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みらい美術館(神奈川県横浜市・新高島町駅)

みなとみらい地区にある美術館といえば、ランドマークタワーからすぐ近くにある横浜美術館が思い浮かぶけれど、近年になってもう一つ美術館が誕生している。歯学、医学系の学校みなとみらい学園の創立者である鶴見光彦氏の遺志を継いで2016年に設立されたみらい美術館は、ガラス工芸品収集家であった氏のコレクションをはじめとした展示をおこなっている。

歯科技工士とガラス工芸には「焼成、研磨、色調」といった共通する要素があり、自らも歯科医だったことから自然とガラス工芸にも興味を示していたようである鶴見氏。元々はみなとみらい学園の中にあった展示室を美術館として独立させたもので、決してフロア内は広くはないものの、埋め尽くす技巧品の数々にため息が出るほどである。

ガレにハズレなし

階段を上った2階が入り口になっており、まず導線にマイセンやバカラの工芸品が展示されている中を通って行くと、展示室の前にはミュシャの絵がお出迎え。西洋工芸品とミュシャの共演率が高いのは何なんだろうか。本当によく共演している。受付を抜けた先が本格的な展示室になっており、天井にはガレの手がけた照明が並び、薄暗く演出された展示室内には所狭しと今回の企画展であるガレとマイセンの工芸品が多く展示されている。

マイセンもマジやばい

こういった地域の美術館は割と見学者が少ないイメージがあるのだけれど、じっくり見ている最中にも次々と見学者が入ってくるという人気。かといって混雑するわけでもなく、かなり心地よいペースで間近にガラス工芸品を鑑賞できる。個人的にガレというと色彩の施された壺や花瓶のイメージだったのだけれど、透明の皿なんかもあったりして新鮮。中でも葛飾北斎から引用した鯉をエナメル彩で描いた鯉文花器には目を奪われる。

ため息が出ちゃうこの技巧

トイレはウォシュレット式。すぐ隣にみなとみらい学園や歯科があるため、美術館というイメージからは少し程遠いかもしれないけれども、こんな好立地にある美術館、もっと知られても良いくらいである。

入口へのアプローチにも多くの陶器や絵画が並んでいる

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