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NHK放送博物館(東京都港区・神谷町駅/虎ノ門ヒルズ駅)

NHKというと渋谷公会堂の近く、代々木公園にあるNHKのスタジオパークが最初にイメージに上がる。スタジオパークには展示コーナーや体験コーナーなどが多くあり2時間でも3時間でも楽しめるような施設だったのだけど、いつか再訪しようと思っていた矢先に閉館していることを知って少し驚いた。
こちらのNHK放送博物館は虎ノ門ヒルズのそば、愛宕神社に隣接する形である施設で、愛宕山という小高い山の上にある。実際に長い坂道を登るか、段数のある階段を上る必要がある。エレベータもある。

入り口の横には放送用アンテナが並べられている。誰も見向きもしないのが少し悲しくもある。
展示室は3階〜2階〜1階へと降りる形の順路になっており、エレベータで3階へ。まずは導入部として昭和から令和に至るまでの事件とメディアの変遷をモニターや写真パネルで紹介している。
最初の展示室では日本の放送の歴史を紹介している。まずはラジオ放送によって幕開けとなった電波放送。当時は東京放送局という名称から始まっており、初代総裁は後藤新平が務めている。

後藤新平はフリーメイソンの噂もあり、こうして日本の放送は陰謀以下略

NHKの前身であるJOAKはこの愛宕山に放送局を置いて発信していた。やがてテレビ放送が始まり(最初に映った文字は「イ」)、放送の主役はラジオからテレビへと移って行く。
かつてのお茶の間も再現。テレビが一家の娯楽の中心だった時代は、家族全員でちゃぶ台を囲んでテレビ番組を観ることが当たり前だった。今は娯楽が多岐に渡っていて、こういう風景というのも少なくなっているのかもしれない。

ちゃぶ台も小さいね

テレビ局ならではの送出卓もある。ドラマとかでしか見たことのない、どんな機能があるのかは全くわからない無数のスイッチがある卓。テレビ局で実際に使われていたものがある。

触ってみたくなる卓

2階ではなんとも素晴らしいメンツがお出迎え。いわゆる教育テレビ〜Eテレで放送されていた番組のキャラクターである。『おかあさんといっしょ』の歴代キャラクターの紹介や、『できるかな』のゴン太くんもいる。誰もが通ったであろうこうしたテレビ番組のアーカイブも紹介されており懐かしい気分になること必須。

相棒の残骸

ほかにも注目したいのは音響コーナーで、たとえば波の音や風の音を表現するのに使っていた道具が紹介されており、実際に体験もできる。映像に合わせて自然な音を出すのはかなり難しく、音響効果の達人振りが身に染みてわかる。

いろんな音が出せます

また、スタジオ体験もある。ブルーバックの前に出て、実際にモニターに映っている様子を体験できたり、ニュース原稿や天気予報がどのように読まれているのかといったこともわかる。アナウンサーがカメラ目線で原稿を読めているトリックも。

左側の四角いのがトリック 知りたければ現地へ

1階では現在の大河ドラマ・連続テレビ小説(朝ドラ)の紹介パネルや、かつて使用されていた放送機材の現物が展示されている。都内でNHKに関する資料を観られる貴重なミュージアムとして、今はなきスタジオパークに代わるスポットとして推薦したいところ。トイレはウォシュレット式。

坂の上にある


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