ワクチンとは??

 ワクチンとはラテン語の Vacca (雌牛)のドイツ語発音です。これはジェンナーが牛痘にかかった雌牛の膿から初めて、人間の天然痘に対する予防接種を開発したことによります。

 現在、ワクチンと呼ばれるものには大きくわけて4種類あります。生ワクチン(BCG, ポリオ、麻疹、風疹など)、不活性化ワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌など)、遺伝子(DNA/RNA) ワクチン、トキソイド(毒素の意味、今回は説明を省きます)です。

 生ワクチンとは病原体(ウイルスや細菌)を動物や培地において継代することによって病原性を弱毒化させたものです。BCGを例にあげると牛に感染する結核菌を13年間!!組織培養を繰り返し、弱毒化させたものです。これは計画的にできたものではなく偶然の産物で、すなわち弱毒化されているとはいえ病原体そのものです。日本は凍結乾燥技術(フリーズドライ、カップ麺に入っている肉のようなもの)を開発し、初期の株の保存をしています。ただしBCG以外の現在の生ワクチンはある程度計画的に設計、作られています。作用機序は病原体の抗原たん白を免疫担当細胞に提示して、主に自然免疫や細胞性免疫を賦活します。BCGは赤痢菌を発見した志賀潔によって1924年にフランスより日本にもたらされました。この日本株BCGは新型コロナ感染症にも有効であり、世界的に日本株BCGを接種している国は統計学的に有意に死亡者数が減少しています。その理由については筆者がマガジン「BCGで新型コロナの死亡者数は減るの?」で書いていますのでお読み下さい。

 不活性化ワクチンとは、病原体を培地などで増殖させ、ホルマリンなどの薬剤で毒性を不活性化させたものです。病原体が細菌の場合、死菌ワクチンとも呼ばれます。インフルエンザワクチンではウイルスの培地に有精卵を用い、精製を含め作成には6~8か月かかります。今年インフルエンザが大流行しても、すぐにはワクチンの増産はできません。アメリカでは使用する有精卵の養鶏場は国家機密となっています。作用機序としては主に病原体の抗原たん白を提示して、獲得免疫>自然免疫を賦活します。免疫については、他記事で簡単に説明してあります。

 遺伝子ワクチンにはDNA/RNAワクチンがあります。DNAワクチンは病原体の抗原たん白の遺伝子を遺伝子操作技術によりプラスミド(細菌の細胞質内で自律的に増殖するDNA)に組み込み、大腸菌などで大量に培養します。これをヒトの細胞に移動させる運び屋をプラスミドベクターと呼びます。プラスミドベクターは通常、細胞質内で遺伝子を発現*させ、抗原たん白を産生します。これ以降の作用機序は不活性化ワクチンとほぼ同様です。利点としては、短期間に大量生産できる、簡単に抗原たん白遺伝子を変えることができる等があります。欠点としてはヒトの細胞のゲノム(遺伝子情報)に組み込まれ、発がん性などの不利益をもたせる可能性や抗DNA抗体を産生させる危険性があります。DNAワクチンは動物・魚類では承認されていますが、ヒトでは未だありません。*遺伝子の発現とは個々の遺伝子の情報を翻訳、アミノ酸の配列を決め、それぞれのたん白質を作ることです。

 RNAワクチンにはm(メッセンジャー)RNAワクチンとベクター(運び屋・ウイルスなど)を用いるRNAワクチンがあります。両者に利点・欠点の相違がありますが、作用機序は基本的にはヒトの細胞質内で抗原たん白遺伝子を発現させ、その抗原たん白により免疫応答を呼び起こすことです。mRNAは細胞内で酵素によって速やかに分解されるので特別な薬物運搬システムが必要です。RNAワクチンは細胞核内に入ってもゲノムに組み込まれる可能性が少なく(もちろん可能性もあります)、DNAワクチンより安全性が高いとは考えられていますが、長期的な臨床データーは一つもありません。

遺伝子ワクチンは誰も育てたことのない植物の種子のようなものです。

 きれいな花をさかせる可能性もありますが、トリカブトのように猛毒性の植物になる可能性もあります。「どの程度の期間、遺伝子が発現するのか」、「脳内などに抗原たん白または遺伝子が移動しないのか」「発がん性を高めることがないのか、将来BSE(狂牛病)などの変性疾患をひき起こさないのか」など時間が経ないとわからないことが数多くあります。BCGなどを受けていて自然免疫が賦活されている状態では、サイトカインストーム(重篤状態)などを引き起こす可能性もあります。「数年後、何がおこるか」、世界中の誰一人としてそれを知っている人はいません。安易な承認や接種は避けるべきです。

すでに抗原たん白が脳・脊髄内に移行することが報告されています。顔面神経麻痺、横断性脊髄炎などの症例報告あり。諸外国で短期的にも多くの死亡例が発生しています。




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