「オリジナルものさし」の精度を上げる大切さ
新潟生まれ新潟育ち、ブランディングプロデューサーの亀山です。
Narashika(ナラシカ)という屋号でフリーランスで活動しています。
今日は、数値で図れない領域への理解を深めることで、愛され続けるブランドをつくるきっかけになるのではないかという話。
美しいとか素敵って思えるブランドには、糖度が高いとか、重量が軽いとかっていう数値で図れるものではなく、人間の本能に訴える何かがはるはず。
その「何か」を表現するためには、美意識を磨く必要があるし、自分なりにものの良し悪しを図るものさしが必要だと思うんです。
数値で図れないことばっかりな現代だからこそ
テクノロジーの進化、情報の爆発的な流通によって、今までにつくることが難しかったことが、いとも簡単に再現できるようになりました。
例えば、ラーメン。
出汁のとり方から製麺に至るまで、めちゃくちゃ複雑な工程を経てつくられるラーメンという料理は、お店によっての個性がとても豊か。
そして、美味しいラーメンをつくることが難しかった。
ですが、機械技術の進歩と情報流通の増加によって、"それなり"の味を出せるようになった。
これは評価すべきことでもありますが、だれでもつくれちゃうという状況を生み出しました。
だからこそ、求められるのは「うまい」だけじゃない「らしさ」が伝わることでファンを増やすこと。
つまり、ブランディング。
だいたいどこのラーメン屋さんも美味しい。そのうえで自分のお店を選んでもらうための取り組みが求められるわけです。
で、そこで大切になってくるのが、「美意識」だと思うんです。
数値で図れないけれど、人間の本能の訴えかける何かをどう纏わせるか。
世界一辛いとか世界一濃厚とかではなく、感覚的にに響くラーメンをつくれるかどうか。
モノと情報が溢れている現代で、この本能に訴えかける何かをつくれるかどうかが今後とても大切になってくると思うんですよね。
美意識を磨く大切さ
山口周さんの著書「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」にも書かれていますが、単に数値で図れるようなものではない感覚がとても大切だと思うんです。
やっぱり日本の企業は、どこか数値をひとつの目標にしてしまいがちだと感じていて、金属をどれだけ薄くできるかとか、ネジをどれだけ軽くできるかみたいに、山口周さんが言うところの「役に立つ」ことに良さを見出しているんだと。
でも、技術が進歩して情報がすでに拡散される現代では、この「役に立つ」ということはほとんど価値にならない。
だからこそ、「役に立つ」とは別で「意味がある」存在でなければいけない。
で、この「意味がある」存在になったり、つくったりする上では、「美意識」は欠かせないと思います。
モナリザはなぜ評価されるのか、サグラダ・ファミリアはなぜ美しいのか、単純にそういった感覚がない状態で、数値で図れない本能に訴える何かはつくれないはず。
だから、人間が本能的に美しいと思うもの、感情が動かされてしまうものを知らないとこれからの時代も愛され続けられるブランドはつくれないと考えています。
「オリジナルものさし」を持っているか
で、美意識を磨いていくと自分なりのものさしができる。
「オリジナルものさし」です。
美しいものとそうじゃないものを見分ける自分なりのものさしです。
もっとざっくり言うと、良い悪いの判断ができる自分なりの基準を持つということ。
「この色の組み合わせだから良い」とか「このファンとは相性が悪い」っていう自分なりのものさしが無いと、意味があるものはつくれない気がします。
逆に言うとこの「オリジナルものさし」があるからこそ、他との差別化ができるし、より人間らしい。
ロボットでは判断できないあなただけの基準。それが「オリジナルものさし」だと思うんです。
商品開発するにしても、ブランディングするにしても、この「オリジナルものさし」があるから他とは違った輝きを纏うはず。
自分なりの正義をもてるかどうか。そこが大切だと思います。
good design companyの水野学さんも、EIGHT BRANDING DESIGNの西澤明洋さんにしても、同じようなことを言っている気がしています。
「型」を知ることや「らしさ」たらしめているものを知ることが大切だということをお二人とも強調していますが、それって知識を取り入れることで自分なりのものさしをつくるっていうことだと思うんです。
つまり、「オリジナルものさし」づくり。
なにがラーメンっぽいのか、どうなったらラーメンじゃなくなるのか、どのラインがラーメンらしさを失わずにファンを増やすことができるのか。
その絶妙なラインを見極める感覚を磨くことがこれからの時代は絶対に大事になると思っています。
「オリジナルものさし」の精度を上げる意識
で、この「オリジナルものさし」の精度が上がれば上がるほど、より良いブランドをつくることができるはず。
だとしたら、いつも「オリジナルものさし」の精度を上げる意識を持つべきだと思います。
じゃあどうやって上げるか。
それは、やっぱり誰かに聴くのではなく、自分で体感すること。ネット記事や本では得られないレベルの感覚を体験することだと思います。
美術館や博物館に行って現物を見ることだって立派な精度を上げるプロセスです。
言葉で表現できない色や空気感を感じて、自分の感覚にストックしていく。
そのストックが次第に「オリジナルものさし」をつくっていくはず。
だから、とにかくインプット。しかも一次情報。
お金をかけて、時間を掛けて、足を使って感覚を研ぎ澄ます。「オリジナルものさし」の精度を上げる。
この意識をとても大切にしています。
もちろん、亀山も完璧ではありません。むしろまだまだできたばかり。
だから、どんどん精度を上げていかないといけないと感じています。
まとめ
・これからの時代は、「意味があるもの」をつくらないとダメ
・「意味があるもの」をつくるためには美意識が必要
・美意識を磨いて「オリジナルものさし」をつくる
・「オリジナルものさし」が面白さと差別化のきっかけになる
今回はちょっと抽象度の高い内容になってしまいましたが、一言で言うなら、数値で図れないものに人の興味は移っているから、人間の本能に訴えかける存在にならないと、商品は売れないし愛され続けられないということ。
お金、時間、足を使ってどんどん一次情報をストックして、「オリジナルものさし」の精度を毎日アップデートしていこうと思います。
きっと、一般的には理解できないことも多い。でも、合理的ではないことにこそ美意識を磨くヒントがあるはず。
これまでの自分のキャパを超えた領域のインプットを増やして「オリジナルものさし」の精度を上げていくぜ!
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!
それでは!
ブランディングプロデューサー
Narashika
亀山友貴
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?