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社員の対話から自社価値を言語化しWebサイトリニューアル!

✔自社サービスの提供価値の幅が広がるなかで 、自社サイトをリニューアルする必要があった株式会社ロケットスタートホールディングス
✔ナラティブベースの伴走のもと、社員ワークショップを行って同社の価値やユニークネスを言語化し、サイトリニューアル企画につなげるプロジェクトを実施。
✔一連の活動は、社員のチームビルディングにもつながった。

ロケットスタートホールディングスは、自社のWebサイトをリニューアルするにあたって、自社の価値を、第三者視点も加えて、よりわかりやすく言語化したいと考えていました。そこで取り組んだのが、ナラティブベースとの協働による、社員ワークショップから始まる数か月のプロジェクトです。大勢の社員を巻き込むことは手間ですが、あえてそのような方法を取ったのはなぜでしょうか。そして、結果的にどんな効果をもたらしたのでしょうか。同社代表取締役社長の星 栄一さんと、同プロジェクトに伴走したナラティブベースの代表 江頭春可が、一連の活動を振り返りました。

自社の価値をより分かりやすく言語化するために、第三者の力を借りる

――御社は2014年、リクルートの求人メディア代理店として創業されたそうですね。 

【ロケットスタートホールディングス 代表取締役社長 星 栄一さん ※以下、星さん】 はい。現在は「求人広告の代理店」の枠組みを超えて、お客様の企業サイト制作やDX推進にも伴走させていただくなど、サービス内容が幅広くなってきています。

お客様の満足度を高めようとすると、単に「広告を出せばいい」ではなく、その中身や出稿後の対応においてもお客様に寄り添う必要があります。特に近年はテクノロジーの活用の重要性が増していますが、お客様には「人事は詳しいけれどITに詳しくない」という方も少なくありません。そのなかで、お客様の課題に応じて「人材」と「IT」の両方を合わせた伴走支援を行うことが、現在の僕らの大きな強みだと考えています。

――ナラティブベースは昨年(2021年)、御社のWebサイトのリニューアル企画に向けた約4か月間のプロジェクトに取り組ませていただきました。ご依頼いただいた背景には、どのようなことがあったのでしょうか。 

【星さん】 提供するサービスの幅の拡大に伴う自社サイトリニューアルにあたって、その核となる弊社のユニークネスや価値を幅広い方々に知っていただけるように言語化したいと考えていました。 しかし、自社内ではなかなか客観性をもって考えることが難しく、第三者の方に入っていただけないかと思っていたんです。そのとき知人からナラティブベースを紹介され、ハルさんと話したのが始まりでしたね。

【ナラティブベース 代表 江頭春可 ※以下、江頭(ハル)】 そうですね。最初はざっくばらんに、自社サイトリニューアルの周辺にあることを含め、対話をさせていただきました。

【星さん】 当初、自社のユニークネスや価値を言語化するといったとき、僕らは“代表 星の思い”の言語化だと考えていた節がありました。でもハルさんは、“みんなの言葉”にすることが大切なのだと。「現場の社員の皆さんにヒアリングして、そこで上がった声を基に言語化していきます」と言うんですよね。ああ、みんなで作るってなんか良いな、チームビルディングにも良い効果がありそう、と思ったことが依頼の決め手でした。

【江頭(ハル)】 私たち自身も数年前、メンバーの声をすくい上げることでナラティブベースの価値を言語化したことがあったんです。今回のご依頼は、まさにそこで得た知見を活かせるので、是非やらせていただきたいと思いました。これがもし「経営層が考える価値をまとめてほしい」とのご依頼でしたら、ナラティブベースが関わらせていただく意味はあまりなかったかもしれません。

【星さん】 既存のモデルがあってそれを嵌めるのではなく、現場に対応してイチから積み上げていくというスタイルも、僕らのお客様への向き合い方と似ていて共感できましたね。 

関わる”みんな”の言葉で、自社価値を語り、パーパスへ

――プロジェクトは、まずお客様や社員の皆さんなど現場の声を引き出して(STEP1)、出てきた言葉を基にロケットスタート様のバリューを言語化(STEP2)。それを軸としたサイトリニューアル企画をナラティブベースが作成、提案する(STEP3)という流れで実施しました。

 

――プロジェクト進行中、星さんはどのように感じていましたか。

【星さん】 まず社内メンバーのグラフィック・インタビューでは、ナラティブベースは興味をもって傾聴するファシリテーションがすごく上手だと感じていました。予定調和に向けた誘導にならないよう意識しているのもわかったし、その技術も高い。

