寄る辺なく綱の外れた舟として解体工事現場を仰ぐ
2020年6月、以前四四田が働いていた喫茶店が閉店した。
かつての直属の上司からの連絡でそれを知った。
この歌はその時に詠んだ歌だ。
働いている間の店の体制、従業員たちと経営サイドとの折り合いは、決して何もかもがうまく行っているわけではなかったけれど、ただ、それでも従業員たちはみんな、その店をとても愛していたと思う。
素敵な、唯一無二の店だった。
社会的状況下によって、休業は余儀なくされてはいた。それでも、再開に向けて動いているのだと信じていた。それが、突然の閉店。
四