【古】すみません。だいぶ違った。「省力化補助金」修正レビュー
(注)
この記事は、2024年2月16日にアップしましたが、既に情報が古くなっています。
関連する最新記事は下記です。
(以下原稿作成時原文)
法人さん向けの情報になります。
すみません。
先日、「事業再構築補助金の後継「中小企業省力化投資補助事業」緊急レビュー」という投稿を上げさせていただいたんですが、その後、2024年2月9日(金)に中小企業庁から新たな情報が出され、私が予想していた制度とはかなり違っていることが判明しました。
お詫びして、2024年2月16日(金)現在の情報にアップデートさせていただきます。
この制度の活用に関し、私がお手伝いできるかどうかは、現時点では不明です。
(仕事依頼の欄からも削除させていただきました。)
しかしながら、制度自体は、人手不足に悩む中小企業さんに役立つものですので、これからも情報が更新され次第、お届けしていきます。
(1)制度概要
省力化補助金は、人手不足に悩む中小企業者さんが、ロボットやIoT、AI機器などの製品導入を通じて業務を改善し、成長を図る場合に、そうした製品の導入経費を補助する制度です。
①対象者
人手不足の状態にある中小企業・小規模事業者等です。
客観的に人手不足を示す証憑を提示するか、人手不足が経営課題となっている旨の申告を行うことが必要です。
また、補助事業終了後1~3年で付加価値額の従業員一人当たり付加価値額が年率平均3%以上増加する見込みの事業計画を策定すること(以下「付加価値額要件」という。)が必要です。
(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)
②対象機器の選び方
対象とする機器等の一覧(以下「カタログ」という。)に掲載された機器を、同じくカタログに掲載された機器の販売や導入支援を行う事業者(以下「省力化支援事業者」という)から導入します。
③補助率・上限
(2)製品カタログへの掲載方法(ここが新情報!)
2024年2月9日(金)に中小企業庁さんから、「製品カテゴリ登録指針」という文書が出されました。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/2024/240209shoryokuka_kobo.html
①大まかな流れ
まず、製品のジャンル「カテゴリ」と、「それが省力化に貢献する基準」などを、業界団体(工業会等)が中小企業庁に提出して、「こんなジャンルに製品が登録される」という枠組みが決まります。
次いで、省力化製品を作っている企業が、「うちの製品は基準を満たすのでカタログに載せたいです」と申請します。
工業会等が基準を満たすか審査し、中小企業庁がOKを出します。
中小企業さんは、カタログを見て製品を選び、「うちはこれを入れると省人化できるんで、入れたいです」と補助金事務局に申請します。
②なんでこんな方式になったのか?
おそらく、IT導入補助金のように「企業がカタログ登録を直接申請する」形式だと、登録申請件数が多くなり過ぎて、補助金事務局のコストがかかりすぎるのではないかと思います。
IT導入補助金は、何年もかけてカタログ掲載商品が増えていきましたが、省力化補助金の場合、「一度にどばーっと掲載申請が来る」イメージです。
なお、今回のような「業界団体さんに審査をお願いする」という方式は、他にもあります。
中小企業等経営強化法に基づく「中小企業経営強化税制」(いわゆる設備投資減税の強化版。「即時償却」というクリティカル技が使えます。)の「A類型」というやつです。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kougyoukai.html
これは、対象設備が生産性を向上させることを、工業会が証明するという方式で、同種の設備の情報をいっぱい持っている工業会さんであれば、「あ、X社さんのA設備は去年B設備にモデルチェンジして生産性が2%上がったよ」とかいう事に詳しいので、「得意なとこに証明してもらおう」というやり方です。
③一点だけ気になる
この「工業会方式」、補助金を利用して設備投資を行いたい中小企業さんにとっては、大変便利です。何しろ、「この設備は生産性を○%向上させる」というのが、カタログに初めから書いている訳ですから。
説明しやすいし、申請書を作りやすい、と思います。
一点だけ気になるのは、「製品を最近作り始めたベンチャーさん」です。
彼らの製品がすごく高性能だったとしても、工業会に入っていないかも知れません。そうすると、カタログに載らないかも知れません。
高性能な製品がカタログに載らないというのは、もったいないですよね。
我々コンサルタントも、これからベンチャーさんにガンガン声がけをしていきます。
少しでも多くの製品がカタログに載るといいな、と思います。
(3)省力化したい中小企業さんへ
3月中に、わかりやすい「カタログ第1弾」ができ、補助金の募集が始まると思います。
カタログに「導入したい設備」が載っているか確認し、載っていたら是非申請してください。
手続が簡単そうだったら、コンサルを使う必要はありません。
設備企業さんが手伝ってくれるかも。
その辺の詳細はまだわかりませんが、いずれにしても期待してお待ちください。
大手企業さんであれば、「工業会方式」を扱ったことがある販売店さんも多いと思うので、製品がカタログに載った、載ってないという情報が比較的入ってきやすいかも知れません。
メーカーさんや、代理店さん、販売店さんに問い合わせてみるのもいいと思います。
(4)省力化機器を作っているベンダーさんへ
工業会に入っていらっしゃる、「既に工業会方式をやったことがある」というベンダーさんは問題ないかと思います。
問題はベンチャーさん。
これを機に、会費負担がOKなら、工業会に入ってみましょうか?
情報が取れ、政策の活用もスムーズになるかもしれません。
もちろん、デメリットもあるかも知れませんが、企業戦略の一つとして、検討される価値はあるかな、と思います。
お付き合い、ありがとうございました。
「工業会方式」は予想していなかったので、ちょっとびっくりしましたが、「既成の省力化設備を導入する」というスキームなので、確かに工業会方式の方が効率がいいですね。
手続も、早そうです。
令和6年度は、人手不足に対応する補助金が充実しています。
中小企業の皆さん、是非使ってください!