マイナポイントで冬は越せますか?
そんな訳なかった。
金欠吝嗇家である私は、本キャンペーンのMax値である2万円をかすめ取り、街に繰り出した。しかし越冬は無茶だった。いくら素うどんとほぐし水のつけ麺を啜るも、四・五カ月の歳月は途方もない。私は絶望した。すべてを悟った後に頬張ったロイヤルホストのステーキは今でも忘れられない。肉の繊維を噛み千切る度に脳の奥に清涼感が伝わる。煙草やサウナとは、また違う心地よさ。親に頭を殴られた直後の、あの一瞬の涼しさにすごく似ていた。
さて全財産は、この12桁が載った固い紙ただ一つになったわけだが、私は慌てず次の作戦を実行した。それは、文化功労者になることだ。
つまるところ、文化功労者にさえ選出されれば、年額350万円の年金を手に出来る。僕は嬉々としてこの事実を知った。喜んで文化功労しようじゃないか。漫画かな、いや俳句がいいな。俳句、やってみたいと思います。
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なぜ終わっている人間はここまで人の努力を踏みにじる戯言が言えるのか。どうか他人事のように思いたい。そして、文化功労者に選出されている方々は、平均して70歳ほどである。よって選出されるには、青年期から延べ50年の努力を積まなければならない。
そんなことは分かっていた。
雑文しか書けない私は、今日もこうして蛮行予告を書き溜める。
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