2024年正倉院展振り返り
2024年の正倉院展も素晴らしかったです。
今年はガラス製品が沢山出ていて、古代の人が身につけたきらびやかなガラスを楽しむことできました。
今の我々が、ガラスの指輪やネックレスをしていれば、それはおもちゃ?と見られかねませんが、古代のガラスはとんでもなく高価で美しかったのです。
古代はガラスのことを瑠璃と呼んでいました。
今回素晴らしい黄色や緑の瑠璃が私達の目を楽しませてくれたのです。
今回の展覧会には出ていませんでしたが、正倉院には素晴らしいカットガラス『白瑠璃椀』や、青く輝く『紺瑠璃杯』などもあります。
これらはシルクロードを渡ってきたものだと考えられ、ソーダガラスを使ったものだそうです。
日本には弥生時代くらいから、ガラスを加工する技術があったようですが、それは鉛ガラスで、つきつめると陶器と同じような種類だそうです。
鉛ガラスは凝った造形が難しく、ガラス玉などはほぼこの鉛ガラスだとか。
鉛ガラスは重たいのが特徴で、今回魚型や物差し型のガラスがありましたが、一部除いて鉛ガラスということですので、腰に下げるとズシンときたかもしれません。
シルクロードを渡ってやってきたガラス製品に比べると、形もシンプルで単純なかたち。重く扱いづらかったかもしれませんけれど、憧れの輝きを身に着けていたであろう奈良時代の人々の、誇らしげな顔が見えるような正倉院展でした。
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