マイナポイントで冬は越せますか?
そんな訳なかった。
金欠吝嗇家である私は、本キャンペーンのMax値である2万円をかすめ取り、街に繰り出した。しかし越冬は無茶だった。いくら素うどんとほぐし水のつけ麺を啜るも、四・五カ月の歳月は途方もない。私は絶望した。すべてを悟った後に頬張ったロイヤルホストのステーキは今でも忘れられない。肉の繊維を噛み千切る度に脳の奥に清涼感が伝わる。煙草やサウナとは、また違う心地よさ。親に頭を殴られた直後の、あの一瞬の涼しさにすごく似ていた。
さて全財産は、この12桁が載った固い紙ただ