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大倉集古館(東京都港区・神谷町駅/大倉集古館の春)

ホテルオークラのすぐ目の前にある大倉集古館では「大倉集古館の春」と題し、大倉集古館の収蔵するコレクションのうち「春」を感じさせる作品を中心とした春の企画展が開催。これまで何度か訪れてきたものの、コレクションの目玉の一つである横山大観『夜桜』を初めて見ることができるため、期待に胸を膨らませて訪問することに。

当然ながら年明けを記念して干支や吉祥といった観点からも作品を紹介している。まずは1階の展示室から、受付すぐ横にあるガラスケースでは大倉喜八郎が筆を取った狂歌扇面「ゆるがせにして」から始まり、いきなり重要文化財の『長生殿蒔絵手箱』を展示。こちらは「長」「生」「殿」それぞれの文字が蓋の裏面に刻まれており、地下階のモニターでその実態を見ることもできる。さらに宗達派の大きな屏風『扇面流図屏風』や16世紀から18世紀にかけての中国の山水画がお目見え。

こちらも館内は撮影NGなので外観を

階段を上った2階の展示室では、狩野常信『梅鶯図』や、葉大年『梅柳叭々鳥図』といった絵が並ぶ中、ここでも重要文化財として尾形光琳と尾形乾山の兄弟による合作『銹絵寿老図六角皿』が登場。絵画だけでなく陶器や棚などもこちらでは紹介される。そしてメインを飾るのは横山大観『夜桜』で、パリ万国博覧会でも日本の美を象徴するものとして出展された。大観は他にも『文鳥』や『寒牡丹』といった小品も展示される。

大倉翁の像 近くで見るとでかいよ

大倉集古館は収蔵品だけでなく建物自体も味わい深い造りになっている。日本初の私立美術館である大倉喜八郎の想いを体現すべく、伊東忠太の設計によって内装には古代の神獣などの装飾が施されている。国の有形文化財にも登録されており、耐震を施されて谷口吉生によって当時の内装を生かしたままでリニューアルされている。トイレはウォシュレット式。

アメリカ大使館側にも作品が点在しています

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