『わたしたちの親不孝介護』

川内潤著『わたしたちの親不孝介護』を読んでいる。前作『親不孝介護 距離をとるからうまくいく』からの続編。親の介護をしている人との対談形式。

親の介護が必要になったとき、多くの人は仕事をやめたり自分の家の近所に親を呼び寄せたりして「親孝行な」介護をしようとするし、社会もそれを求めている。でも距離感が近くなることでの葛藤、摩擦・・・。
うちもそうだった。父親との2人暮らし。毎日毎日追い詰められていく。だんだんしんどくなっていった。

包括に相談し介護保険をとって、デイサービスから利用。デイサービスのナイト利用という部屋に入居、デイサービスが閉鎖されることに伴い新たなグループホームへ。あわなくて1週間で退所。介護抵抗が強くて職員に暴力、提携医に精神病院にいれられた。
そして5か月近く。やっと退院して、特養待ち、ロングショートに入居。

私も最初は「施設に親を入れてしまった」後悔というか申し訳なさでいっぱいだったし、施設施設で父親が楽しく安心して過ごせるように文字通り「戦った」。
でもそんな負の感情から本書は抜け出す力となる。もっと自分のしたいことをしたらいいんだ、施設職員に「任せたら」いいんだ。

入院するときもロングショートに入る時にも書かされた延命処置に関する書類。どの段階で延命を希望しないか。いまでも悩んでいる。元気だったころ父親には、しんどい延命は望まないと言われたがそうできるのか。たぶん「その時に」決断するんだろうな。本書ではそのことの示唆もしている。

決断することは多いし、責任はのしかかる。