休職者の不安を理解し、スムーズな復職をサポートする
休職は、従業員にとって心身ともに大きな負担がかかるものです。
そして、復職は新たなスタートであると同時に、不安や戸惑いを伴うものでもあります。
企業として、休職者への適切なフォローアップを行うことは、従業員の well-being を守り、スムーズな職場復帰を支援するために非常に重要です。
そのフォローアップの場面で、「質問力」は重要な役割を果たします。
適切な質問によって、休職者の状況や気持ちを理解し、必要なサポートを提供することができます。
なぜ「質問力」が重要なのか
休職中や復職直後の社員は、心身の負担や職場復帰への不安を抱えていることが少なくありません。
上司や人事担当者が「一方的に説明する」だけでは、こうした内面の課題を把握するのは、とても困難です。
適切な質問を投げかけることで
休職者が抱える不安や希望を具体的に把握できる
復職後の支援計画を個別化しやすくなる
休職者が「自分は職場に受け入れられている」と感じることができる
このように、質問力は職場復帰を成功させるためのコミュニケーションスキルとして欠かせません。
休職者への質問のポイント
このあたりもお約束のポイントですが、復習の意味も込めて一読ください。
開かれた質問をする
「はい」「いいえ」で終わる質問ではなく、自由に答えられる質問を心がけましょう。たとえば:
「今、どんなことが一番気がかりですか?」
「職場復帰についてどのようなペースで進めたいと考えていますか?」
これにより、相手が感じていることを引き出しやすくなります。
解決策を押し付けない
焦ってアドバイスをするのではなく、相手が自分の言葉で状況を整理できるよう促しましょう。
「そのとき、どんなサポートがあると安心できそうですか?」
「職場に戻ったときに、どんな業務から始めると良さそうですか?」
無理のない復職を考える
休職者は「頑張らなければ」というプレッシャーを感じやすいものです。
「復職後、無理のない形で働くためにはどんな工夫が必要だと思いますか?」
「まずはどのくらいの時間からスタートしたいですか?」
こうした質問で、「ペースを調整して良い」安心感を与えることができます。
休職者が答えやすい環境を作る
質問が効果を発揮するためには、答えやすい環境づくりが重要です。以下の点に注意します。
信頼関係の構築:日頃から相手に寄り添った態度を示す
プライバシー配慮:面談場所は静かで安心できる空間を選ぶ
焦らない姿勢:相手が答えを出すのに時間がかかっても、急かさない
また、「職場復帰支援プログラム」などを活用して、質問だけでなく制度面のフォローも同時に行うと効果的です。
具体的な質問例
休職中のフォローアップ
「最近の体調はいかがですか?何か変化はありますか?」
「職場復帰に向けて、どんなことが不安ですか?」
「業務以外でサポートが必要だと感じることはありますか?」
復職直前の面談
「職場復帰に向けて、自分の中で準備が進んでいると思うことは何ですか?」
「何か準備が必要だと感じていることはありますか?」
「最初の数週間はどんな働き方が安心だと思いますか?」
復職後のフォローアップ
「働き始めてみて、どんな点が負担になっていますか?」
「サポート体制について、何か追加で必要だと感じることはありますか?」
「現在の業務量や内容について、どんな印象を持っていますか?」
質問を活用する上での注意点
偏見を持たない
たとえば「もう大丈夫でしょう」といった決めつけはNGです。相手の現状を正確に把握することを優先しましょう。
休職者のペースを尊重する
急な復職を求めるのではなく、段階的に進める提案を心がけます。
専門家との連携を意識する
産業医やカウンセラーとの連携を通じて、適切なアプローチを行うことも重要です。
まとめ
休職・復職時のフォローアップには「相手を理解し、安心感を与える」質問力が不可欠です。
適切な問いかけと環境づくりを通じて、休職者が自信を持って職場復帰できるようサポートしましょう。
次回は、休職・復職時の質問例集をお届けします。
【今日の問いかけ】
「今、安心感を得られるために、どんなサポートがあればいいと思いますか??」
この問いは、自分自身や相手が不安を抱えているときに使えるシンプルかつ効果的な質問です。相手に「自分のニーズを考える時間」を与え、サポートする側も具体的な手助けがしやすくなります。
まずは質問に答えて、必ず言葉にして書き出してみてください。
ひとつひとつの質問に丁寧に向き合うと、新たな気付きと行動が生まれてきます。
今日の問いかけへの皆さんの答えを、ぜひコメント欄にお寄せください。
▼ 安定的な集客、顧問先を増やしたい士業の方へオススメです ▼