あゝバンコク(タイ滞在記①)
昨年度末、タイに行ってきた。
きっかけ
うちの大学は留学プログラムへの参加を卒業要件としているので、卒業までにそのいずれかに参加する必要がある。私は中国語を勉強しているため本当は中国に行きたかったのだが、当時は中国行きのプログラムが開講されなかったので、比較的期間の短いタイのプログラム(10日間)に参加することを決めた。
はじめての海外
2月末日の午前、羽田空港からバンコク(スワンナプーム国際空港)に向かう飛行機に乗り込んだ。7時間も飛行機に乗るのは初めてだったので少し疲れたが、映画を観たり仮眠を取ったりしていたらあっという間だった。現地時間の16時半ごろにスワンナプーム国際空港に到着し、鉄道でバンコクの中心部に向かう。どこまでも続く平坦な土地に、真っ赤な夕日が沈んでいくのが車窓から見えた。ホテルに着く頃には空はすっかり暗くなり、1日目は移動のみで終了した。
2日目は朝からアユタヤ(バンコクから車で1時間ほどの都市)に行って、史跡をいくつか見学した。
夕方、2日目の行程を終えて滞在先のホテルに帰ってきた。ここまでは基本的に団体行動だったのだが、ここでようやく最初の自由時間があり、私は一人でバンコクの街に繰り出してみることにした。
滞在先のホテルから出た瞬間、太陽の残熱と排気ガスを溶かしたような街の空気が私の体を包んだ。バイクや自動車の喧しいクラクションの波が耳を劈く。理解できない言語が、目から耳から、とめどなく流れ込んでくる。
このときになってようやく、ああ、私は本当にタイにいるんだ、私は世界を自由に歩き回れるんだ!と思った。この瞬間のことはこれからも忘れないと思う。
次回に続く
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