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杉山美術館(東京都江戸川区・新小岩駅)

江戸川区には目立ったミュージアムが今のところそれほど多くない。まず挙げられるのは春花園BONSAI美術館だろうか。もう少し盆栽に興味が出てきた年齢に訪れてみたい場所ではある。とりあえず今回は他にミュージアムを、と探していたところこちらの杉山美術館を発見したので訪問。国内でも珍しいリャドの作品を展示している美術館である。

オフィスの2階を美術館機能として開放しており、入り口は普通に会社事務所を訪問するような形になるため最初は入ることに少し戸惑ったものの、入口にはしっかりと美術館の表示があるので勇気を出してドアーを開く。オフィスを横目に階段を上って2階へ向かえば絵画が点在していて一安心である。2階の全体を使って展示室となっている。決して広い美術館ではないものの、中にはビッシリと作品が展示してあって割とゆったりと見学できる。

リャドの宝庫

スペイン出身の画家であるリャドはベラスケスの再来とも呼ばれた画家で、スプラッシングという筆を叩きつけるように描く技法が特徴的。国内でもリャドの作品を見に遠方から訪れる人も多いという。原画が多く展示されている美術館としては国内屈指で、ゼロ距離で油絵の凹凸まで見られるのは貴重である。風景画が特に多く、サンタアガタの湖、バガテルの湖、エルベストンの早瀬など、光と影を絶妙に描き、跳ねるような筆遣いには圧倒される。水面の深く暗い感じも上手く描いている。また目玉の一つでもあるトリニダッド・カンピン嬢の肖像画には目を惹きつけられること確実。スタッフの方の配慮で照明を暗くしてもらうとまた別の美しさが浮かんでくる。

照明によって絵の浮かび方が違う

芸能界にもファンが多く、興味深いのは歌手のジュディ・オングの肖像画があること。これはリャドを売り込んだ画商がジュディ・オングの夫だったことによるものだという。
リャドの他には寺島龍一の油彩画や、藤田嗣治の作品もいくつか展示されている。やっぱり猫。マリー=ベルト・オーランシュの肖像画もある。ほかには山田健二というモデラーによるフェラーリの木製モデルも展示されており、バラエティに富んだ展示内容になっている。

リャド以外も充実

土日には事前予約で総生産台数76台という希少なポルシェ他、BMW、フェラーリなど自動車の展示もあるため特に外国車が好きだったら必須かもしれない。トイレはなし。

好きな人はたまらんでしょうな


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