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調布市文化会館たづくり(東京都調布市・調布駅/つげ義春展)

調布駅から徒歩数分の場所にある調布市文化会館たづくりは図書館があるほかコンサートホールも構え、さらに映像シアターやスタジオ、会議室などで市民講座も開催しているという調布市の文化興隆に大きく寄与している文化施設である。いわゆるミュージアム施設とは違うのでチェックしていなかったのだけれど、中にあるギャラリーで「マンガ家・つげ義春と調布」という企画展を開催しているという情報をポスターで知り訪問することに。

調布を代表するマンガ家といえば『ゲゲゲの鬼太郎』などで知られる水木しげるがいるが、彼とも交流が深くさらにアシスタントを勤めたこともあるつげ義春もまた調布を中心に活動していたマンガ家である。雑誌「ガロ」などで執筆していたいわゆるサブカルチャー界隈で特に愛されているマンガ家で、『ねじ式』『ゲンセンカン主人』『無能の人』など劇画調の画風にシュールな展開の物語は今も根強い人気がある。

エレベータを上って右手の北ギャラリー

中央のエスカレータを上り右手、2階の北ギャラリー内ではつげ作品の原画を紹介。いくつかの作品を展示しつつ、その作中に登場するモデルの場所と、実際の場所の写真を照らし合わせながら比較してみるというユニークな展示方法をしている他、作品に関連している場所を地図でわかりやすく紹介している。

つげ作品では生活に困窮している人物が実に多い。作者本人もまさにその人物像にリンクするかのようにやはり生活に困窮していた時代があったそうで、彼の場合はそもそも極度の人嫌いというのもあってなるべく人と会わずに済む仕事としてマンガ家を選んだだけに、マンガ家としての生活に困窮すると他に仕事をする手立てがなく、妻がアルバイトに出るなどして糊口を凌いでいたのだという。

展示室ではつげ義春の今に至るまでの生涯をマンガ作品とリンクさせるようにして紹介。また取材旅行として日本全国ほとんどの県に訪れたことなど割とアクティブな一面ものぞかせる。亡き妻の藤原マキをはじめとした周囲の人の様子から本人の人物像を浮き彫りにさせている。トイレは和式・洋式・ウォシュレット式すべて揃っている。

会期が短いのでお早めに

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