見出し画像

ggg(東京都中央区・銀座駅 宇野亞喜良展)

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は大日本印刷株式会社の主催しているギャラリーである。こちらでは宇野亞喜良の作品展「万華鏡」が開催されている。88歳の今でも第一線で活躍し続けているレジェンドである。美術だけでなく文学や演劇、それに音楽関連でのフォロワーも多く注目度が高い展覧会。実際に会場はかなりの見学者で賑わっている。

展示会場も壁一面に宇野亞喜良の作品を散りばめているという鮮やか且つ妖艶な雰囲気に息を呑まれる。入口となる1階は少女と俳句をテーマにした作品を紹介。こちらは津田淳子氏による特殊印刷設計で作品をただ紹介するのではなくユニークな展示方法を採っている。新聞紙や段ボール、和紙などの特殊な紙をつかったりラスター加工やシルクスクリーン、オフセット印刷といった技法を用いてのバラエティに富んだ印刷方法もまた味わい深い。

会場全体が宇野亞喜良の宇宙

階段を降りた地下1階ではこれまでに手がけたポスターを中心とした展示をおこなっている。シャンソン歌手の越路吹雪、寺山修司の率いる劇団・天井桟敷の舞台、マックス・ファクターの広告など、宇野亞喜良らしさを最大限に活かしたポスターがならび、あっという間に異世界へと連れて行ってくれる。幻惑と幻想、悪徳と退廃、そして圧倒的な美。それらによって積み重ねられた宮殿に迷い込み、鈍痛と快楽に囚われて出られなくなってしまう。

地下1階はポスターの数々 実に多彩な仕事量

普段はライブラリーとして開放されている2階では宇野亞喜良が制作した『AQUIRAX CINEMA』が特別に上映されており、こちらも必見。『お前とわたし』では、ポール・ジェラルディの詩を元にして、モデル女性の肌に線画を引いて、体の動きと共に変化する画が官能的である。また『La Fate Blance(白い祭り)』や『午砲(ドン)』は紙芝居のような不思議な作品で、とにかく見所に溢れた万華鏡の世界を味わえる。展示だけでなくこちらの映像もぜひ観ておきたいもの。トイレはウォシュレット式。

隣接するMMMも必見

隣接する螺旋階段が印象的なショップMMMもまた寄っておきたい。3階ではこの展覧会に合わせて展示作品が販売されているのだけれど、展覧会では観るだけだった作品の一部は実際に触れることもできる。特に絵を刺繍にした製品は凹凸まで指で触れることができて感動する。さらに『小さなお人形』というグッズも販売されていて、こちらもお手頃な価格なので入手しておきたいもの。

実物に触れちゃう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?