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執金剛神さまに『会えた』日

ただいま東大寺 三月堂にて秘仏・執金剛神さまが御開帳になっています。
毎年、12月16日だけお見えになる像です。

塑像という土の御仏であり、壊れやすいことが秘仏になった理由の一つかとは思いますが…

奈良時代のお像が貴重であること、当時の色彩を残していること、その御由緒がたぐいまれなることであることなど…

年に一度しかお目見えできないのが残念であるとは思いつつ、まあ会えるからいいや…年に一度でも拝観できたらそれでいい…というように考えていました。

ふだんの12月16日は、だいたいこの方に会いに行くツアーを組んでいるので、毎年必ずお顔は見ているものの、どうしてもお客様最優先なので、自分の思うままにじっくりご尊顔を拝することはできません。

まあそれでもいいやと…

会ってるんだし‥

基本的に変わらないし…

などと思っていました。
今回も御開帳が始まって、まあ何度か行けばいいかと…。
10月15日(日)にツアーをするのですが(来てね(^o^))


その日にも会えるし、その前にどこかで行けばいいかと…
気楽に考えていました。
しかし、たまたま今日東大寺さんに行く用事があり、その用事があっさりすんでしまったので
「じゃあ、三月堂に寄っていこうか」
と思ったのは単なる気まぐれでした。

行ってみて驚いたのですが、ふだんと微妙に違うのです。
たぶんライトがついている。
通常ならちょっと薄暗くてよくわからない執金剛神さまがすごくきれいに見えました。

そのお美しさはちょっと度肝を抜く感じでした。
憤怒の顔に浮き出た血管がリアルなのは知ってましたが、私が知っている以上に美しかったのです。

それは塑像の美しさであり、残された彩色の美しさでした。
口のなかまで赤いリアルな感じは、この神将が今も息づいていることを感じさせます。

こぶりな体ながらも、迫力ある眼差し、力のみなぎった腕。
どこをとってもエネルギーに満ちていました。
これまで十数年、数分しか見てこなかった執金剛神様は、今ならば急かされることなく拝見できます。

細部までじっくり拝見してまた見つめ直すたびに発見される素晴らしさ。
見たことある、知っている、そんな言葉ががらがらと崩れていくようでした。

見ているようで見ていない。
ほんとに何度学習してもし足りない。

この執金剛神さまの持ち主は、良弁僧正だといいます。
なぜ良弁さんは、こんなすごい御仏を作ったのか。
その答えは、奈良時代に生きた人が、こぞってのめり込んだある手法に隠されています。

明後日のニコ生と、日曜日のツアーでたっぷりご案内します!

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ニコニコ生放送
10月11日(水)20時スタート
https://live.nicovideo.jp/watch/lv343035187
前半30分無料
後半有料
有料パートは会員様限定です。
月額880円で会員登録していただけます。
月4本のニコ生&アーカイブ見られますので、ぜひパトロンになってください


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【東大寺をたずねるツアー】
『東大寺 オモテツアー 大仏建立のメモリアルデーに東大寺をくまなくめぐる!」
10月15日(日)
13時集合~ 16時頃まで
この日は東大寺が作られることになった「大仏建立の詔」が発せられた日です。
なぜ大仏さんが作られることになったのか?
奈良時代とはどんな時代だったのか?
実は大仏さんは奈良じゃなかったかも??
すべてを解く鍵が、良弁上人さまにありました。
東大寺の初代別当に当たる方です。
この良弁上人ゆかりの執金剛神さまがじっくり拝見できるまたとないチャンスでもあります!
https://uruwashinara.com/.../%e3%80%90%e3%83%84%e3%82%a2.../



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