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第5回 温泉

いつのころからだろう、温泉が好きになったのは。

二十歳の誕生日は雪見温泉につかりながら日本酒を呑みたいと思っていた私は
高校時代の女友達4人で岩手までいったこともある。

温泉、入るだけで気持ちがリセットされ、色々なアイディアがわきでてくる不思議なところだ。

オーディトリーニューロパシーという聴神経系の病気をもっている私にとって、温泉で困ることがある。

それは会話だ。

脱衣所では何ら問題なく会話できていた私が大浴場に入った瞬間、全く声が聞き取れなくなる。

これは反響音のせいらしい。

小さいころはこの反響音の中、歌を歌うのが好きだったのだが今はこの反響音が本当に苦手だ。

1人で温泉につかるのであれば特に誰かに何かを聞かなくてはならないこともなく気軽なのだが、友達や家族がいくときにはそうはいかない。

お風呂に入りながら、あれこれおしゃべりをするというのも温泉の醍醐味でもある。

聴覚だけではなく、目にも障害がある私。

シャンプーやコンディショナーの表示が見えない。

だから、一緒にいる友達が教えてくれるのだがそれが聞こえない。苦笑

シャンプーとコンディショナーを間違えたところで大した問題ではないのでそこは気にせずに使ってしまう私。

大浴場は苦手でも、露天風呂にいけば反響音から解放される。

のはずだった・・・。

露天風呂には、風情のある滝が高いところから降り注いでいるではないか?!

反響音はないにしても、この高いところから温泉にたたきつける水の音はそれなりにノイジーだ。

なんとなく、あいずちをうって会話に参加する始末。

「お風呂に入るときはほとんど聞こえないから話しかけないでね」
というのもなんかなぁと思うし、できることなら会話に参加したい私。

温泉、いってみなきゃどんなところかわからない。

静かな温泉もあれば、そうじゃないところも。

リラックスしにきたはずがかえって疲れきってしまうことも。

それでも、私は人と会話することが好きだし、ときたま聞こえた内容から会話を推察している。

相手に何をしてほしいか。

あまり気を遣わずにいつも通り会話に混ぜて!

&聞こえてなさそうなときはさりげなく静かなところでフォローしてくれたら嬉しいな。

さぁ、いよいよ冬本番が到来。

今年は雪見温泉にゆっくりつかいたいなぁ。

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