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伝統工芸品の衰退をテーマにした論文のためのインタビュー

日本工芸株式会社には高校生や中学生、大学生から様々工芸に関する問い合わせが来ます。2020年11月第2週は3件が重なりました。自身で課題意識を持ってアクションしている若い方には敬意を評し、できる限り対応するようしています。

このnoteの記事を読んでもらったり、工芸に関する様々なブログ”伝統工芸の魅力”を記載しているのでそれを示したり、アンケートや取材に応じたりしています。

特に今週印象に残った中学生のメールとその返答を転記しておきます。


中学生からの問い合わせ内容

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XX学では、社会科の総合学習の一環として、論文の執筆を行なっています。中でも私は、伝統工芸品の衰退というテーマに関して、新しい商品の開発、ブランディングといった観点から研究を進めています。

研究の中で、伝統工芸品を生産する方々や、伝統工芸品をデザインする方々へ取材を行ってきましたが、伝統工芸品の市場の構造を研究するには、伝統工芸品の販売を行っている方に話を聞くのが必要不可欠だと感じました。

そこで、伝統工芸品の販売を中心として、多くの人に素晴らしさを伝えようとする貴社に取材をお願い致しました。
質問項目を5つ、以下に書きますので、それに対してメールを通して返信くださいますようお願い申し上げます。

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瞬発的に記載していますが、要点は答えているのでこちらに返答記載部分のみ転記しておきます。
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①伝統工芸品を作っているメーカーが、実際にその会社の工芸品を通販サイト「日本工芸堂」で販売できるようになるまでの一連の流れを教えてください。

→メーカー視点で記載します。
商品を販売したい先が「日本工芸堂」の場合、
紹介か、もしくは直接サイトへ連絡を入れます。
自社商品を取り扱って欲しい旨、自社や商品の紹介などを記載する。
連絡を待って、商談(オンラインや直接会っての打ち合わせ)
を設定。ここで掛け率や支払い条件、梱包形態、ロットなどの
取引条件を詰める。口頭で合意したら両社の合意事項を
メールや契約書などで残しておく。
商流が確定したらサイト掲載に
必要な商品のサイズ、梱包形態、重量、商品特徴、
をエクセルにまとめ、会社・商品紹介画像などとともに
提示。掲載と販売開始を待つ。


②伝統工芸品の職人やメーカーの中には、EC事業に対してハードルが高いと感じている方もいると思われますが、メーカーとの取引で大切にしていることなどがあれば教えてください。

→これは当社視点で返答します。
確かにその通りです。前職でアマゾンのリテイルバイヤーをしていた際も全国の職人さんを回っていましたがご認識の通りです。
ただその心配点を払拭していく努力が売り手には必要かと思います。
価格が下がる、良さが伝わらない、などが懸念される主な
理由です。これらをきちんと対応することを説明させていただき
①での条件が合う場合のみ商流を開始します。
ただ、時間と共にECでの販売に懸念を抱く方は減っています。むしろ
積極的に教えて欲しい、などというケースが増えています。
それがサポート事業を始めた理由でもあります。

以下の「変化の兆し」という項目でも記載していますの参考ください。


③事業内容の1つに海外販売事業とありますが、伝統工芸品の海外への販路開拓の可能性についてどのようにお考えですか。
 また、実際にECサイトを通じて国外へ販売しているとのことですが、国内と比べての売上高など教えていただければ幸いです。


ECサイトでの売上数字は返答を避けたいです。
販路開拓への可能性はもちろんあると思っています。
現時点でも中国や台湾への商流はそれなりに動いています。
また直接自社のサイトから販売するルート以外でも
それぞれの国で日本の工芸品を扱いたい商社(現地の卸なども含め)への商流開拓を定期的に行っています。
そのため海外の展示会も年に数度は行っています。
→コロナやデモなどの影響で、この一年はロンドン、香港、中国
行けていませんが。。


④海外の消費者にとって、日本の伝統工芸品の魅力や強みは何だと思いますか。
 また、海外へ日本の工芸品を広めるために行っていることなどがあれば教えてください。

→海外から日本の品を購入される方は、元々日本のファンであるという想定があります。ものづくりへの信頼やアニメなどを通した親近感がベースにあるのではないかと。

これらの点をベースとしてその国で訴求する色や形状、使用方法をなどにあう商材を選択し販売訴求するようしています。


⑤その他、事業の中で直面している問題や、伝統工芸品を販売する上で抱えている課題があれば教えてください。

3点思いつきましたのでメモランダムに。
1、若い方への訴求をより積極的に実施したいが当社リソース不足で
実行し切れていない。
2、Tiktokやinstagramなどを活用したライブ配信やライブコマースなど現地から直接、できれば世界中からのオーダーをとるなど積極的に
実行したい。
3、オンラインサロンで工芸ファンの集い的な場作りを実行したいが
こちらも現時点で企画止まり。

記載してみるとほとんどリソース不足という課題ですね

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伝えきれない点は多々ありますが、その後丁寧な御礼の連絡をいただきました。また論文をまとめたらお送りいただけるとのことで楽しみでもあります。

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