 皆さんぐいぐい聞いていくじゃないですか。社員にとっては、自分はどう考えるかを掘り下げる、良い機会になったと思います。

【江頭(ハル)】 社員の皆さんのお話しからは、ロケスタ(ロケットスタートホールディングス)への愛や、星さんの考え方への共感がふつふつと伝わってきました。加えて、社員の皆さん一人ひとりの考えについてもっと出てくるといいのではないかと思い、個人の考えを掘り下げて発信しやすい場づくりを心掛けたつもりです。

風向きが変わったのは、「ロケスタはお客様にとって何なのか?」との問いを投げたときです。「コーディネーターかな」とか、「プロデューサーという言葉は嫌い」とか、出てくる言葉の幅が広がっていったんです。そのなかで出た「ブースター」という言葉は、新しいWebサイトにも採用されましたね。

また、「その会社らしさを再発見」して「DXを通した働きやすさを作る」といった言葉も出てきました。

――そうした社員インタビューが、「働く人の未来をしあわせにする」というパーパスの言語化にもつながりました。

【星さん】 実は、言語化の初期段階では「これで大丈夫かな?」と思ったこともあったんですよね。最終アウトプットに向けてナラティブベースの皆さんとの話し合いを繰り返すなかで、懸念は徐々に解消されていったのですが。 

【江頭(ハル)】 確かに、出てきたものをどう調理するかはすごく難しいところで、“想定通りはない”想定というか…。まず「こんな調理もあんな調理もありますが、どうですか?」と出してみて、ロケスタさんのご意見やご要望を踏まえて調整していき、最終アウトプットで帳尻を合わせていくしかないかなと思っています。そこをロケスタさんが許容し、プロセスをお任せいただいたのはありがたかったですね。

【星さん】 うちも広告やWebの制作でふわっとしたものの言語化に取り組むので、その大変さはよくわかるんです。なので、ナラティブベースからの最終アウトプットを見たときは、一連の活動がこう着地するのかと、勉強させてもらった感覚になりました。

やっぱり、外部であるナラティブベースの見立て仕立てがあったからこそ、自分たちだけでは行けないところにたどり着けたなと。例えるなら、「水色の服は似合わないから」と自分では選ばないところに、「こんな色調の水色だったら似合いますよ」「指し色として取り入れてはどうですか」と言われたような、新鮮な感覚でした。

――星さんは、今回のプロジェクトによるチームビルディングの効果にも期待されていましたね。

【星さん】 結果的に、メンバーラインを引き上げることになったと思います。
「働く人の未来をしあわせにする」というパーパスは自分たちが考えるなかで形になった言葉ですから、それに対して文句を言う人はいませんでした。今では、現場で何か課題にぶつかったときは、この言葉に立ち戻って考え、判断するようになってきています。「上が言ってる」ではなく「みんなの言葉だよね」と言えることは、組織を1つにするうえですごく大切だなと、改めて実感しています。

<↑社員に自社価値を語ってもらい、その内容をグラフィック化した様子>
<↑旧HPについて付箋ワークでディスカッションした様子>

依頼する/されるの関係を超えたキャッチボールが信頼を育む

――プロジェクトの舞台裏にもスポットを当ててみたいと思います。ナラティブベースにとって、今回のようなプロジェクトの流れは初めての取り組みでした。

【江頭(ハル)】 そうなんです。ナラティブベースのサービス種別でいうと、STEP1・2は「ナラティブ・チームビルディング」、STEP3は「Webマーケティング支援」のサービスであり、今回はこの2つを組み合わせて提供させていただきました。 

担当メンバーも途中でバトンタッチすることになりますので、いかにシームレスに2つのサービスを接続させるかは1つのカギでした。その点、担当間での積極的な情報共有はもちろん、STEP3だけ関わるWebサイト企画担当者もそれまでのワークショップのローデータからチェックして「自分自身が何を感じるか」を大切にサイト設計するなど、メンバー1人ひとりが工夫していましたね。

【星さん】 ナラティブベース内ではおそらく相当ミーティングを重ねているんだろうな、とは感じていました。

【江頭(ハル)】 ワークショップが終わったあとは毎回、担当チームで振り返りミーティングを行い、「しゃべりたい人がしゃべれていなかったんじゃないか」「こういう問いかけは誘導されてしまうのではないか」など、細かく話し合っていたのを思い出します。

また、ロケスタさんが第三者視点を大切にしたいとおっしゃっていたので、ナラティブベース内でも、社員のみなさんの声を聞くファシリテーターの視点から離れて、それぞれが感じたことを挙げて、一歩引いたところから全体を俯瞰してみる、みたいなこともしていましたね。 

