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世界遺産6社寺ぜんぶ行っとこう!

『古都奈良の文化財』というタイトルで世界遺産が認定されて25周年を迎えました。

これを記念して、平城京時代に作られた神社仏閣をめぐる参拝券が発売されるなど、記念行事があります。


奈良が好き、という方の中には「古代が好き」「古墳が好き」「古事記が好きだからゆかりの場所をめぐりたい」などなど色んなジャンルの愛好者がいらっしゃいますけど、私は奈良時代推しなのです。

平城京の時代に作られた神社仏閣・遣唐使などの制度、律令という決まり事や平城京という新しい都市…。

そんな中で度肝をぬかれるのが、奈良時代に平城京を中心として、日本全国がつながりあっていたということです。

そのことがわかる一例が「櫛」です。

古代から人々は髪を櫛で飾っていました。

女だけでなく、男も櫛が必需品だったのです。

古事記の世界においても、櫛が登場します。

イザナギ・イザナミの神話で、妻イザナミが黄泉の世界に行く話がありますね。

追い掛けてきた夫イザナギは、待っていてという妻の言葉を聞かずに探しに来てしまいます。

その時真っ暗だったので、櫛の歯を一本抜いて、そこに灯火を付けたのでした。

そして変わり果てた妻の姿を見てしまうのです。

ここからわかるように、古代においては男性も櫛を付けていました。

『万葉集』にも、花の枝を手折って髪にさす、というシーンが詠まれ、『木』に力があること。その霊力でひとを護ることが信じられたのがわかります。

高級な櫛には象牙の櫛などもあったのですが、やはり櫛が木製だったのは、木の霊力を期待してのことでしょう。

今は櫛というとつげの木がメジャーですが、古代においてはイスノキが主流でした。イスノキが育つのは九州が適しているといわれ、九州のイスノキがよく使われました。

それが全国にて出土されているのです。そして一番出てるのが平城宮なのです。

九州の木でもって製品を作って、それが平城宮に届き、全国に流通していた形跡があるのです。

今は外国から材料を輸入して製品を作って、全国で売るのが当然の時代ですが、それと似たようなことが古代にあったというのです!

これ、めちゃくちゃすごくないですか!?


奈良時代は、なんというか牧歌的で、歌のやり取りに力を注いで、一部の人が贅沢な暮らしをしてそれを庶民が租庸調で支えていて…そんな漠然としたイメージを持っていましたが、租庸調という税金があるということは、「税金をおさめなきゃだめだ」ということが、知れ渡っていたということです。

そしてそれを強制する力があったということです。

しかもそれが全国規模って??


奈良時代は、知れば知るほどおもしろい。

平城京の時代って、意思の疎通が難しいくらいの古代のようなイメージがありますが、実は今の私達ととても近しいと感じることがあります。

今あるもの。世の中の仕組み。日本の原型。それらができた時代こそ奈良時代だと思っています。

奈良時代は今と地続きでつながっているのです。

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奈良市の世界遺産『古都奈良の文化財』25周年を記念して、6社寺めぐる共通券が発売されています。

ご一緒に6社寺めぐりませんか?

【日時】2024年2月23日(金 祝)東大寺 春日大社 唐招提寺 薬師寺
9時~17時 ¥11000(ランチつき)

【世界遺産】奈良の6社寺ぜんぶめぐろう!東大寺・春日大社・薬師寺・唐招提寺編  | ただうち香織の奈良ガイド (uruwashinara.com)

【日時】2024年2月25日(日)興福寺 元興寺
9時~12時 ¥5000

【世界遺産】奈良の6社寺ぜんぶめぐろう!興福寺・元興寺編  | ただうち香織の奈良ガイド (uruwashinara.com)


6社寺めぐるチケット
6社寺共通拝観券
六社寺共通拝観券|古都奈良の文化財 世界遺産登録25周年記念サイト|2023年12月「古都奈良の文化財」は世界遺産登録25周年を迎えました。 (kotonara25.jp)

奈良でガイドをしています。これからもっとあちこち回っておもしろいガイドを提供します。ご支援どうぞお願いいたします。