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奈良の夜

奈良の夜の風景は、感じ入るものが沢山あります。

もともと繁華街はあっても夜闇の濃いとことが多いので、神秘に感じる部分が多く、同時に神仏が明らかにされているのに出会うと、昼間とは違う感銘を受けます。

見慣れた東大寺さんも、夜に行くと不思議な感じ。

大仏殿の裏にある参道もひときわ美しく、頭上で輝く二月堂の明かりがとても清らかに見えます。


20時には鐘楼の鐘が。

東大寺さんの鐘は奈良時代に作られたものが現存しており、その大きさも音の深さも「さすが」と思わせる貫禄ぶりです。


南大門の仁王さんも昼間より迫力が増して見えます。


鎌倉時代の仏像が24時間見れるなんて、贅沢以外何者でもありません。

この仏像を造ったとき、一緒に作られた仏が大仏殿に安置されていましたが、残念ながら焼けて無くなっています。

その姿はもうわかりませんが、南大門の仁王さんから想像するに素晴らしいものだったのでしょう。

仁王さんは木を組み合わせて作られていますが、同じ木材でも中心の部分と外側の部分とでは材質が違うそうです。

中心のほうがより良いとされるのですが、南大門の仁王さんは「端の方」の部材だそうです。

門を守る大切な仁王さんがなぜ?という気がしますが、おそらく大仏殿の中におわした仏の方により良い木を使ったのではないかということ。

そう思うと、かつて大仏殿に安置されていた仏像がさらに惜しくなります。


これから到来する秋に様々な場所で秘仏公開や特別展示があります。

夜拝観が始まる場所もあるので、さらに夜の散歩が楽しくなりそうです。

奈良でガイドをしています。これからもっとあちこち回っておもしろいガイドを提供します。ご支援どうぞお願いいたします。