面白かったのが、そんなふうに長い時間をかけてロケスタさんのことを語り合うので、みんながロケスタさんにすごい愛着をもつようになったんです。まるで我が子に手を掛けるかのように取り組んでいましたね。 

【星さん】 愛を感じていました(笑)。

そして、 “クリエイティブかつ情緒的”なことを、“オペレーティブかつ冷静”に進められるなと思っていました。印象的だったのが、そちらで揉んだものを定期的に提出してくれて、僕らと意見のキャッチボールをするなかで、どんどん内容をブラッシュアップさせていくところです。クリエイティブなものって、長く考えれば良いものが出てくるわけじゃない。シンプルに定期的なキャッチボールを重ねていくことが大切で、それは相手への信頼や理解にもつながるんだなと感じましたね。

【江頭(ハル)】 「こちらですべてやりまっせ」ではなく、先がどうなるかわからない怖さや不安もお客様と共有して、一緒につくっていくことが大切だと思っています。ロケスタさんは「そちらの役割だから」と投げることをせず、一緒に粘り強く取り組んでくださった。そして最終的にそのようにご評価いただけて、とても嬉しいです。

新しい自社サイトが、人材採用にも貢献

――プロジェクトのゴールとしてできたリニューアル企画を原案として、ロケットスタート様が自社でサイトを制作されました。新しいサイトには、プロジェクトで言語化された「働く人の未来をしあわせにする」というパーパスが明確に打ち出され、取り組み・実績の事例がお客様へのインタビュー記事として紹介されるなど、ロケットスタート様の“今”がよくわかります。

ロケットスタート様 HPより

【星さん】 実は、このWebサイトができたことは、人材の採用にも良い効果があるようです。先日も、20代半ばの若者がネット検索でこのHPを見つけて、転職サイトやエージェントを通さず直接コンタクトしてきてくれ、今、頑張ってくれています。 

【江頭(ハル)】 現場のパッションを感じて来られたんでしょうね。そうして入られた方々が実際に働くなかで「サイトに書かれていた通りだった」と思えるかどうか、これからが勝負ですね。

【星さん】 Webサイトのリニューアルと並行して、様々な社内環境整備も進めてきましたが、そのすべてが「働く人の未来をしあわせにする」というパーパスにつながっています。新しい福利厚生の制度を導入したり、IT導入支援事業者としての登録を進めたり…。社員のみんなが“しあわせに働く”ことに向けて、最先端をやっていきたいと思っています。

対話による自社価値の言語化と、チームビルディングの相乗効果

――今回のプロジェクトのように、現場社員と対話しながら言語化を行い、自社サイトをつくっていくことには、どのような意義があるでしょうか。実際に取り組まれたご経験から、率直なご意見をお聞かせください。

【星さん】 「急がば回れ」じゃないですけど、ある意味これは最短距離なんですよ。自社サイトづくりを、パーパスを核に社員をまとめるチームビルディングの一環と位置づければ、決して遠回りではない。ぜひ他社にもオススメしたい方法ですね。

チームビルディングのほうに課題がある場合も、そのための単体の施策にするのではなく、自社サイトのリニューアルのためというわかりやすいゴールを置くことで、コストやパワーをかけることに対する社内の理解や協力が得やすくなるかもしれません。

【江頭(ハル)】 星さんは当初より、自社サイトづくりをインナーブランディングの手段と捉えていらっしゃいましたものね。確かに、企業サイトが会社概要を伝えるだけのものという時代はとうに終わり、そこにいかに現場のいろんな思いを乗せて発信していくかが重要になってきています。そのなかで実態と乖離のないWebサイトであることが、実は余計なコストをかけない方法だったりしますよね。

【星さん】 そのプロセスにおいては、僕らがナラティブベースの力を借りたように、第三者の客観的な視点を入れることも大切だと思います。“健全なよそ者”として、正論じゃないところを掘り下げてくれるのは、自社内ではなかなか難しいことですから。

――最後に、ナラティブベースにエールをお願いします。

【星さん】 世の中にアマチュアの仕事が溢れていますが、ナラティブベースってちゃんと“プロ集団”ですよね。働き方をつくるとか、クリエイティブを発揮するというところで、最先端の形をやっている。次は、一緒に組んで何か新しい仕事ができるといいよね。

【江頭(ハル)】 ありがとうございます。プロジェクトでは私たちも学びが多く、新しい視点もいただきました。ぜひ今後ともよろしくお願いします!


<対談企業のご紹介>
株式会社ロケットスタートホールディングス 様

主に関わったナラティブベースメンバー
石橋奈津子・中澤利恵・藤川麻夕子・江頭春可


 


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