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「EEL Products」から学ぶ、0.5歩先の価値提供

新潟生まれ新潟育ち、ブランディングプロデューサーの亀山です。

Narashika(ナラシカ)という屋号でフリーランスとして活動しています。

昨日は、ファッションブランド「EEL Products」が愛着の湧く商品づくりをしていて、そういうモノを身の回りに置くことって、豊かな暮らしにつながるよねっていう内容で書かせていただきました。

あなたがまだ昨日の記事を読んでいないなら、まずはこちらからどうぞ。

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今日は、「EEL Products」が掲げている「ありそうでなかった服を生み出す」という考え方にフォーカスします。

商品づくりやブランディングには、この感覚がとても大事で、亀山自身もかなり意識しています。

先を行きすぎない「0.5歩先」を狙うことが今は求められているんだと思います。

そんな話。

「EEL Products(イールプロダクツ)」ってなに?

ファンションブランド「EEL Products(イールプロダクツ)」をご存知ですか?

Easy Earl Life(気楽な伯爵の暮らし)を略した「EEL」に製品を意味する「Products」をつけて、「EEL Products」。

それに、EELとはうなぎという意味で、見た目からは想像がつかない絶品の味になるという想いも込めているそうです。

そんな「EEL Products」というファッションブランドが亀山は大好きなわけです。

それぞれの商品に素敵なネーミングがつけられていて、どれもが愛着が湧いちゃうものばかり。

そこらへんの詳細は昨日の記事を読んでいただければと思います。

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今日はもう少し違う観点から「EEL Products」を捉えてみようと思います。

ブランディングや商品開発に活かせる考え方なので、ぜひ最後までお付き合いください。

ちなみに、Productsを省略して「EEL」と言われたりもするので、以下は「EEL」と表記させていただきます。

0.5歩先の価値提供

亀山がブランディングで携わらせていただく時に注意していること、それは「0.5歩先」です。

どういうことかというと、「ありそうでなかったブランド」をつくっていくということ。

例えば、商品のブランディングをしていく時に、差別化をしようと思うと、つい「違えばいい」っていう考えに陥りがち。

つまり、奇抜になったり、らしさを失ったりしちゃうわけです。

ブランディングは、ファンを増やしていくことなので、目立てば良いということではなく、愛着を持ってもらわなければいけません。

で、愛着を持ってもらえる商品って、ぶっ飛んだ商品というよりかは、ありそうでなかった商品だと思うんです。

ヘンリー・フォードが自動車を量産したり、スティーブ・ジョブズがiPhoneを使ったりしたように、その時代やタイミングに合った「ありそうでなかった商品」を生み出すことが、選ばれる商品であり、ブランドだと思うんです。

で、それを体現しているのが、「EEL」なんです。

「EEL」のブランドコンセプトはもろに、「ありそうでなかった服を生み出す」です。

世の中には有り余る程の服が毎日生み出されています。

その中で、ありそうでなかった、自分達らしさを詰め込んだ商品づくりをしているのが「EEL」。

実際につくっている商品は、シャツ、コート、デニムパンツ、ウールパンツ、Tシャツ、バックパックなど、どのブランドも持っている商品ばかり。

でも「EEL」が生み出す商品には、「ありそうでなかった感」があって、そこに共感できるファンがいっぱいいるわけです。

それは、突拍子もない斬新なアイデアではなく、ちょっとウキウキする工夫が散りばめられているからだと思います。

例えばネーミング。

桜を見る時期に着てほしいから「サクラコート」とか、ロールアップせずにそのまま砂浜に出れるように「砂浜デニム」とかっていう風に、その服を着て出かけた情景をイメージできるネーミングを商品につけています。

これって、商品のクオリティが他のブランドと比べて劣っていたとしても、特別感が出ると思っています。

普段何も考えずに着ていた服だったけど、「EEL」の場合は着ることが楽しくなる。それをネーミングで演出しているわけです。

他にも素敵なネーミングの商品ばかりなので、気になった方は検索してみてください。

で、ネーミングがそれぞれについているということは、なぜそのネーミングになったのかっているストーリーがあるわけです。

例えば、「SUN PANTS」というズボン。

真夏に穿けるイージーパンツで、灼熱の太陽にも負けないという意味が込められています。

汗をかいても洗濯機でガンガン洗えて、へこたれない強い生地を使っています。

さらに、リラックスしすぎると、「それパジャマ?」て思われてしまうから、腰回りをすべてゴムにするんじゃなくて、スラックスに見える作りになっています。

だから、穿いている本人は風通しが良くてリラックスできるけど、周りの人にはスラックスのようにパリッとしている印象を与えられるっていうズボン。

こういう情報を聞いただけで、気になりません?

名前と開発の背景がこんなにうまく設計されているのって本当にすごい。

こういう「EEL」の商品づくりやネーミングって、別に突飛なことをやっているわけではなくて、あくまでありそうでなかったライン。

つまり、0.5歩先の価値を提供しているわけです。

1歩まで行きすぎない絶妙なライン。

これが選ばれる商品づくりには大事だし、ブランディングにも必要な考えだと思うんです。

選ばれるブランドは0.5歩先

今、日本国内のブランディング界隈で第一線で活躍されている、「good design company」の水野学さん、「エイトブランディングデザイン」の西澤明洋さんにかなり影響を受けている亀山。

お二人の著書はほぼ全て読んでいます。

このお二人だけではないのですが、ブランディングを手掛けていて評価されている企業に共通しているのは、リサーチが半端じゃないこと。

例えば、お茶屋さんのブランディングの場合、お店づくりやパンフレット、商品パッケージなどを整えていくわけですが、そもそもお茶屋さんたらしめている要素は何なのか、世間のお茶屋さんはどんなお店なのか、お茶屋さんの歴史は?などなどを徹底的に調べ尽くすわけです。

すると、お茶屋さんのスタンダードが見えてきます。「お茶屋さんといえばこれ」っていう要素が分かってくくるわけですね。

お店づくりとか、デザインに使われる文字のフォントや色など。

そのうえで、ブランディングするお茶屋さんらしさを盛り込みつつ、他と違わせる。あくまでお茶屋さんのスタンダードを失わずに。

これって、まさに「0.5歩先」だと思うんです。基本的なお茶屋さんらしさをキープしつつ、他と違わせるわけなので。

つまり、現在ブランディングを生業にしている企業の多くが、「0.5歩先」を狙っていると思うんです。

言い換えると「ありそうでなかったライン」。

行きすぎずに、程よく先を行っている感じ。

これが、ブランディングにも必要だと思っています。

まとめ

・「EEL Products」はありそうでなかった服を生み出しているファッションブランド
・ネーミングや商品開発ストーリーをお客さんに提供することで、0.5歩先の価値を提供している
・現在ブランディングを生業にしている企業の多くは、0.5歩先を意識してい差別化を図っている

「ありそうでなかった」ってすごい好きなんですよね〜。

亀山自身も大事にしているラインです。

ネーミングも商品づくりも、目立つことだけを考えてしまうと、5年後には古くなってしまいます。

長く愛され続ける存在をつくることがブランディングです。

だからこそ、先を行きすぎずに、0.5歩先を意識することが良いと思っています。

あなたはどう思いますか??

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

それでは!

ブランディングプロデューサー
Narashika
亀山友貴

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