古典を読んで文脈力をつけよう【vol.15】

情報氾濫の時代です。私たちはかつてないほど多くの情報に接しています。一日中SNSを眺めている人もいるかもしれません。SmartNewsやNewsPicksで毎日ニュースをチェックしている人も多いでしょう。これらインターネットにあふれるSNSやキュレーションメディア、Yahoo!のベタ記事を読む主な目的は情報収集です。それ以上でもそれ以下でもありません。

しかし、これだけ情報のシャワーを浴びながら、私たちはどんどんバカになっている気がします。“バカ”というのは、文脈が読めないという意味です。

文脈とは、デジタル大辞泉によると「文章の流れの中にある意味内容のつながりぐあい。多くは、文と文の論理的関係、語と語の意味的関連の中にある。文章の筋道。文の脈絡」と説明されています。

たとえば「さす」というがあります。漢字にすると「指す」「挿す」「差す」「点す」「注す」「射す」「刺す」などいろいろあって、それぞれ意味が変わってきます。「会議で人を指す」「頭にきて人を刺す」「花瓶に花を挿す」と、その前後の関係性で「さす」の意味は違ってきます。この文脈が読めないと、どの「さす」なのか判断できません。この文と文の間をつないで「関係をつくる」ことが文脈です。

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