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タイムカプセルを埋めたら予想外の展開になった・・・

これは私が小学生のときに起きたウソのような本当の話である。
当時タイムカプセルが流行っていた。タイムカプセルとは、カプセル状の容器にその時代のものを入れて地中に埋め、ある年月が経った後に開けるものである(Wikipediaより)。

私はクラスのみんなでタイムカプセルをやりたかったが、そんな雰囲気はなく言い出す勇気もなかったため、個人的にタイムカプセルをやることにした。

選んだ場所は校庭。タイムカプセルで埋めるものといえば、普通は手紙や作文、絵などだが、当時の私は何を思ったのかお道具箱のゴムバンドを埋めた。色はピンクだった。これをなぜ大人になってから掘り起こしたいと思ったのか、未だに謎で仕方ないがとりあえずピンクのゴムバンドだったのは、ハッキリと覚えている。

画像はイメージです

校庭にゴムバンドを埋めて数日後。
ある日、教室でホームルームが行われた。担任の先生が深刻な顔をして入ってきた。手には小さなビニール袋を持っている。そして先生はこう切り出した。
「残念なことが起きた。校庭にこんなものが埋められていた」
そう言うと、ビニール袋からあのピンクのゴムバンドを取り出した。

ええっ!!!

私は開いた口が塞がらなかった。タイムカプセル終了・・・
こんな最短で掘り起こされるタイムカプセルなんてあるのだろうか?
多分穴が浅かったので、すぐに見つかったのだろう。
ゴムバンドには、親が黒マジックで書いた私の名前がハッキリと書かれている。

先生は言った。
「こんなことをする奴がいるなんて、先生は悲しい。やった人がいるなら正直に名乗り出てほしい」

何と!先生は私の個人的なタイムカプセルを苛めだと勘違いしたのだ。
クラスは静まり返り、重い空気が流れている。
とても本当のことを言い出せる雰囲気ではない・・・
ここで私が手を挙げたら意味不明だろう。何で苛められている本人が手を挙げるのかと。下手すれば自作自演と思われてしまう。

ど、どうしよ~!!
内心パニックである。早よ終われ!ホームルーム!
私は切に願った。
ああ、どこか穴があるなら入りたい・・・
あのタイムカプセルの穴でもいいから(いや、浅すぎるけど)。


その後、ホームルームがどのようにして終わったのか、記憶は定かではない。確か、先生が苛めはあかんというような内容を真面目に話していた気がする。私のアホなタイムカプセルを発端に、ホームルームが道徳の授業へと代わった。

それ以来、私がタイムカプセルをやることはなかった。
先生、クラスメイトの皆さん、本当にごめんなさい・・・

今になって思う。もしあのとき本当のことを言い出していたら、先生やクラスメイトはどんな反応をしただろう。
ハハハ!アホやな~。くだらんことすんなや~。と笑って済ましてくれただろうか。それとも、アホかっ!くだらんことすんなや!と本気で怒られただろうか。後者なら恐ろしい・・・

皆さん、タイムカプセルは仲間と一緒にやりましょう。
そして、分かりやすいものを埋めること。穴は深い方がいいでしょう。



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