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#1 【GW読書】「「承認欲求」の呪縛」

おはようございます。なるです。
note初投稿です。

ずっと自宅にいるともはやいつGWに入ったのかもよく分からないのですが、GW期間を利用して普段よく読むビジネス書以外の本も読むことにしました。
本選びのコンセプトは、だれか1人くらいは興味持ってくれそうな本です。
なので、目標は「だれか1人に本を買わせる」です!

紹介する本

記念すべき1冊目は「「承認欲求」の呪縛」を選びました。

この本を選んだ発端は、TikTokを見ていてふと湧いてきた

最近の若い人はどうしてこんなに恥ずかしげもなく踊るのだろうか?

という疑問です。

ダンスが学校で必修になったから?この世代は小さいころからスマホを使っているから?など他にも理由はありそうですが、インスタ映えなどが流行ったことに鑑みても承認欲求は一つポイントとしてありそうだと思いました。

とそんなことを考えながら読み始めたわけですが、読んでるうちにだんだん若者が踊る理由とかどうでもよくなっちゃうくらいほうほうと思うことがたくさん書いてありました。最初は、なんで踊るのかを同じように疑問に思う人に刺しにいくつもりでしたが、子どもを持つ親の方、先生などの指導者、あるいは学生の方にとっても有益な内容だと思います。

以下では、特に印象的だった点を1つピックアップして紹介します。

前置き:承認欲求の呪縛とは

といいつつ、紹介する前置きとして承認欲求の呪縛とはなんぞやを本文の記載を用いて軽く説明します。

著者は、承認欲求は、人間の意欲(やる気)の源泉として、また行動や成長の原動力としてのとてつもなく大きな役割を果たすと指摘しています。
一方で、その光の強さの影もまた濃く、承認欲求は危険性や弊害も孕んでいるとしています。

言い換えると、承認を得られると、いろいろな形で金銭がついてくることも多く、それによって、 衣食住に関わる生理的欲求や安全・安定の欲求も充足できるため大きな意欲(やる気)の源泉になるが、かりに承認を失えばこれらの効果がすべて消えてしまう可能性があるということです。

また、人間にとって、一度得たものを手放すことは難しいので(R・セイラ―「保有効果」)、承認の呪縛にとらわれてしまうわけです。

まあ、ここまではふんふんという感じなので、本題に移ります。


印象的だった点

この本の中で印象深かった示唆の一つに以下があります。

・過労自殺、大企業の不祥事あるいはスポーツ界のパワハラなどの世の中の社会問題の背景にも、「承認欲求の呪縛」は潜んでいる。

上記の中でも印象深かったのがスポーツ界のパワハラにみる「承認欲求の呪縛」です。本書では、スポーツ界のパワハラを例にして、以下のことを説明しています。

「承認欲求の呪縛」は地位の低い側に生じるとはかぎらない。逆に上位者が下位者に依存して生じる場合もある。

言われてみると同じ人間である以上当然なことではあるのですが、承認という言葉のイメージからどうしても下から上に求めるものだと考えてしまい、上の人の承認がないがしろにされるケースは多いように感じます。

僕自身、今は承認「される」側であることが多いですが、承認「する」側としてできることはないかを頭にいれておくようにしたいと思いました。

また、本書では、承認欲求の呪縛の強さを、以下の式で表しており、特に3番目の問題の重要性の高まりが上記の社会問題に大きく影響しているとして、過労自殺や大企業の不祥事についても説明しています。(くわしくは本を読んでみてください)

(認知された期待-自己効力感)×問題の重要性

「認知された期待」とは、実際にどれだけ期待されているかではなく、本人がその期待をどれだけ意識しているかを示しています。

「自己効力感」とは、意識した期待に応えられるかどうかに対して、自分の能力にどれだけ自信があるかを示しています。

「問題の重要性」とは、認知された期待と自己効力感のギャップが自分にとって重要な問題であるかどうかを示しています(例えば、遊びや趣味に比べると、学業や仕事は「これしかない」「ここから逃れられない」という期待に応える重要性が増す)。

一応冒頭に戻って、若者が踊る理由についても考えてみると、TikTok自体が期待を「認知しやすい」設計になっていること(コメントやいいねで評価が即時FBされる)、認められた経験に乏しく自己効力感が低くなりがちなこと、また、子どもの世界特有の「問題の重要性」あたりからこの式に沿って説明できるのかなと思いました。
ちなみに、子どもが生きている世間の狭さについて、著者も以下のように指摘しています。

集団のなかにある掟や慣行、仲間内での評価基準には、大人が気づかないほど微妙なものや、大人の視点からは滑稽に思えるもの、あるいは危険なものも含まれている。いずれにしても、子どもの世間における評価と大人社会のそれとは、尺度も重みも大きく異なる。

おわりに

本書には、上記などのどういう場面で承認欲求の呪縛が現れるのかの他にも、承認欲求の呪縛から解放されるにはどういうことを意識すればいいのかといったことも書いてあります。

特に、子どもを持つ親御さん(あるいは将来そういった立場になる人)にとっては有益だと思いますので、子どもが「踊りだす」前にぜひ読んでみてください。

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